数年ほど前から、翻訳の世界もMTPE(Machine Translation Post Edit/機械翻訳ポストエディット)の仕事が増え出しました。
ご存じの方も多いかと思いますが、本来の翻訳の仕事というのは、原文に対して訳文をゼロから入力していくものである一方で、MTPE案件は、「事前に機械翻訳された」訳文を、原文と照らし合わせて修正していく、というものです。
翻訳業の方の中でも、未だに「MTPE案件の打診は受けたことがない」という方もおられる一方で、特許の世界にも、一定数、(本来の)翻訳をMTPEで置き換える、ということをする会社も出てきました。
私の場合は、2018年内に1社、そして2019年の4月(つまり、2019年度)に入ってから、別のもう1社で「MTPE案件に移行します」という案内が届きました。
一方の会社は、新規翻訳箇所の単価がおよそ4分の3に、後者は当該部分の単価が約半分になりましたね。
この他、今年に入っても別の会社でも同様に「MTPEに意向する予定です」という案内のメールも届きました(そちらの単価下落率は、10%程度に収まる見込みのようですが)。
さて、私は上のいずれの会社でも、MTPE案件に移行してからも仕事は引き続き請けていて、実は、実質的な単価の下落はそこまで被っていません。
いや、さすがに「変化無し」というのは誇張しすぎで、若干の下落傾向にはあるのですが、「上手く付き合う」ことで、時間当たりの生産性をあまり下げずに仕事に対応することで、この荒波の環境を上手く移動しています。
この記事をご覧の方の中には、「MTPE案件に移ってから、普通の翻訳をするよりも原文の確認、訳文の修正に時間がかかり、生産性がだいぶ減ってしまった」という悩みをお持ちの方もおられると思います。
今回はそういう方のために、私が実践している「MTPEの賢い対応方法」について、根本的な考え方と実際の取り組み方について、書けることを惜しみなく書いていこうと思います。
なお、予め断っておくと、今回お伝えする内容は、わりと「びっくりする」内容なんじゃないかと思います。
が、一つお伝えしたいのは、「相手の要求をバカ正直に受け入れて対応するな」ということなんですよね(この一言で、この後私が何を伝えるのか、ということを察した方は、頭の回転が速いか、同じようにMTPEを対処されている可能性が高い)。
ではここから、私が使っているとっておきの「劇薬」をお伝えすることにしましょう。
コメント