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AI(人工知能)について深く知りたければ、まずこの本を読みなさい

書籍

ここ数年で、AI(人工知能)の話題を日常でも頻繁に耳にするようになりました。

 

その多くは、シンギュラリティ(技術的特異点)のタイミングであったり、AIが人間の仕事を奪う、といったものです。

 

数年前には、囲碁の世界ランク1位の棋士を圧倒的な力で打ち負かしたAIが登場し、将棋の世界でもそれに続いて、名人(将棋界の中でトップに君臨する棋士)が、AIに0勝2敗で負ける、ということも起こりました。

 

こういう世の中の流れも相まって、AIについては悲観的な話が(理論や証拠に基づかずに)感覚的、感情的に先走りがちですし、これから仕事をする大学生の中での、(僕の時代はリーマンショックからの内定取消やブラック企業がテーマであったように)このテーマとは切っても切れないものになっているのではないかと思います。

 

 

AIについては、例えばこの本

 

シンギュラリティは近い[エッセンス版] 人類が生命を超越するとき

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が有名ですが、それよりも前に、1冊読んで頂きたい本があります。

 

新井紀子「AI vs 教科書が読めない子どもたち」

それが、数学者で「東ロボプロジェクト」のディレクターも務めていた新井紀子さんが上梓している「AI vs 教科書が読めない子どもたち」です。

 

AI vs. 教科書が読めない子どもたち

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この本では、そもそも論として人工知能とは何であるか、世間で騒がれている人工知能は、本当に「人工知能」なのか、人工知能はどのように機械学習を行っているのか、東京大学合格プロジェクトではどの分野が得意で、どの分野が不得意だったのか、いわゆる「人工知能」がこれから使われる世界(業種)はどこなのか、といった話について、数学、言語学、論理学、教育学、統計学などの、様々な学問からのアプローチを駆使して多視的に、そして客観的に解説をしながら、切り込みをしています。

 

人工知能については、これまでNHKの特集などを通じて(囲碁や将棋の世界での)考え方や取り組みを囓ってはいましたが、人間(子ども)への教育学的視点や、仕事に対しての考え方を具体的に知ることができるのは、この本が初めてでした。

 

これからは「教養」と「思考力」が必須の時代に

この本を読んで考えたことは、「多くのことに対して興味・関心がある(=様々な教養を持つ)」ことと、「目の前に並べられたデータを元に、自分で考えて結論を出す、出そうとする」ことが非常に大切だということです。

 

本の内容についてはここでは具体的に触れませんが、人間が人間たる所以、そして人間として生き残っていくために必要なのは、この「教養」と「思考力」の2つだと、この本を読んで確信しました。

 

教養というのは、この本の至るところで出てくる、数学だったり言語学だったり論理学だったりする、いわゆる「学問」の入門部分です。

 

大人になってから必要な教養とは、必ずしも特定の分野に対して造詣を深くすること、つまり学問を究めるということではありません。そうではなくて、数学の基本的な考え方や論理を知る(確率だったり、集合だったり、中学校までで習った内容です)ことであったり、論理学にはどんな体系があって、普段の生活でどのように使われているのか(トートロジーが何なのか、を理解していること)を理解している、ということです。

 

教養とは、義務教育、あるいはそれ以降の高等教育で一通り学習はしていますが、大人になってからの生活でも必要となることが多いに出てきます。

 

そのような教養を身につけて、更には物事を考えて自分なりの結論を出す(それは、いわゆる正解ではなくてもいいのです)ことが、人間として生きていくためにこれからも必要です。

 

人工知能に対して漠然とした恐怖を抱いている人こそ、この本を読んで自分の中にある恐怖と向き合って頂きたいと思います。

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