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期間限定?ラピート車両で運転される泉北ライナーに乗ってきた

南海電鉄の50000系車両は、「ラピート」として難波~関西空港間で運転されている専用特急車両です。

 

普段は、速達のラピートα、停車駅が多いラピートβの2種類の列車として運転されていますが、2022年11月から、期間限定(現時点ではいつまでは分かりませんが)で、南海高野線と泉北高速鉄道線に乗り入れる「泉北ライナー」にも充当されることとなりました。

 

今回は、なぜこんなコンバートが行われたのかの説明と、実際の乗車の様子をまとめたいと思います。

目次

ことの発端は、南海高野線の車庫で起こってしまった脱線事故

ことの発端は、2022年11月から半年ほど時計の針を遡らせた、2022年5月末に起こった、南海高野線の小原田車庫(和歌山県橋本市)で起こった、特急「こうや」用車両の脱線事故。

 

この事故では、幸いにもけが人はいませんでしたが、普段難波~高野山で運転される、高野線末端区間(橋本~高野山)に入線できる17m車体の特急用車両が損傷してしまい、この脱線事故以降、南海高野線では、一部の特急列車が「全車自由席」で運転される、前代未聞の事態が起こりました。

 

※この脱線事故の様子については、こちらのYouTuberの方の動画が参考になります。

 

その後、高野線では一部の特急列車が運休になったり、先に書いたように全車自由席の普通車両で運転されていたのですが、車両繰りを行うことで、普段「泉北ライナ-」に使われている車両を、高野線に転用することで、事故前と同じ運用で「こうや」「りんかん」を、特急線用車両で運転できるようになりました。

 

ただ、そのコンバートによって、本来泉北ライナーに使われる特急用車両が足りなくなってしまうことから、関空特急「ラピート」専用の車両をコンバートさせて、泉北高速鉄道に乗り入れさせることとなったのです。

「泉北ライナーラピート」の運用は、平日5往復、土日祝6往復

泉北ライナーは、平日は11.5往復(下りの難波発のみ1本少ない)、土日祝日は12往復運転されていますが、このうち、ラピート用車両で運転されるのは、平日が5往復、土日祝日が6往復となります。

 

泉北高速鉄道のHPでも記載されていますが、ラピート車両で運転される号数と、始発終着駅のダイヤは以下のとおりです。

〇平日

   <下 り>

    特急泉北ライナー63号 難波8:17発

    特急泉北ライナー67号 難波17:44発

    特急泉北ライナー71号 難波19:24発

    特急泉北ライナー75号 難波20:50発

    特急泉北ライナー79号 難波22:17発

   <上 り>

    特急泉北ライナー64号 和泉中央7:31発

    特急泉北ライナー70号 和泉中央17:03発

    特急泉北ライナー74号 和泉中央18:40発

    特急泉北ライナー78号 和泉中央20:06発

    特急泉北ライナー82号 和泉中央21:34発

  〇土休日

   <下 り>

    特急泉北ライナー63号 難波8:25発

    特急泉北ライナー67号 難波10:25発

    特急泉北ライナー71号 難波17:44発

    特急泉北ライナー75号 難波19:26発

    特急泉北ライナー79号 難波20:50発

    特急泉北ライナー83号 難波22:17発

   <上 り>

    特急泉北ライナー64号 和泉中央7:43発

    特急泉北ライナー68号 和泉中央9:43発

    特急泉北ライナー72号 和泉中央17:02発

    特急泉北ライナー76号 和泉中央18:40発

    特急泉北ライナー80号 和泉中央20:07発

    特急泉北ライナー84号 和泉中央21:38発

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泉北ライナーラピートは、スーパーシートも普通特急料金で乗れる!

関空特急ラピートは、2列×2列のレギュラーシートと、2列×1列のスーパーシートの2種類の座席があり、難波~関西空港の間だと、レギュラーシートが520円、スーパーシートは730円かかります。

 

一方で、ラピート車両が泉北ライナーとして運転される場合、スーパーシートの設定はなく全ての座席に、通常の特急料金の520円を払えば乗ることができます

 

スーパーシートは難波方面の5号車と6号車に設けられているので、もしラピート車両の泉北ライナーに乗るときは、このどちらかの号車の座席を指定したほうがお得ですよ。

 

実際に乗ってみた

泉北ライナーには以前一度だけ乗ったことがあるのですが、今回改めて、このラピート車両に乗るために再び乗りに行くことにしました。

 

