「正解」を探し求め続ける翻訳者に未来はあるかね?

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去年にファンになった山口周さんの最新刊、「ニュータイプの時代」が発売されたので早速読んでみました。

 

ニュータイプの時代


これからは、「正解を求めることに意味はなくなっていく」という話です(他にももちろん、色んなことが書かれていますが笑)。

 

「未来はどうなるのか?」という問いかけ自体も不毛で、「未来をどうしたいのか?」ということを考えて1人1人が行動していく必要がある、ということも問いかけられています。

 

 

というのも「未来はどうなるのか?」という発想自体が「正解が転がっている」という発想に変わりないからです。

 

 

色んなオピニオンリーダーがする「未来予測」を「正解」と捉えて、それをなぞればオッケー、安心、と考えること自体が、もう時代遅れの発想である、ということですね。

 

 

でも、特許翻訳の世界で5年ほど生きてきましたが、未だに「旧式の発想」しかできない人ばかりだなあ、とこの業界を見ていて思いますね。

 

「今後、特許翻訳はなくなるのでしょうか?」

 

「これからは英語より中国語の時代でしょうか?」

 

という問いかけはもちろん、

 

「この単語はこう訳すべき」とか「こういう使い方が正しい」とか、そんなのばかりですよね。

 

 

 

でも、そんな「正解」を追い求めてどうするんでしょう。

 

未来予見がハズレて、今後特許翻訳という仕事が消滅しなかったとしたら、当時「特許翻訳はなくなる」という答えを鵜呑みにしていた人は、またどうせ人の責任にして生きていくんでしょうか。

 

「この言葉は、この場合はこういう風に訳して、この場合はこの言葉にする」というパターン化で仕事をこなしている人は、変な訳語を充ててしまったらどうするんでしょうか。

 

 

言葉の選び方や、どんな表現を使えば読者に上手く伝わるのか(特許翻訳で言うと「どうすれば、できるだけ権威範囲を広げながら、不当な制限や訴訟に巻き込まれずに済む」ように考えて、アウトプットをするのか)なんてことは、クライアントによっても異なるでしょうし、自分が持っているボキャブラリーや語感なども鑑みると、人それぞれ出しうるアウトプットなんて異なって当然だとは思うんですけどね。

 

まあ、「正解がどこかに転がっていて、自分はそれを探せていないだけ」なんて頭の使い方で、そもそも「翻訳」なんて高等作業がどれほどできるのか、という話ではありますけどね。

 

 

 

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