【マニア向け】スーパーいなば・スーパーはくとを乗り継いで岡山~大阪を在来線移動する

大阪と岡山を鉄道で移動する場合、誰しもが新幹線を使って、新大阪と岡山との間を移動する方法を真っ先に思いつくでしょう。

 

しかし、マニア向けの方法として存在するのが「在来線特急だけを使って移動する」というもの。

 

今回はそんな、知る人ぞ知る、「大阪と岡山を在来線特急だけで移動する」方法について、詳しく説明したいと思います。

 

利用するのはスーパーはくととスーパーいなば

最初に、この特殊な方法で大阪と岡山とを移動する方法について詳しく解説をしておきます。

 

2020年現在、大阪と岡山とを直通する在来線特急は存在しません。まあ、例外的に、東京行きの「サンライズ出雲・瀬戸」に乗れば、岡山を22時30分頃に出て大阪には日付の変わった0時半頃に到着する、という方法はあるにはあるのですが、これだと反対方面では利用できないですし、サンライズが夜行列車であることを考えても、これが特殊な例であることはお分かりいただけるのではないかと思います。

 

では、直通の特急列車も走っていないような状態で、どうやって大阪と岡山とを在来線特急で移動するんだ、という話になるわけですが、それが今回紹介する、「スーパーはくと」と「スーパーいなば」の乗り継ぎです。

 

関西と山陰を結ぶ「スーパーはくと」

まずは、スーパーはくとの説明から。

1994年に開業した、兵庫県の上郡と鳥取県の智頭とを結ぶ、第3セクター鉄道の「智頭急行」。2015年以降、第3セクターで最も収益性の高い鉄道会社である智頭急行の看板列車が、京都・大阪~鳥取・倉吉を結ぶ、「スーパーはくと」です。

 

智頭急行の特急車両を使用して1日7往復、関西と山陰を結ぶこの特急列車が、在来線特急で大阪と岡山とを移動する際に利用する第1の列車です。

 

岡山と山陰を結ぶ「スーパーいなば」

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続いては、同じく智頭急行を通り、こちらは岡山と鳥取を結ぶ「スーパーいなば」。この列車は、上郡から北の、智頭急行線と因美線は「スーパーはくと」と同じ経路ですが、上郡からは関西ではなく、岡山に行く特急列車です。

 

存在自体はスーパーはくとに劣る地味な特急列車だとは思います。

しかし、この列車の登場で、かつて津山線、因美線を経由して岡山と鳥取を結んでいた急行「砂丘」は廃止されてしまいましたし、東京から、京都を経由して福知山、城崎を通って山陰を結んでいた寝台特急「出雲」が廃止された後、東京や名古屋と鳥取とを、岡山で新幹線を乗り継いで結ぶ貴重な列車として役割を果たし、知名度以上に、陰陽連絡特急としての役割を十分に果たしている特急列車と言っても過言ではありません。

 

さて、もうお分かり頂いているかと思いますが、このスーパーいなばは、上郡~岡山間を山陽本線を通って結んでいるので、

・スーパーはくとで大阪~上郡

・スーパーいなばで上郡~岡山

を乗り継ぐことによって、在来線特急だけで大阪(もちろん京都からも)~岡山を移動できてしまう、というわけです。

 

「はくと・いなばの乗り継ぎ」がマニア向けである理由

ただ、この方法はあまり、一般の利用者にお勧めできる方法ではありません。あくまで「マニア向け」のルートなんですが、以下簡単に、その理由を挙げておきたいと思います。

 

①はくとといなばの接続がそもそも良くない

もともと、それぞれ陰陽連絡特急として運転されているスーパーはくととスーパーいなばですから、これらの列車どうしを乗り継いで移動することは想定されていません。

 

まあ、普通に考えたら「大阪と岡山は新幹線を使って下さい」ということなんですが、こういう事情も相まって、はくとといなばを乗り継げるダイヤというのは、以下に限定されています。

