2016-05

学会

同じ技術思想の汎用性を考える

先日届いた、学会誌「高分子」の最新号(2016年6月号)のテーマは 「痛くない高分子:その優しさはどこから?」 というテーマで、生体適合性高分子をテーマに扱っている。 これは、人工臓器や人工血管等の医療デバイスや、生理活物質を患部に届けるデ...
翻訳の仕事

特許明細書を訳す順序についての考察

仕事では特許明細書をゼロから100まで訳しているが、時々質問を受けるのが「どこから訳すのがいいか」ということだ。 ご存じの通り、特許明細書は大まかに分けて ・明細書 ・請求項 ・要約書 の3つの書類からなっている(国際出願の場合)が、明細書...
学会

高分子学会 年次大会(2016年)の簡単なまとめ

先日の記事でも書いたが、5月25日から27日まで「高分子学会 年次大会」に参加するために、神戸まで足を運んできた。 ここで、今年の話をするまでに、私が高分子学会に入会した当時のことを話したい。 この学会に入会したのは2015年の4月頃だった...
オピニオン

翻訳支援ツールのベネフィットとは

私は産業翻訳から特許翻訳に移行した身なのだが、特許翻訳に参入した際に、いわゆる「翻訳支援ツール」を購入して使用することにした。 これは、参入時の勉強で「支援ツールは導入したほうがよい」というアドバイスに素直にしたがっただけなのだが、初期投資...
オピニオン

翻訳業は自由業?

フリーランスの翻訳業は、社会的な分類では「個人事業主」という業務形態であり、これは俗に「自営業」とも呼ばれている業種形態である。 この「自営業」に似た言葉に「自由業」という言葉もあるのだが、これは一般に、作家(小説家)やデザイナーあたりを指...
学会

学会入会のコストパフォーマンスを考える

私が2016年5月現在で入会している学会は、高分子学会と言語処理学会である。 特許翻訳者として数年のキャリアがあるので、本当はもう2つくらい興味のあるものに参加すべきなのだろうが、学会誌に目を通すのに時間がかかることもあり、なかなかホイホイ...
明細書

特許翻訳に学術論文を活用する

特許翻訳をしていると、ネット上の様々なソースを活用して技術背景、原理や表現、単語等を調査するのだが、そのソースの中には学術論文もある。今回は学術論文をどのように特許翻訳で活用するかを、自分の経験を踏まえてまとめてみたい。 ①論文検索は脇役的...
学会

特許検索に学会誌を活用する

高分子学会の学会誌「高分子」の5月号が今月初頭に届いたので、時間のある時に前から読んでいるのだが、今月号は時期的なものもあり、「学会賞」の紹介がされていて、これに十数ページが割かれている。 最初、このセグメントは寄稿と思っていたのだが、よく...
オピニオン

特許翻訳で役立つ因数分解の考え方

このタイトルを見て、速攻で記事を閉じようと思った方もおられるかもしれないが、はじめに断っておくと、数学の話をするわけではないので、その点ご安心頂きたい。 といっても、因数分解が何たるかは一応話しておかないといけないので、簡単に触れておくと、...
仕事道具

E’storage 2016がリリース

普段、仕事で対応する明細書の関連出願や同じような内容の明細書を探すのに、DJソフト社のE'storage 2014を使用しているのだが、今日ホームページを覗いてみると、つい先日(5月12日)に、最新版の2016がリリースされたようである。 ...
明細書

化学系特許明細書での頻出単語「n-BuLi」

n-BuLi=n-ブチルリチウム。 ポリブタジエンやスチレン・ブタジエンゴムなどを得るアニオン重合の開始剤として使用される。 強塩基、プロトン引き抜き剤やリチオ化剤として広範に使用される。 <性質> 水と激しく反応し、ブタンと水酸化リチウム...
仕事環境

書籍の大半を電子化へ

この夏に海外に引越予定なので、その準備として、保有書籍の殆どを電子化に回した。 といっても、自宅にスキャナを持っているわけではなく、業者にやってもらうのだ。 以前試しに利用してなかなかよかった、電子化ドットコムを今回も利用することにした。 ...
エッセイ

知識と思考を分かつもの

「特許翻訳に必要なのは知識ではない」とは、よく言われることだ。 「本当に必要なのは知識そのものではなく、知識を繋げて活用できる思考力である」というのがこの一言の言わんとしていることだ、と私は解釈しており、この一言はなかなか含意に富むものだと...
明細書

化学系特許明細書での頻出単語「Bu」

Bu=ブチル基。 間違いなくこの略語は頻出だ。 ただ、一口に「ブチル基」といっても、以下のように幾つか種類がある。 n=normal(ノルマル)のn。 sec=secondary。 tert=tertiary。 tert-ブチル基については...
明細書

化学系特許明細書での頻出略語「BHT」

BHT=ブチル化ヒドロキシトルエン(butylated hydroxytoluene) 又はジブチルヒドロキシトルエン (dibutylhydroxytoluene)のこと。 個人的には、あまり馴染みのない化合物。自分が担当してきた案件や目...
オピニオン

フリーランスはサラリーマンより凄いのか?

「フリーランスで翻訳の仕事をやっています」 というような自己紹介を、自分より年上の人達との集まりで初対面の時に行うと決まって「すごい」と言われます。 これは、相手がサラリーマンである場合は勿論だが、フリーランスの場合であっても「若いのに独立...
明細書

法令用語「その他」「その他の」の使い分けについて

今回は、法令用語の話をしたい。 これら2つの言葉は、日常会話や日頃目にする文章では特に使い分けを意識する必要はないが、特許明細書をはじめとする法令文書では、似て非なる意味合いを有することを理解しておきたい。 ①例示を表す場合は「その他の」を...
明細書

化学系特許明細書での頻出略語「Boc」

Boc=tert-ブトキシカルボニル基 <特徴> アミノ酸の保護基として機能。 脱保護時の副生成物はイソブテン及び二酸化炭素だけなので、後処理が簡便。 Boc化試薬としては、例えば二炭酸ジ-tert-ブチル等。 一級又は二級アミンに対し、ピ...
明細書

化学系特許明細書での頻出略語「Ac2O」

Ac2O=無水酢酸。 <特徴> 無色液体。刺激臭。蒸気は催涙性を有する。 <有機合成での役割> カルボン酸無水物と反応性あり。 塩基・酸触媒を用いて、酢酸誘導体の合成に用いられる。アルコールと反応すると酢酸エステルが、アミンと反応するとアセ...
明細書

化学系特許明細書での頻出略語「Ac」

備忘録も兼ねて。 Ac=アセチル基。 <特徴> ・水酸基の保護基として用いられることが多い。 ・塩基、求核剤には一般に弱い。 <アセチル化> ピリジンやトリエチルアミン等の塩基存在下にて、塩化アセチルや無水酢酸を作用させることでアルコールの...