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フリーランス翻訳者が知っておくべき「お金トラブル回避法」

お金の話

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今回は、「フリーランス翻訳者としての、仕事のトラブル回避法」についてお話ししたい。

といっても、一口に「仕事のトラブル」といっても、様々にある。

 

ここでは主に、お金関連のトラブル防止(かつ、翻訳者側が不利にならない対応術)についてお伝えをしたい。

最初に、何よりも押さえておきたいのはこの前提だ。

納期厳守

これは、お金のトラブル云々以前の話である。

翻訳会社から仕事の打診が、納期の提示と共にされる。

そうなれば、納期厳守は絶対事項だ。

 

会社員の場合感覚が異なるかもしれないが、
少なくともフリーランス翻訳者の場合

「成果物を納期厳守かつ一定以上の品質で納品」

することが、取引の際の前提条件であることを忘れないで頂きたい。

 

なので、仕事を行う際は

・品質
・納期
・必要なコメント
・業務中の質問、進捗連絡

等、全てにおいて適切な対応を行うことが、まず必要である。

 

これを踏まえて本題に入るのだが、最初に理解して頂きたいのは

 

お金の話はうやむやにするな

ということである。

私の所見なのだが、結構この「お金の問題」をうやむやにしがちな人が、
多いように思える。

支払いに関する泣き寝入り等もそうであるのだが、

フリーランス=自営業=弱い立場、というペルソナのようなものも影響しているのであろうか。

これは正直言って、危ういことである。

というのも、フリーランスは何を盾にすることもできない。

自分自身が資本であり、自分自身で問題も解決していかねばいけない。

その「問題」の中には、当然お金の問題もあるわけだ。

まずは、マインドセットを変えること。
「私は相応以上の成果物を提供しているのだから、それに対して正当なフィーを頂く」
という考え方を持って頂きたい。

その上で、次に重要なのは

お金の話をうやむやにする翻訳会社もある

ということである。

今まで私も、幾つかの取引先と仕事をさせて頂いたが、

一定数、お金の話を向こうからしないところがある。

(逆に、業務委託契約を結ぶ際などに、取引条件を明確に示してくれる会社もある。
というより、それが普通である)

 

そこで、「うやむやにする会社」と取引をすることになった時の、トラブルの事前回避方法(予防法)をお伝えする。

それは、一番最初の各種契約締結時に「お金の話がされないなあ」と思った場合、
以下の内容をこちらから確認する、ということだ。

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①支払い規定

会社などでは、月末締めの翌月25日払いのように、支払い規定は当然ながら決まっている。

翻訳者の場合、まずは実際の仕事を行ったときの
締め日(月末に請求書を送ればいいのか、等)
支払日(翌々月5日、という風な場合もある)

を確認しよう。この時に普通は回答が得られるので、
万が一期日になっても支払いがされない場合は、

「以前お伝え頂きましたが…」と言って、メールでの回答をエビデンスとして使えば問題なく解決できる。

②内税か外税か

ワードあたりのレートに、消費税が含まれているのか含まれていないのか。
これも要確認事項だ。

分かりやすいように、例えば10円/ワードで取引をしている会社があるとすると、
内税だと、税込みで10円/ワードとなり、
外税だと、税込み10.8円/ワード、となる。

つまり、収入が変わってくる。

(税金に関しては改めて詳しく、ブログかメルマガでお話しするのでここではこれ以上触れないが、とにかく「外税か内税かで、収入が変わる」というのは容易に理解できよう。)

 

一般的な翻訳会社では外税を取っており、取引時に先方から連絡がない場合が殆どだと思うが(内税の場合、先方が伝えることはある)、念のため確認しておくに越したことはない。

 

よくあるパターンは、会社としては外税だけど、翻訳者が確認せずに「内税だと思っていた」もので、これはそもそも、「内税と外税」という概念があることすら分かっていない場合と、「お金の話をこちらからするのは疚しい」という場合と、2通りの理由が考えられる。

 

しかし、大事なことなので改めて強調しておくが、お金のやりくりをするのがフリーランス自身なわけだし、会社が「外税」方式をとっているのであれば、それは疚しい気持ち抜きに「純然としたルール」なのであるから、そのルールに則ってきちんと請求をすることだ。

 

例えば、消費税8%だとすると、50万円の案件だと
外税:54万円
内税:50万円

と、4万円も異なってくるのである。4万円あればちょっと美味しいご飯も食べられるし、旅行もできる。

「内税か外税か」を気にすることから、お金に対するセンスを鋭く磨いて頂きたい。

③振込手数料は会社負担か

これも通常は会社負担であることが多く、翻訳者負担の場合は「翻訳者負担として頂いております」という連絡が、向こうから送られてくる。

ただ、指定銀行以外の場合は受け手が手数料負担、のように複雑な場合もあるので、何の説明がなくても気になる場合は、一緒に確認をされたい。

 

 

以上、簡単に説明をしたが、ここで大事な考え方は以下の3つである。

 

・契約時に確認をする→実際の仕事を受けてからなど、後から確認すると翻訳者に不利な申し出がされる場合もある

・こちらからお金の話をすることで「私は金銭の授受に対してはきちんと対応をする」という雰囲気を相手に伝えられる(相手から舐められないようにする)

・向こうからこのような話がされない場合、たいてい優良な企業ではない

 

なお私の場合、最初に「外税か内税か」を確認して「外税」と回答があったのに、先方から支給された請求書Excelフォーマットでは、自動的に合計額が内税となるように関数が組まれていた…という場合もあるので、本当に気をつけておいた方がよい。誰も自分の身を守ってくれる人はいないのだ。

(この時は、Excekの関数を外税計算に書き換えて、メールで送信する際に「外税方式で請求、と伺っているため、そのように請求書も記載しております」と、一言添えて送付した。)

 

もう一点加えておくと、請求書を送る際は、先方からフォーマットをExcelで支給されていても、こちらから送付する際はPDF化して、記載内容に勝手な変更が行われないように、念には念を払いたい。

 

まともな取引先と仕事ができているのであればここまでする必要はないが、特に翻訳者としてデビュー間もない頃は、必ずしも条件の良い会社と取引ができるわけではなく、トラブルがどこかで起こる前提で考えておいた方がよい。

その場合に、予めお金の内容を確認しておき、PDFで請求書を送ることで、相手から「この翻訳者を敵に回すと厄介だ」と思われるくらいにしておくのが、ある種の護身術とも言えよう。

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