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泉北高速鉄道の特急・泉北ライナーに乗車。乗車率や存在意義はどんな感じ?

2020/11/14

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大阪府堺市の中百舌鳥から、和泉市の和泉中央までを結ぶ私鉄の泉北高速鉄道には、2015年の5月から、通勤ライナー的な役割を果たす有料特急列車の「泉北ライナー」が運行を始めました。

 

1971年に、当初、中百舌鳥から泉ヶ丘まで開通して歴史が始まった泉北高速鉄道にとって、初めての優等列車となるこの特急。当初の評価は決して高くはないものもあったようですが、なんだかんだ言ってもう5年以上運転が続いているのには、それなりの理由があるはず。

 

私も、ようやくこの列車に乗る機会ができたので、実際に乗車をして、どんな列車なのかを確かめてきました。

 

泉北ライナーのあらまし

泉北ライナーは、2020年11月現在、平日・週末ともに1日11往復が設定されています。

 

運転時間は上下ともに朝と夕方~夜間にまとまっていて、大阪市のベッドタウンである堺市や和泉市のニュータウンから通勤をする人向けの、ライナー特急という役割が大きいことがわかります。

 

なお、普通、ライナー特急であれば、通勤・帰宅の時間帯に合わせて一方向にのみ列車が運転されることが多い(例えば、近鉄難波・奈良線の特急列車)んですが、この泉北ライナーは、朝に難波から和泉中央行き、夕方に和泉中央から難波行きの列車も設定されています。

 

この理由ですが、おそらく車両基地の場所や列車の運用の関係で、本来送り込みのために回送で運転される列車を営業運転させて、収益を上げるためだと思われます。

というのも、泉北高速鉄道の車両基地は、終点の1つ手前の光明池にある一方で、南海高野線の車両基地は、千代田(河内長野の一駅手前)にあるものがすべてで、泉北ライナーが運転される難波~中百舌鳥間には、運転に使った特急車両を待避させる場所がありません。

この区間は待避線が付いた駅の数も限られていることか、本来回送で、ラッシュ時に逆方向に回送運転をする必要がある列車を営業運転させて、車両の送り込みの際にお客さんもついでに拾って、収益を多く上げようとしているのが実情ではないかと思います。

泉北ライナーの特急料金と停車駅・所要時間

泉北ライナーには、普通の乗車券のほかに特急券(520円)が必要。こどもは半額です。

 

泉北ライナーの停車駅は、南海高野線内では、ほかの特急(こうや、りんかん)と同じ新今宮と天下茶屋には止まる一方で、堺東には止まりません。また、泉北高速鉄道内では、ほかの列車(普通、準急、区間急行)が停車する深井駅は通過します。

 

ですので停車駅は、難波-新今宮-天下茶屋-泉ヶ丘-栂・美木多-光明池-和泉中央、となっています。あくまで大阪中心部と泉北ニュータウンとの間を移動する乗客の利用に特化した列車、ということができますね。

 

なお、泉北ライナーの所要時間は、難波~和泉中央で最短29分ですが、多くの列車は31~34分程度かかります。実はこの時間は、区間急行などとも大差ないのですが、その理由として、泉北高速鉄道内に優等列車を待避できる駅がないことがあります。

 

所要時間が普通の列車と大きく変わらないことから、泉北ライナーの存在意義は、「確実に席に座って移動できる」というのが大きいかと思います。

 

 

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実際に乗ってみた

私が実際に泉北ライナーに乗ったのは、2020年11月の平日。

 

利用したのは、難波を20時17分に出発する「73号」です。帰宅ラッシュのピークから少し遅めの時間になっていますが、これより先の列車はほかの予定の兼ね合いで乗れなかったので、この列車になりました。

 

列車が難波駅の高野線ホーム入線してきたのは20時7分頃。どうやら送り込みには、和泉中央を19時37分に出発する「76号」が使われたようです。

泉北ライナーには、泉北高速鉄道12000系と、南海11000系(「りんかん」用車両)の2種類が充当されていますが、今回私が乗ったのは、泉北高速鉄道の車両です。

 

塗装が金色というのは、ほかではなかなか見られないものですよね。九州の「或列車」は似たようなカラーリングになっていると思いますが、通常営業の列車でこの色を使っているのは、珍しいのではないでしょうか。

