フリーランス翻訳者が作るべき名刺とは?

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-フリーランスで翻訳業をしているけれど、名刺はどんな風に作ったらいいのだろう-

 

 

こんなお悩みを抱えている同業者は、思いの外多いのではないでしょうか。

 

フリーランスの翻訳者は、自営業ではあるが少し特殊な立場であるとも言えます。それは、取引先を開拓するのは会社のホームページから手続きを済ませるだけで(基本的には)大丈夫ですし、採用試験も実務も、普通は全て、パソコンを通しての「バーチャル空間」で済んでしまうからです。

 

かといって、そのような環境で仕事をすることが即ち、「名刺が必要ない」という話に繋がるわけではありません。むしろ、普段このような環境で仕事をしているからこそ、実際に人と会って話をし、情報収集を行う、ネットワーキングを行うことが大事になってきます。

 

では、翻訳者にとって必要な「名刺」とは、一体どんなものでしょうか。今回は僕が実際にどのように名刺の内容を構成して用意をし、どのような機会に配っているのかをまとめてみました。

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フリーランス翻訳者の名刺は「シンプル」に!

 

フリーランスとして翻訳業を行っているのであれば、名刺はできるだけシンプルなデザインにするのがいいです。今、世の中の多くの企業では、凝った名刺のデザインが使われていることが多いですし、フリーランスでもデザイナーやイラストレーターのようなデザイン系の仕事をしている人は、これまた唸ってしまうような、見とれてしまうような名刺を持っていることが殆どです。

 

しかし、ことフリーランス翻訳者としては、そのような凝ったデザインの名刺を用意する必要は基本的にありません。理由は幾つかありますが、一番大事なのは、業界的にある程度の硬さが必要とされるから、と言うことです(もちろん、翻訳業とは言っても分野によって硬さは異なるものですが、全体的な話として)。

 

というのも、フリーランス翻訳者というのは一般的に、企業(法人)を相手に取引を行うことが多く、イベントなどで顔を合わす相手も、企業の中の人(コーディネーター等)であることが9割以上であるからです(ただし、翻訳者同士の交流会の場合はこの限りでありません)。

 

そのことを考えると、翻訳者としての名刺は極限までシンプルにしたデザイン、即ち、文字と最低限のアンダーラインのみを用いるようなデザインのほうが、相手に取っては見やすいものとなることが容易に想像できるのではないでしょうか。

 

そんな僕も例外なく、極限までシンプルにしたデザインの名刺を用いています。背景は白色、文字色は黒、そして肩書きの部分に使われているアンダーラインはえんじ色です。このような「白地+黒字+アクセントの色」の3色構成にするだけで、フリーランス翻訳者としてのものとしては十分です。

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名刺に載せる内容をどうするか

これについては、人によって様々な考え方があると思いますが、あくまで僕の意見をここではまとめます。

 

まず、名刺は表面と裏面を十二分に活用しましょう。時々、表面にしか情報を載せていない人がいますが、それでは名刺の価値は半減してしまうと言っていいです。

 

では、表面と裏面をどのように使い分けるかですが、僕の場合は、表面に最低限の個人情報を、裏面には対応分野、得意分野等のより具体的な情報を(最低限の言葉で)載せるようにしています。

例えば、表面と裏面に載せている情報としては以下のようなものがあります(僕の場合)

<表面>
・氏名
・肩書き(私の場合、「フリーランス特許翻訳者」)
・郵便番号と住所
・電話番号
・メールアドレス
・ウェブサイトやブログ等(あれば) → LinkedInのプロフィールページのURLを載せています

<裏面>
・専門分野や得意分野(カテゴリー別に、更に下層に分けるのが良い)

 

非常にシンプルですが、実はこれだけの情報しか載せていません。むしろ、これ以上の情報を載せるとごちゃごちゃしてしまうので、避けた方がいいでしょう。

 

なお、企業の名刺でよくある、キャッチコピーやモットーのような「一言」は、フリーランス翻訳者の場合必要ではありません。このような内容は、自身で翻訳会社等を立ち上げて、より大きな規模で事業を回していく際に使えば十分です。

 

必要によっては、2種類以上の名刺を用意する

よく見落とされがちなことですが、何も1種類の名刺しかフリーランスは所有することができない、なんていう理由は存在しません。

 

むしろ、複数種類の名刺を用意して、時と場合に応じて柔軟にそれらを使い分けることが、これからはフリーランス翻訳者にも求められると言えるでしょう。

 

一番分かりやすい例は、日本語の名刺と英語の名刺を用意することです。フリーランス翻訳者で、翻訳会社内の人間(基本的に日本人が多いと思います)と会うことが殆どの場合はあまり必要ないかもしれません。

しかし、コンベンションや展示に足を運んで海外企業のブースで現地の人間と話をする時、あるいは同業者同士の集まりで様々な国籍や母語の翻訳者が集まる場合には、日本語の名刺とは別に、英語の名刺を別に用意しておいたほうが何かと便利です。

 