予約をしたのは、日曜日に難波を8時25分に出発する、泉北ライナー63号の5号車。

 

難波駅では時間を取って撮影をしたいため、8時10分頃には改札の中に入りました。

「泉北ライナー」の文字は斜体字でカッコいいですね。なお、8時13分に、同じホームから出発する橋本行きの急行列車があるため、泉北ライナーラピートがホームに入線してくるのはこの列車の出発後、8時18分頃でした。

 

ちなみに、泉北ライナーの7分前に、同じ和泉中央行きの準急が出発しますが、この列車は泉北ライナーに抜かされずに、終点まで先に到着します

 

これは、泉北高速鉄道線内に待避設備がある駅がないことが一因ですが、この話は、初めて泉北ライナーに乗ったときに書いたこちらのブログにまとめているので、合わせてご覧下さい。

 

泉北高速鉄道の特急・泉北ライナーに乗車。乗車率や存在意義はどんな感じ?

 

これが、ホーム上の案内板の表記。よく見るとおわかりいただけると思いますが、この列車案内、ラピート用の6両の車両で運転されるにもかかわらず、案内板では「4両」と表示されます。

恐らく、泉北ライナーの列車情報に登録されている編成が4両だけとなっているからこのようなことが起こっているのだと思いますが、私も表記を見たときに一瞬、「あれ、今日はラピート車両での運転じゃない? それとも予約する列車間違えた?」とヒヤッとしたので、南海電鉄さんにはできれば、数を正しく表記してもらえるように対応していただきたいですね。

 

 

これは、難波駅出発前にホーム南側から撮影した写真。高野線ホームにラピート車両が入線するのは珍しいことなのでしょうが、この写真だけ見て違和感を持つ人は、多くはないかもしれません。

 

また、この車両の特徴は、側面の号車番号の上に、「泉北ライナー」というロゴが貼り付けられていたこと。

 

これは、ラピート車両が、ラピートでの運用に特化しており、側面の液晶では「特急」としか表記することができず、車内の電光掲示板の下にも「rapit」という印字がされてしまっているからだと思われます。見てみると違和感が強いですが、これも期間限定と思うと、今しか見れない貴重な組み合わせですね。

 

これが今回利用した、5号車のスーパーシートの様子。関空に行くときに何度か利用したことがありますが、やはり2列×1列はゆとりがあって快適ですね。

 

なお、私が乗った車両には他に3名ほどの乗車しかありませんでした。他の車両までは確認できていませんが、恐らく乗車率は1割前後かと思われます。

 

泉北ライナーは主に、朝は泉北ニュータウンから難波方面への需要を拾い、夕方以降は難波から泉北ニュータウンへの需要を拾うための着席保証特急なので、逆方面への列車は、車両の送り込みの意味合いが強く、そもそもこの程度の乗車率でも万々歳なのかもしれませんが、恐らく「ラピート車両に乗る」という方の割合が多いのではないかと思いました。

 

そうこうしているうちに泉北ライナーは出発。普段ラピートでは通過しない、今宮戎駅と萩ノ茶屋駅を通過し(南海本線にはこれらの駅がないため)、岸里玉出で南海本線とは分かれ、泉北ニュータウンを目指して走ります。

 

途中、堺東で各駅停車の河内長野行き(11分前に難波を出発した列車)を追い抜きますが、それ以外は抜かすことなく、中百舌鳥で泉北高速鉄道に乗り入れて、終点の泉中央まで到着しました。

 

所要時間は32分。同じ特急としては、近鉄奈良線の奈良~大阪難波を走る、同じく35分程度の通勤向け特急とほぼ同じと言えるでしょうか。

 

この写真は和泉中央駅で撮影したもの。普段絶対にラピートが乗り入れない区間なので、こちらのほうが違和感が強いですね。

 

この列車は、和泉中央駅で50分ほど待機をした後、折り返し、9時43分初の68号として難波に向かいます。

 

なお、この和泉中央駅、1面2線のホームの外側に1線ずつ側線があるのですが、この側線、車止めのある南側からしか引き上げることができない構造になっています。これはどうやら、もともと岸和田方面まで南進する計画があったときに、延伸を見越して設けられたものなのだとか…。一体、普段使われているのかが気になります。

 

まとめ

今回は、期間限定で、2022年11月から運転されている、ラピート車両を使った泉北ライナーの紹介でした。一度乗りに行ってみたいと考えている方は、短距離で特急料金も安いので、ぜひ気軽に乗りに行かれてみて下さい。

 

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