 

全面と側面のLED方向幕。

 

列車が入線してから、車内の掃除とリクライニングシートの方向転換が慌ただしく行われて、発車の5分ほど前に車内に入ることができました。

内装も金色を基調にしていて、重厚感と非日常感がすごいです。こう言ってはなんですが、ニュータウンと都心を結ぶライナー特急のコンセプトには合わない、ともいえますね…。

 

自販機も一応あるのですが、短距離移動で使う人がどれくらいいるのかは疑問でした。

 

列車は4両で、各車両でシートの色が異なります。

 

私が乗ったのは3号車で、シートの色はグレーでした。

ヘッドレストの両脇の出っ張りがやや大きめに設定されているのが目を引きました。見た感じ、山陽・九州新幹線の「みずほ」「さくら」で使われているN700系の、指定席車両の座席に近いな、と。

山陽新幹線に乗るなら利用したい列車と座席はこれ!

足下にはUSBコンセントが2つあり、充電にも困りません。

リクライニングの傾きも深く設計されていて、快適に移動できるようになっていました。普通の特急車両でここまで傾くのはなかなかないように思いました…。

小物入れのかごも大きめですし、ボトルケースもあって、30分の移動に使うには勿体ないよなあ…と思いました。レッグレストもありますしね。

 

で、乗っていて1つ気になったのが、窓がプライバシー保護のようになっていること。マジックミラーのように、外側から内側が見えないようになっているのならいいんですが、この列車は窓に装飾が付いている(?)ようで、車内から外側が見えないものでした。

 

夜間の運行では問題ありませんし、朝の移動でも、外からの視線を気にせず、かつ外の景色に脇目も触れず、勉強や読書をするのならいいと思うんですが、気分転換に外を見てもあまりはっきりと見えないのは、個人的にやや残念に思いました。

車内の様子はこんな感じ。白色LEDを使っていて明るい室内です。

 

肝心の乗車率は、3割あったかどうか…。すべての号車を見ていないのきちんと把握できていませんが、私が乗った車両は10人も乗っていませんでしたね。会社から帰宅されるスーツ姿の方が何名かおられたのと、私服のカップルもいたので、通勤以外でも「混雑した車内を避けて快適に移動できる」というニーズを細かく拾えているのかもしれません。

 

全体的にノロノロ運転。高速移動は本当に最後だけ

泉北ライナーで終点の和泉中央まで乗ってみたんですが、帰宅ラッシュの終わりのほうで駅が混雑し、運転されている列車も多いからなのか、天下茶屋を出発してから泉北高速鉄道線内に入るまでは、ノロノロと運転する時間が多かったです。

 

ほかのすべての列車が止まる堺東駅も、通過とはいえゆっくり運転して通過しましたし、そこで別の列車が待避していたわけでもなかったので、路線の構造上、この速度で高野線内を移動するのは致し方ないのかな、とも思いました。

 

帰宅ラッシュの時間帯は、列車の慢性的な遅れも発生しがちですからね。

 

結局、泉北高速鉄道内でも、通過の深井駅を過ぎるあたりまでゆっくり運転が続いていて、前を走る普通列車の影響を受けるんだな、と感じました。むしろ、この路線構造とダイヤの中に、泉北ライナーのスジをうまく入れたな、と感心するほうがいいのかもしれません。

まとめ

実際に泉北ライナーに、帰宅ラッシュの下り列車に乗ってみた感想ですが、「着席して混雑を避けて自宅に帰ることができる」という意味では、利用してみる価値はあるのかな、と思いました。

 

泉北ライナーの特急券は、1ヶ月(月初めから月終わり)まで有効な定期券も販売されています。1ヶ月9430円で、仮に月20日通勤をするとしたら、1日あたり472円で特急に乗ることできる計算になります。

 

「1日あたり」の計算になるので、往復で泉北ライナーを使うんでしたら、20往復の通勤でも余裕で元が取れる計算になりますよね。

 

定期券が使える列車や、販売期間に制限はあるものの、普通に通勤をしている方には、定期券を買って使うほうがいい場合もあるかと思います。

 

参考:泉北ライナー定期特急券(泉北高速鉄道公式サイト)

 

片道30分ほどの通勤特急ではあるものの、使う意義はある列車ではると思います。

 

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