英語の専門書とその日本語版を使って勉強をする方法

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特許翻訳の勉強をする時に、ある程度仕事をこなしてその分野への理解が深まったのであれば、英語が原文の専門書とその日本語版を用意して、原文を自分なりに翻訳する、という方法が使える。

 

例えば、このブログでも紹介したマクマリー有機化学(日本語版)

マクマリー有機化学(上)

は、日本語版では上中下三巻に分かれているが、英語版は

Organic Chemistry 8e [AISE]

この一冊に全て収録されている。

もしこれらのテキストを両方購入できるのであれば、本が手元に届いてから自炊を行い(効率化のための業者に外注すればよい)、手元にデータが送られてきたら、対訳を取りたい部分(章など)をワード等に貼り付けて、翻訳支援ツールを使って翻訳をすることができる。

 

自炊をする時に注意したいことは、OCR処理も行ってもらう、ということだ。これをしないと、本が電子化されても中の文字をコピーペーストすることができなくなってしまう。

 

私の場合、マクマリー有機化学の上巻の最初(電子配置や化学結合論といった、理論化学の基礎)の部分から順に対訳を取っている。

普段の仕事ではバリバリの理論化学の話が出てくるわけではないため、基本的な専門用語も登録されていないことが分かったり、日本語で勉強をしていたときには分からなかった英語の表現を知ることができたりと、1日数百ワードを翻訳するだけでも学びが沢山ある。

 

ここで注意して欲しいのは、翻訳の精度は80%くらいで良い、ということだ。もちろん明らかな誤訳はいけないが、自分なりに調べて翻訳をして、分かりづらい部分は日本語の翻訳書籍に目を通して、使える表現はそのまま使う、ということで問題ない。

 

仕事の間にまとまった勉強時間を確保するのは簡単ではないため、1つの文章と延々向き合い続けるのは効率的ではない。今回の対訳を作る勉強は、日本語で既に勉強している内容を復習する、という程度の心持ちで取り組むのが時間ロスも多くなく現実的だと言えるだろう。

 

なお、英語版のPDFファイルは、場合によってはネット上で取り寄せることもあるので、そちらを使うのも考えようによってはありだと言える。

 

同様に、マクマリー有機化学だけでなく

 

Essential細胞生物学(原書第4版)

 

コスタンゾ明解生理学

といった、仕事の専門分野と関係の深い専門書も英日で用意して、興味のある部分だけ対訳を取ってみる、というのもいいだろう。

 

特許翻訳とはまた違った世界を覗くことができるので、気分転換の方法としてもお勧めだ。

 

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