交通

通勤特急・びわこエクスプレス2号で夜の琵琶湖路を駆け上がる

2020/09/11

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大阪と滋賀県内との通勤輸送で大きな役割を果たす、2003年にできた「びわこエクスプレス」。今回はそのうち、大阪発草津行きの「びわこエクスプレス2号」の乗車記をまとめたいと思います。

 

びわこエクスプレスの歴史

びわこエクスプレスはもともと、国鉄分割後にできたホームライナー(座席指定制)の「びわこライナー」が前身。もともと、北陸本線で運用される特急車両(恐らく485系?)の間合い運用として、大阪と米原間を結ぶ通勤列車として運転されていました。

 

この列車が2003年6月から、北陸特急の車両置き換えに伴い、合わせて車両を置き換えることになり、ここで晴れて、特急「びわこエクスプレス」として運転されることになりました(平日のみ運転で、土日祝日は運休)。

 

なお、前身の「●●ライナー」はかつて、阪和線の「はんわライナー」、大和路線の「やまとじライナー」などもありましたが、今は全て消滅しています。

 

更に特殊性の強い「びわこエクスプレス2号」の真相とは

さて、2020年現在運転されている「びわこエクスプレス」は、下り(大阪方面行き)が1本、上り(米原方面行き)が2本。つまり1.5往復という、中途半端な本数になっています。一体、この0.5往復はどうやって生まれるのでしょうか。

 

その答えが、今回乗車する「びわこエクスプレス2号」にありました。

 

この列車は、本来大阪と山陰方面を、播但線経由で結ぶ「はまかぜ」で使われる、キハ189系。つまり気動車です。

 

びわこエクスプレス2号は、大阪発草津行きとして運用されているのですが、その車両がこのキハ189系なのです。

 

これはどういうことかといいますと、実は、このキハ189系は、京都にある吹田総合車両所京都支所(いわゆる向日町運転区)に所属していて、大阪に到着した「はまかぜ」は、そのまま東海道線を更に東に進んで、向日町の車庫まで回送させる必要があるのです。

 

しかし、せっかく回送で大阪から向日町まで運転させるのであれば、通勤客を拾って滋賀県内まで普通に運転して、その後向日町まで回送したほうが収益性が高い、という判断で、もともと走っていた「びわこエクスプレス」に加えられる形で、途中から運転されるようになったのでした。

 

そのため、この「びわこエクスプレス2号」は、大阪に到着したはまかぜ6号がそのまま、草津まで運転されるような形態を取っています。

はまかぜ6号が大阪駅に到着するのが20時05分。びわこエクスプレス2号が大阪駅を出発するのが20時36分。ホームは同じ10番線で、この30分の間に車内清掃が行われるので、乗客は一旦車外に出る必要がありますが、「はまかぜ6号」の特急券と「びわこエクスプレス2号」の特急券を用意すれば、一気に山陰方面から滋賀県の草津まで、1つの車両に乗って移動することができる、なんて芸当ができてしまうのです。

 

加えて補足をしておくと、この「はまかぜ6号からびわこエクスプレス2号に乗る」ことで、日本最長の複々線区間(西明石~草津)を単独の気動車に乗って走破する、なんてことができてしまいます。

これは地味にすごいことで、西明石~草津間は完全電化されていることと、この区間は新快速を使うと1つの列車でもちろん走破はできてしまうのですが、この区間を「ディーゼルカーで」移動するとなると、「はくと」でも東は京都止まりの運用になっているため、1本の気動車「だけ」で走破することはできません。

 

そんな中で、一旦車外に出る必要はあるものの、1つの列車(同じキハ189系)に乗って、西明石~草津間を気動車で走破できてしまう、というのは、この方法が唯一無二。もし興味がある方は、一度試してみて下さい。

 

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実際に「びわこエクスプレス2号」に乗ってみる

さて、私がこの列車に乗った日は、この前に「岡山から大阪まで、在来線特急を乗り継いで移動する」ということをやっていました。

 

【マニア向け】スーパーいなば・スーパーはくとを乗り継いで岡山~大阪を在来線移動する

 

この「はくと」が大阪に着いたのが19時30分頃で、ここから大阪駅で1時間ほど待機。この日は「夏の関西1dayパス」を保有していたため、大阪駅で改札を出て、駅構内の立ち食い蕎麦屋さんで腹ごしらえをしてから、再度大阪駅の10番線ホームに向かいました。

