東京~銚子を結ぶ「しおさい」号はえきねっと割引がお得! 実は東京~千葉もお得に移動できる?
東京駅の地下ホームと、千葉県銚子市の銚子駅とを結んでいる、特急「しおさい」号。
房総特急には、総武本線を走行するこの「しおさい」に加えて、外房線を通る「わかしお」、そして内房線を通る「さざなみ」の3列車がありますが、わかしおとさざなみは共に京葉線から蘇我を通って房総半島に向かうため、今回紹介するしおさいと経路がかぶりません。
今回紹介する「しおさい」は、近年の交通網の発達によって苦戦を強いられているのですが、JRもお得に利用できる企画きっぷなどを打ち出していて、まだまだ利用の価値はあります。
今回は、そんな「しおさい」のお得な使い方について紹介します。
目次
しおさい号の役割は、首都圏の通勤特急と房総観光特急の2つ
しおさい号は、東京駅の地下、総武本線ホームから錦糸町、千葉を経由して佐倉、酒々井、八街、成東を通り、終点銚子までを約2時間かけて結ぶ列車です。
列車は下り7本、上り7本の7往復ですが、
・下り列車は最終の13号は成東行き、それ以外は銚子行き
となっている一方で、
・上り列車は、始発の2号が成東発、4号は平日のみ運行の佐倉発、6号から14号は銚子発
という、変則的な運転となっています。
上下1本ずつ運転されている成東行き/始発の列車は、成東以西の首都圏通勤輸送を、平日のみ運転の4号は千葉周辺から東京までの通勤輸送の役割に特化しており、その他の銚子行き/銚子発の列車は、主に首都圏と成東~銚子間の観光輸送の需要を掘り起こしている役割があると言えます。
そのため、列車の運転間隔も2時間ごと、といったパターンダイヤではなく、朝夕の通勤時間帯に集中しており、残りの列車は2~3時間おきに運転されている、というもの。つまり、時刻を暗記するのが難しく、ふと駅にいって「毎時この時間に出発するから乗ろう」といことがしづらい列車でもあると言えます。
長距離移動のときに使えるのが「えきねっと」割引
さきほど、房総特急は高速バスとの熾烈な競争にさらされている、と書きましたが、実際には、房総方面の長距離輸送のニーズは、ほとんどバスに取って代わられてしまっています。
そこで、JRも対抗すべく、少しでもお得な料金で乗れるように設定されたサービスを導入します。それがえきねっと割引で、しおさいの場合、乗車当日までの予約で、東京~銚子間は、通常の運賃+指定席券が4200円のところ、なんと2510円で移動できてしまうのです。
このサービスは、列車の変更などはできませんが、料金が4割引になるもので、これを使えば、東京から銚子まで、往復5000円強で移動することができます。
銚子駅は、濡れ煎餅で有名な銚子電鉄の拠点駅でもあるので、銚子電鉄目当てで訪れるのであれば、このえきねっとを使う以外に方法はないでしょう。
また、このえきねっとでしおさいの「東京~銚子」間の発券をした場合、東京駅の出発エリアは「山手線内」となっています。ですので、品川や新宿、渋谷、池袋などからも、追加料金を払う必要なく銚子駅まで行けてしまうんですよね。
ちなみに僕は、この制度を利用して、銚子から東京に戻ったあと、そのまま特急湘南に乗って大船まで移動したのですが、しおさい号の車内できっぷを見せて、品川~大船間の乗車券を別途購入することで、問題なく移動することができました。
※湘南の乗車レポートはこちらの記事で。
特急「湘南」に初乗車!乗車率はどのくらい?えきねっとで買える期間限定格安特急券がお得!
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実は、東京~千葉間は「しおさい」自由席のほうがグリーン車自由席よりも安く移動できる!
これは知る人ぞ知る裏技なのですが、東京から総武線を使って千葉まで移動する場合、快速列車に連結されているグリーン車自由席を使うよりも、しおさいの自由席を使う方が安上がりになってしまうのです。
東京(錦糸町も同じ)~(船橋)千葉の間は、距離が50km以下で、グリーン車自由席の料金は、事前料金で
・平日780円
・土日祝日580円
となっています。
これに対して、東京~千葉間の自由席特急料金は、なんと通年520円!
なんと、普通列車のグリーン車自由席よりも安いんですよね。
これによって、なぜか「普通列車のグリーン車に課金するより、特急列車の自由席に課金するほうが安上がりになる」という逆転現象が生じてしまっているのです。
しおさいの自由席を利用して東京~千葉間を移動するメリットとしては、「途中の停車駅が少ないので所要時間が少ない」ことと、「グリーン車自由席よりも確実に空いている」という2つが挙げられます。
通常の快速に乗って東京~千葉間を移動すると、所要時間は38分ほど。これに対して、しおさいを使った場合は28分ほどで、停車駅が少ない分、10分ほど早く、しかも快適に移動できてしまう、なんてことができてしまうのです。
グリーン車自由席は座席指定ができないため、座りたい方向や座席に座れない、あるいは混んでいると座れない、といったことすら起こり得ますが、しおさいは特急列車のため乗る人が相対的に少なく、またここで紹介したように、この逆転現象を知っている人が多くないため、確実に利用者は少ないですし、それ故に快適性も保証されている、と言えるのです。
逆に、しおさい自由席のデメリットとしては「運転本数が少ないため、スケジュールを立てないと乗りづらい」ことと、「途中の駅での乗り降りができない」ことがあります。駅について、次にやってきた普通列車のグリーン車にふらっと乗る、ということができないのと、市川や西船橋、船橋(一部のしおさいしか停車しません)といった途中の駅には、当然ながらしおさいが停車しないため、あくまで、東京~千葉間の移動限定でしか使えない、というのが、不便な点としてあげられます。
なお、かつてはほぼ同じ区間に走っていた「あずさ(千葉あずさ)」でも同じことができていました。しかしあずさは数年前のダイヤ改正で全車指定席となってしまい、この「逆転現象」は幕を閉じてしまいました。
しおさいも、今や首都圏では貴重な、自由席が残っている列車となってしまいましたが、数年後にはあずさやひたちと同様に、「全車指定席化」がされてしまう可能性もゼロとは言い切れません。興味がある方は、できるだけ早めに「逆転現象」を体験されるのがいいかと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は東京~銚子間で運転されている「しおさい」号を、格安で利用するお得な情報をお伝えしました。破格の特急料金で利用することができるため、銚子方面にお出かけの際には是非、これらの制度を利用してみてください。
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