あるいは、英日と日英の両分野で仕事を行っている場合は、英日用の名刺と日英用の名刺を作り分けるのもいい方法と言えますね。英日と日英で対応分野がずれる場合があれば(特許翻訳の場合、海外の企業が強い分野と、日本の企業が強い分野が異なる場合があります)、名刺を作り分けて、裏面に載せる対応分野の内容を変えるのも、名刺を複数種類持つメリットと言えるでしょう。

 

また、これは少し裏ワザ的な話ですが、女性でフリーランス翻訳をしている場、必要以上の個人情報を名刺に載せるのは、抵抗を感じる方もいると思います。

例えば、普通住所や電話番号等の個人情報は名刺に載せるものですし、取引先に挨拶に行く際はそれらの情報が載っている名刺を持参するのが当然ですが、翻訳者同士の集まりなどで名刺交換を行う際に、それらの情報をできれば隠しておきたいと思うことがあるかもしれません(普通ないと思うが、特に若い女性だと異性からストーキングをされる可能性も完全に排除することはできません)。

 

このような場合に、「企業向け名刺」と「個人向け名刺」の2つを作り分けて、後者の名刺には個人情報を載せない、ということも戦略としてはアリと言えます。企業が相手ではなく、同業者同士の交流を行う場においては、ビジネスとプライベートの境界がどうしても曖昧になってしまうからです。

 

このような例を参考に、フリーランス翻訳者も2種類以上の名刺を用意して、使い分けることが今後デフォルトになってくるでしょう。あるいは、翻訳とは別にビジネスを行っている場合(著述業や通訳)、それらの肩書きでそれぞれ別の名刺を作る、ということは容易に考えられます。

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フリーランス翻訳者が名刺を配る機会は?

 

これまでに既に幾つか書きましたが、フリーランス翻訳者が名刺を配る機会というのは、果たしてどのような時なのでしょうか。

 

真っ先に思い浮かぶのは、翻訳祭といった業界向けのイベントへの参加時でしょう。この時は翻訳者同士で顔を合わせることもあれば、イベントに出展している翻訳会社に名刺を渡すこともあるでしょう。

 

次に考えられるのは、取引先に挨拶に出向く時です。このことは残念ながら、在宅で仕事をするフリーランス翻訳者の9割方はしていないと思われますが、実際に足を運んで情報収集をすることも、立派な「営業活動」ですし、むしろ普段部屋に籠もることが多いからこそ、このような機会は積極的に作っていくべきである、とも言えるでしょう。

 

3番目は、例えば特許翻訳の場合ですが、学会(年次大会)への参加、コンベンション(エヌプラス、JASIS、セミコンジャパン等)への参加、あるいは知財系(特許調査やクレームドラフティング等)のイベントに参加する際に、出展ブースの企業の担当者や大学(教授、准教授、学生)、講師と話をする機会があります。案外、このようなイベントで出展ブースや発表ブースを練り歩いていると、この時だけで50枚ほど名刺は飛んでいくものなのです。

 

名刺は気軽に作って定期的にアップデートをする

 

しかし、名刺を作るにはコストもある程度かかるため、作成に躊躇をする方も多いと思います。

 

そんな時にオススメなのが、ネット上で名刺のデザインから発注まで完結することができるビスタプリントのサービスです。

 

このビスタプリントを利用すれば、カラー名刺が980円/100枚から作れてしまいます。もちろん、裏面のデザインを加えたりすることで値段は少し上がってしまうのですが、それでも100枚を1800円程で簡単に作れてしまいます(当然ながら、発注枚数が多いほど1枚当たりの単価は低くなります)。

 

ビスタプリントがいい点は、何百種類もあるテンプレートから名刺のデザインを選べることができること、そしてある程度レイアウトの変更も自分で調節できることです。普通、名刺を作る場合はデザイナー等に外注に出す場合が殆どですが、この場合だと、要望を伝えて、デザインを確認して、またそれを反映して…というフローが非常に煩雑になってしまいます。

 

このサービスを使えば、自分の頭に思い描く名刺のデザインをほぼそのまま形にすることができるので、時間のロスも少ないですね。

 

また、料金が安いのも大変魅力的で、万が一失敗をしても手軽に作り直せ、また、1年ごとに名刺の記載内容を見直すことがあっても、コスト的なダメージが非常に少ないです。1年で100枚も名刺をはくことは、フリーランス翻訳者にとっては稀でしょうから、1年分の名刺を約2000円で準備して、毎年2000円を払ってアップデートできると考えれば、全く気にならない値段ではないでしょうか。

 

名刺のデザインや内容がはっきりと固まっていなくても、一度以下のリンクからサイトに飛んでみて、テンプレートを選んだり記載内容を打ち込んでみたりするだけで、イメージがグッと具体的になるでしょう。

(もちろん、オリジナルのデザインをアップロードして利用することもできます)




なお、一点注意して頂きたいのは、ビスタプリントは発送から到着まで10日程時間がかかってしまうことです。速達プランもありますが、送料が少し高くなるので、もし次に名刺を使う機会まで時間に余裕があるのであれば、早めに準備に取りかかっておくのが吉と言えます。

 

まとめ

今回は、フリーランス翻訳者にありがちな悩みについて詳しくまとめてみました。これを機に複数の名刺を用意し、使い分けをして「営業活動」もより実りのあるものにして下さい。

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