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取引先企業の名前をブログで堂々と公開しているフリーランスは胡散臭い、という話

エッセイ

翻訳フリーランスに限らず、時々見かけるのは、取引先の企業(世間的に名の知れている、大企業が多いです)を、ブログや自身のSNSに掲載しているフリーランス(フリーランサー)の方を時々見かけるんですが、

 

正直言って、99%胡散臭いんですよねぇ。

 

 

というのも、フリーランスと言っても、翻訳であれデザインであれプログラミングであれ、業務形態は「業務委託」であり、立場的には「下請け」になるわけです。このブログは翻訳関係のブログですから、見に来て下さる方の多くはその世界の方だと思うのですが、普通は翻訳会社や特許事務所と取引をする際に「守秘義務契約」というものを結びますよね。

 

その契約では通常、「仕事で得た情報は外部に漏らしてはいけない」と書かれていて、それに双方が同意するので、当然ながら仕事を通して知り得た情報については、第三者に口外することは契約違反になるわけですよね。

 

ですから、このブログで翻訳関係のネタを書く際にも、日本語の文章や英語の文章は、仕事を通して気づいた内容に似ている表現や用法をデータベースから探して(公開広報から情報を引用して)、それを素材にして記事を書いています。

 

そして、これは解釈によるんでしょうけど、個人的にはその「守秘義務契約」の中には、取引先の企業名も含まれていると思うんですよね。

 

 

だから、一フリーランスが作っているブログや個人のSNSで、「実績」を書くのは大丈夫だと思いますが、具体的な企業の名前まで出してしまうのは契約内容に抵触してしまうんじゃないかと………。

 

 

というか、根本的なツッコミですけれど、名だたる企業の名前を出すと、多くの人は「おお、すげー」ってなるわけじゃないですか。それは、未だに「大企業信仰」が一部でまかり通っているように(別に、それ自体が悪いことではないと思いますよ)、人間は「権威のあるもの」にある程度ひれ伏すのが一般的なので、やっぱり、世界的に有名な企業の名前を聞いたら、錯覚でその看板を使っている人に対しても「おお、すげー」と感じてしまう、と思うんですよね。

 

 

ただ、そういう人って正直怪しいというか胡散臭いというか。だってそもそも、本業である程度忙しかったら、それで十分な稼ぎは得られるワケですし、わざわざネットの世界でドヤ顔をして(?)、自分の取引先を公言してインフルエンサー活動をしなくても、自己尊厳や自己実現欲求は満たされるはずだと思います(少なくとも、僕はそうです)。

 

 

これは、同じような「インフルエンサー活動」をしているフリーランスが出した本へのレビューで「本業で食い詰めたフリーランスが、インフルエンサー活動にシフトしただけ」という辛辣なレビューを見たことがあるのですが、まあこのコメントの内容の真偽の如何は知るよしもありませんが、「そういう考え方もあるんだな」というのは、大事な視点じゃないかなと思います。

 

自分だったら少なくとも、上に書いたような思考回路で、「取引先企業名をブログなどで公言している人」に対しては瞬間的に「ああ、偽物だ」と思います。が、世の中にはそういうものに「憧れ」を抱いてしまう人も多いんでしょうね……。

 

 

少し話はズレますが、この、盲目的に「他人に憧れる」ことはとても危険なことだと思っていて、それについてはこちらの動画で解説しているので、合わせて見てみて下さい。

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