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翻訳者に求められる1日の処理量(翻訳スピード)の目安は?

仕事環境

フリーランスで翻訳の仕事をする時に必ず把握しておかないといけないのは、「1日あたりでどれくらいの処理量があるのか」ということです。

 

求人に応募する場合も、処理量はCVに記載しますし、実際に仕事をする上でも自分がどれくらいの時間でどれくらいのスピードで仕事ができるのか、ということはきちんと把握しておかないと、プロの土俵にいると言うことはできません。

 

今回は、この翻訳者の処理量をどう考えるべきかについてまとめました。

 

一般的には英日で2000ワード/日と言われる

 

試しに、Googleで「翻訳 処理量 1日」のように検索をしてみると、多くのサイトで「英日だと1日2000ワード」というような結果が出てくることと思います。

 

日英に関しては、原文(日本語)で考えるか訳文(英語)で考えるかで異なりますが、仕上がりワード数(訳文)ベースで考えるなら、英日と同じで2000ワード前後、あるいは、日日翻訳を先にしておく、といった作業の手間も考えるのであれば、200ワード程度低く見積もるのが妥当かもしれません。

日英を原文(日本語)ベースで考えるのであれば、英語のワードを日本語に翻訳した場合、文字数は約2倍になる」という考え方を(やや乱暴ですが)当てはめると、仕上がり2000ワードであれば約4000文字を翻訳する必要がある、と考えることができますね。

 

僕も、特許翻訳に参入する前の時点ではこの処理量を目安に仕事をしていましたし、特許翻訳に参入する際も、英日でまずは2000ワード/日をコンスタントに捌けるように自分で勉強をしていましたし、最初に作成したCVにも確かそのようにデータを載せていました。

 

処理数を載せるときに考えないといけないこと

 

ただ、この数字をきちんと把握する際には、実は考えないといけないことがあります。

それは、「下調べや見直しの時間も含めて、1日平均でどれくらいの処理ができるのか」ということです。

 

例えば、あなたが1日2000ワードの処理ができる、とCVに書いて、仕事は月曜~土曜の6日間行うとします。

これを4週間行って1ヶ月の処理量として相手に伝えるのであれば、その値は2000(ワード)×6(日)×4(週)=48000ワード、となりますね。

 

ただ、当然ながら翻訳という仕事は、24日間ずっと翻訳をするわけではありません。

例えば10日間の納期の仕事があるとして、最初の1日は調査、最後の2日は見直しや修正に時間を使うとすると、実際に翻訳作業ができるのは残りの7日間ということになりますね。

 

ここでは話を単純にするために、10日間ずっと働く、と仮定すると(本当はきちんと休んで下さい)、2000ワード/日で10日間仕事をすると、20000ワードの処理量に理論上なります。

しかし、もしこの処理量があると取引先に伝えておいたとしても、実際に翻訳をするのが7日間となると、20000ワードを7日間で処理しないといけないわけですから、1日あたり3000ワード近く翻訳をしないといけないことになります。

 

仕事内容の下調べや見直しにどれくらい時間がかかるのか、ということも人それぞれ違うので、ある人は全てを1.5日あればできるでしょうし、もしかしたら3.5日必要な方もおられるかもしれません。

いずれにしても、これらの「翻訳外の作業」を含めて、平均の処理量を算出できていますか?ということがとても大事なのです。

 

特許翻訳の場合、処理量はもう少し上げられる

 

とすると、CVに「1日の処理量は2500ワード」と書いている場合、実際の処理量は3000ワードくらいになりますし、もう少し多く記載しても、それより実際の作業量(スピード)は速くする必要があります。

 

これは、翻訳業をフリーランスでする際に案外盲点になってしまうことかもしれません。

 

ただ、特許翻訳の場合は、取引先から支給される翻訳メモリと用語集、あるいは公開訳文や過去の仕事で構築したメモリと用語集を活用することによって、実質的にゼロから翻訳をする作業を減らすことができますし、これらのツールを上手く活用すれば、自分の得意分野であれば1日あたりの処理量が4000ワード~5000ワードになる場合もあります。

 

大切なのは、これらのツールも使うことでどれくらいのアウトプットができるのか、かつ、翻訳の前後に必要な作業を見込んで自分の仕事量がどれくらいなのか、ということを、できるだけ正確に把握することです。

 

ここまで自分の作業量を正確に把握することができて初めて、プロの翻訳者であると言うことができるでしょう。

 

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