下り:大阪から岡山方面

①

京都 8時50分発 大阪 9時25分発

スーパーはくと3号

上郡 10時46分着

上郡 11時15分発

スーパーいなば4号

岡山 11時48分着

②

京都 12時52分発 大阪 13時25分発

スーパーはくと7号

上郡 14時43分着

上郡 15時11分発

スーパーいなば6号

岡山 15時46分着

③

京都 19時35分発 大阪 20時06分発

スーパーはくと13号

上郡 21時30分着

上郡 21時48分発

スーパーいなば12号

岡山 22時22分着

上り:岡山から大阪方面

④

岡山 6時47分発

スーパーいなば1号

上郡 7時23分着

上郡 7時51分発

スーパーはくと2号

大阪 9時19分着 京都 9時53分着

⑤

岡山 9時13分発

スーパーいなば3号

上郡 9時47分着

上郡 10時03分発

スーパーはくと4号

大阪 11時19分着 京都 11時47分着

⑥

岡山 11時05分発

スーパーいなば5号

上郡 11時39分着

上郡 12時02分発

スーパーはくと6号

大阪 13時19分着 京都 13時48分着

⑦

岡山 17時24分発

スーパーいなば9号

上郡 17時59分着

上郡 18時04分発

スーパーはくと12号

大阪 19時31分着 京都 20時06分着

 

上下合わせて7回チャンスがありますね。このうち、下りの③については完全に日没後の運行になるので車窓が楽しめないので、あまり現実的な選択肢ではなさそうです。

②そもそも新幹線を使ったほうが速い

2つめの理由は、一番大事なものかもしれませんが、所要時間が新幹線を使う方が短い、というもの。まあ、新幹線と在来線特急の比較なので、言わずもがな…といった話かもしれませんが。

 

今回紹介している、はくとといなばの乗り継ぎだと、平均の所要時間は2時間20分ほど。列車によっては、上郡駅での接続待ちで30分ほど待たないといけないこともあって、この場合だと2時間30分を超えてしまいます。

 

これに比べて、新大阪~岡山間は、のぞみ、みずほ、さくら号の場合で45分。各駅停車のひかり(東京~岡山間を結ぶ「ひかり」。京都以西が各駅停車になる、山陽新幹線内は実質「こだま」となるこの新幹線でも、途中で通過待ちをし続けて、所要時間は1時間20分。これでも、在来線特急を乗り継ぐ場合の半分の時間で行けてしまうのですから、勝負あり、という感じですよね。

 

③あろうことか新幹線のほうが料金が安い

最後の理由は驚くなかれ、「普通に新幹線を使ったほうが割安」ということです。

実際に計算をしてみると、

・在来線の場合

大阪市内~岡山の乗車券 3080円

大阪~上郡の自由席特急券 1860円

上郡~岡山間の自由席特急券 1200円

合計 6140円

・新幹線の場合

大阪市内~岡山の乗車券 3080円

新大阪~岡山の自由席特急券 2530円

合計 5610円

ということで、500円ほど新幹線のほうが安いんですよね…。

 

料金も安くて速く着けるんであれば、「列車に乗ることが目的」の人以外は、普通に新幹線を使ったほうが色々とお得なわけです。

 

ただ、こういうデメリットを挙げた上で、本当に興味がある方であれば、この区間を在来線特急を乗り継いで移動したい、と思う方もおられるはず。というわけで、以下で実際のルポをまとめておきたいと思います。

 

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できるだけお得に、岡山~大阪を在来線特急で移動してみた

私がこの区間を実際に移動したのは、2020年9月某日の平日。

この時期は、JR西日本が発売している「夏のお出かけ1dayパス」が使えるので、それを使って、ほとんどの区間の乗車券を節約することにしました。

 

前の予定の兼ね合いもあって、乗ることにしたのは、岡山を17時24分に出発する「いなば9号」に乗って、上郡ではくとに接続する列車。上に挙げた7本のうち、上郡での待ち時間が一番短いので、在来線を使う方法の中では最短で岡山と大阪を移動することができます。

 

このときは、下りは相生まで在来線で移動し、相生から岡山まで、新幹線の自由席を使い、岡山までワープ。そこから「乗り継ぎ割引き」を使って、岡山~上郡間の「いなば」の自由席特急券も合わせて購入しました。

 

これとは別に、上郡~大阪の自由席特急券も購入するわけです。

ちなみにですが、「はくと」の特急券を新大阪までにして、新大阪から京都までの、新幹線の自由席特急券も合わせて購入しておくと、こちらも乗り継ぎ割引きが適用されるので、普通にはくとの特急券を上郡から岡山まで買うより安上がりになりますね。ご参考まで。

 

