今回は、僕が会社勤めをしていたときの話をしたいと思います。
もう5年以上前の話ではありますが、大学を卒業した後、僕は
地元で求人広告の営業の仕事を始めました。
駅とかで配置されている求人のフリーペーパーの
中身を作る仕事、でした。
実は、その会社はリ●ルートの関連会社で、
当時リーマンショックのあおりを受けて
もともとリ●ルートの地方営業部だった部門を
切り離して、別会社にしたという話を聞いていました。
なので、事実上「左遷」を食らった社員が
そこに流れてきていた、という状態だったのです。
社長は、元々凄腕のリ●ルートの営業マンだったようですが、
社員がいわゆる「出来損ない」だったようで………。
まあ、新入社員だったので
上の社員の仕事ができるかできないか、
なんて判断のしようがなかったわけですが、
確かに振り返ってみれば、人手が根本的に足りないので
上司の仕事を新入社員が手伝わされる、みたいなこともありました。
まあ、そういうことも何度かあったわけですが………
あるとき、オフィスで日中仕事をしていたら上司と雑談になりました。
(基本、営業の仕事なので日中はオフィスにいないのですが、
アポの関係でスタッフによっては日中オフィスにいることもあるのです)
どういう流れだったか忘れましたが、
「人生では遊びも大切」みたいな話でした。
僕は当時(というか、今もあまり変わりませんが)
「遊ぶ」ということをあまりやっていなかったんですよね。
「遊ぶ」というか、「羽目を外す」みたいな意味で上司は使っていたと思いますが、
「仕事も大切だけど、遊びも大切だ」みたいな話でした。
またあるときは、別の上司がこんなことを話していたこともあります。
「新入社員のときは日中仕事をほっぽり出してプールまで遊びに行っていた」
とか、なんとかかんとか。
たぶん、年齢的にその上司が新入社員だったのは、バブルの残り香が
ある、1990年代前半だったのだと思います。
まあ、本人はそういう部分を自慢したかったのだと思いますが、
こっちからしてみると、むしろお寒い内容だな、と思いますよね。
だって、仕事を「サボっている」自慢なわけですから。
当時、新入社員だった僕ですが、これにはさすがに
「いや、そんなことしてるから 今左遷食らって、こんな
状態で仕事しないといけないんでしょ」
と、心の中で思いました(さすがに面と向かっては言わなかったです)。
まあ、僕も人生の先輩に対してなめた態度を取っていたとは思いますが………
実は、この話には後日談があるのです。
僕は、何度か話したことがあると思いますが、
結局その会社が合わずに就職して5ヶ月ほどで退職をしてしまいました。
当時は精神的にどん底でしたけれど、その後時間を経て、
フリーランスとして仕事を続けて海外でも暮らせるようになりました。
で、退職した後もお世話になった同僚とは連絡を取っていたんですけれど、
結局その会社、潰れてしまったようなんですね。
たぶん、いろいろ原因はあったのだと思いますが。
そしてもう1つ、「人生には遊びも大切だ」と言っていた上司ですが、
過労で取り返しのつかない状態に陥ってしまった、ということも聞きました。
半身不随になってしまってもう一生仕事ができなくなってしまい、
奥さんも子供もいてローンを組んで家も買ったけれど
家族には逃げられて、負債だけが残ってしまった………
その会社自体も事実上消滅してしまったので
他の社員も、今どこで何をしているのかは僕も知りません。
(同僚は全員、それまでに退職して新しい世界に進んだようですが)
こういう話を聞いて、僕が仕事を辞められたのは
本当に幸運だった、と思うと同時に、
「人生に遊びも大切」なんて、偉そうなことは言わないほうがいいとも思いましたね。
だって、結局遊んでいた結果が自分に全部跳ね返ってきているわけですから。
僕は、フリーランスになって特許翻訳に参入するときには
本当に「それだけ」勉強してキャリアチェンジに成功しました。
半年くらい、実家の自室に籠もって最低限の仕事だけこなして
食い扶持は確保した上で、残りの5時間、8時間、10時間は
文字通り、特許翻訳の勉強に振り向けました。
今、改めて当時ほどのフルコミットができるか?
と聞かれても、たぶん難しいと思います。
逆に言えば、あの時に「遊び」を全く捨てて、
自分を変えることに専念したから、今ある程度余裕を持って
自分の人生を送れているわけです。
僕も、人生を豊かにするには「遊び」も必要だとは思います。
でも、それを実現するにはまず、自分の食い扶持は確保する必要があるし、
ましてや仕事をサボって「遊び」に時間を振り向ける、なんてただの自業自得です。
大人になったら、自分の人生の責任は自分で取る。自分のケツは自分で拭く。
これが基本です。
それすらできないのに「人生には遊びも必要」なんて、
偉そうなことは口にしないほうがいいと思いますね。
僕が特許翻訳に参入したときの話は、こちらの本で丸ごと書いています。
人生は自由形: 20代からのライフハック:特許翻訳編
人生は自由形~20代からのライフハック:特許翻訳実践編
これと同じことを万人ができるとは思いませんが、
ここに書いてあるくらいの気迫・気概を持って取り組まないと
翻訳に限らず、自分の人生を本当に好転させることは厳しいのではないかと思います。
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