 

ホームに着いた時には既に、はまかぜ6号として運転されてきたキハ189系が泊まっていて、車内清掃がされていました。結局、乗車扉が開いたのは出発の5分ほど前だったように思います。

 

びわこエクスプレス2号は、草津方面の1両(3号車)が指定席で、大阪方面の2両(1号車、2号車)が自由席。はまかぜ6号では2号車が指定席になっているので、列車名が変わることで、自由席と指定席の比率が逆転したことになります。

 

そもそも、東海道線内で「草津行き」という表示を見られるのが激レア。普通は草津線内でしか見られないでしょうから…。

大阪駅9番、10番線ホームの案内板。びわこエクスプレス2号の出発6分前と9分後にそれぞれ、同じ東海道線を経由して滋賀県内まで運転される新快速があるので、完全に「お金を払って着席したい」という部分で線引きをしていますね。なお、びわこエクスプレス2号は新快速を追い抜くこともありませんし、追い抜かれることもありません。

キハ189系の後ろ姿。

 

これは邪推というか、単なる妄想になってしまいますが、キハ189系はもともと、はまかぜに充当されていたキハ181系の後継車として作製された列車。キハ181系にはグリーン車が連結されていて(「はまかぜ」運用の編成には)、4両編成だったのが、このキハ189系はモノクラス編成の3連に変更された経緯があります。

 

もし、キハ189系にグリーン車が連結されていれば、この「びわこエクスプレス2号」でも、大阪から草津まで、短距離のグリーン車利用ができていたかもしれません。

 

大阪で乗車した際の、指定席の様子。出発したときには、窓側の座席が4割ほど埋まっているような乗車率でした。コロナの影響がどれほど影響しているのか分かりませんが、確実に座って快適に移動する、というコンセプトなのであれば、これくらいの乗車率のほうが、乗客は快適に感じるかもしれません。

 

自由席の乗車率は確認していないので分からず…。

 

座席は、689系4000番台の普通車に準じていて、色が違っています。とは言っても、「689系と同じ座席」と言われても、これを見るだけでピンとは来ませんよね…。

 

びわこエクスプレス2号は、大阪を出発してから新大阪、京都、山科、大津、石山、草津の順に停車。あくまで大阪と滋賀との輸送に特化しているようで、一部のサンダーバードが停車する高槻は通過し、滋賀県内に入ってからこまめに停車を繰り返します。

 

乗客の下車の様子を見ていると、京都より東の山科以降で下車していく人が目立ちました。どの駅でもチラホラ下車がある、という感じでしたが、京都で下車するのであれば、大阪駅を18分後に出発するサンダーバード(最終)に乗ってもいけますから、やはり滋賀県内に住んでいる人の通勤の足として、貴重な役割を果たしていると言えるでしょう。

 

終点の草津には21時27分に到着。大阪から50分で到着できることを考えると、滋賀県も大阪のベッドタウンなんだな、ということが分かりますね。

 

 

草津に到着したキハ189系は、そのまま駅の東側に向かって転線し、タイミングを見計らって東海道を下って、向日町に向かっていくようでした。

 

私はこの後、更に東を目指すために後続の普通列車に乗ったのですが、びわこエクスプレス2号を草津で降りた人の中にも同じように、普通列車に乗り込んでいる人が見られたので、草津以東への移動ニーズも存在していることが分かりました。

 

まとめ

今回は、はまかぜ6号の間合い運用として運転さている、びわこエクスプレス2号について解説しました。

 

実際に乗ってみることで、大阪と滋賀の通勤ニーズは大きいことが分かりました。

 

電化区間で完結する気動車特急というレアな要素も兼ね備えているので、通勤利用でなくても一度乗ってみるのはいかがでしょうか。

 

※大阪~草津の指定席特急券 1530円(閑散期なので、自由席特急券に320円追加の金額) 同区間の自由席特急券は通年1210円

 

この後、東海道線を更に北上して米原まで行き、翌朝の「びわこエクスプレス1号」のグリーン車に乗りました。

その乗車記事はこちらです。

 

【平日限定】米原から大阪への一番列車・びわこエクスプレス1号のグリーン車に乗ってみる

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