岡山駅から「いなば」に乗車

当初懸念していたのは、岡山駅での新幹線といなばの接続でした。

もともと、「いなば」は「のぞみ」との接続しか考慮されていないでしょうから、相生から岡山まで一駅だけ新幹線に乗って、そこからいなばに乗り継ぐ、ということは想定されていないと思います。

 

そういうこともあって、一番接続の良い列車は、相生を17時02分に出発して岡山に17時19分に到着する「ひかり」だったんですが、これだと岡山駅での接続時間が5分しかなく、乗り継げるか微妙です。

 

ただ、この1本前になると1時間前の「ひかり」しかないので、スケジュールを考えるときに困りました。

 

ただ、5分接続で乗り換えができなかったときがまずいので、1時間前には岡山駅に到着するスケジュールにしました。

スーパーいなばは、岡山駅では3番線ホームからの出発と決まっているようです。

岡山駅で一度下車をして夕食とお酒を購入して、いなばが入線してくるまでは、やくもの撮影などをしていました。

列車が入線してきたのは、出発の10分前を切ったときぐらい。キハ187系ですね。

 

この切妻構造のせいで、智頭急行線内でも(トンネルドンのせいで)最高速度が110km/hになっているらしく、「失敗作」とも言われているようですが…。

 

コロナの影響もあって(?)、自由席でもこの乗車率。さすがに上郡で降りる人は私以外にいなかったようですが、出張も減っているでしょうし、この時期は自由席でも余裕で距離を置いて座れますね。

 

今回、キハ187に乗ったのは初めてだったんですが、窓がセキュリティガラス?になっていて、全体的にボケが入っていました。そのため、車窓の景色もぼやけて見えて、あまり楽しめず…。

 

智頭急行線内でのトンネルドンは想定外のトラブルだったとは思うんですが、この窓だと、車窓を楽しみたい人からは「失敗作」「ハズレ作」と言われても仕方がないのかな、とも思えます。

変哲のない普通席。

 

上郡では5分の接続ではくとに乗り換え

  上郡駅では、わずか5分の接続で京都いきの「はくと」に乗り換えます。

 

岡山から上郡乗り換えで大阪に行く場合、鳥取行きの「いなば」は2番線ホームに、京都いきの「はくと」は1番線ホームに入線するんですが、この1番線と2番線ホームが別のホームになっているので、跨線橋を通って移動する必要があります。これが地味に大変で、5分の接続時間だとすこし余裕が感じられないかもしれません。

 

(大阪から上郡乗り換えで岡山に行く場合は、はくとの入線する3番線ホームといなばが出発する2番線ホームが同じホームの反対側なので、乗り換えそのものは楽です)

 

上郡では、智頭急行からやってきた「はくと」を見送って「いなば」が智頭急行に入線していきます。今回の接続では余裕がないので、上郡で「はくと」の撮影はできませんでした。

「はくと」の車内ですが、テーブルや肘掛けを木で作っているようで、これまで乗ってきた他の特急車両とは雰囲気が違いました。

 

 

これは、大阪駅で下車するときに撮影した写真なのですが…。

 

上郡で乗車した時点で、自由席車両には何組かの乗客がいて、鳥取方面からの旅行で帰っている大学生らしきグループも見られました。

 

ただ、大半の乗客が明石と三ノ宮で下車をして、大阪や京都まで行く人はほとんど見られませんでした。やはり、大阪と京都に行くなら、姫路で乗り換えれば速く到着できるので、主に神戸以西の山陽圏と山陰との連絡特急の意味合いが、「はくと」は強いのかな、と、乗車して感じました。

 

ちなみに乗車した「はくと」は、両方向とも貫通型の、非展望の先頭車両でした。こちらもいわゆる「ハズレ」車両なわけですが…。

 

片側がこの非展望先頭車の場合はよくあると思いますが、両方がこの車両のケースはとても珍しいように思うので、そういう意味では良かったかもしれません。

 

まとめ

今回は、知る人ぞ知る、「大阪と岡山を在来線特急だけで移動する」方法についてまとめました。

 

この方法自体は、以前から紙の時刻表を読みあさっているときに知っていたのですが、今回実際にやってみて楽しく感じました。

 

京都や大阪、岡山に住んでいる方であれば、自然にこういう選択肢を取り入れることができるので、気分転換に利用してみるのはいかがでしょうか。

 

なお、この方法について解説されている動画もあります。こちら。

 

 

※この後、大阪から草津まで「びわこエクスプレス2号」に乗って移動しました。

その記事はこちら。

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