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交通

【激レア】モノクラス編成の四国特急「宇和海」でグリーン車に乗れることがある

2020/01/19

特急「宇和海」号は、愛媛県の松山と宇和島を結ぶJR四国の特急で、2019年現在は下りが17本、上りが16本動いている、気動車特急としては同じく四国の「うずしお」と同じ頻度の高さ(毎時1本)で運転されている、特急列車です。

 

この松山~宇和島間は、かつては「しおかぜ」が1往復運転されていましたが、2016年に車両の増備により、完全に松山以東(岡山方面)が「しおかぜ」、松山以西が「宇和海」に分離されるようになりました。

 

そんな「宇和海」は、JR時刻表の編成表を見ても分かるとおり「モノクラス」、つまり普通車指定席と自由席のみが組み込まれている列車で、基本的に2両、3両、又は5両編成で運転され、指定席はそのうち1両の半室のみ、という編成になっています(下のリンク参照)。

 

編成列車のご案内(JR四国)

 

しかし、そんなモノクラス運用の「宇和海」に、なんと不定期でグリーン車が連結されることがあるのです。

 

目次

車両の運用で、数日に1往復程度半室グリーン車が連結

「宇和海」に投入される車両は、松山運転所所属の2000系(トップの写真)とN2000系(もともと、主に「うずしお」に投入されていた車両で、赤色の帯が特徴)で、全て普通車の座席となっています。

しかしごく稀に、どこからか半室グリーン車の2000系(南風で運用されるもの)が宇和海に連結されて、1日に一往復、グリーン車が連結された「宇和海」に乗車することができるのです。

 

とは言っても、上の編成表でも分かるように、「宇和海」の編成は普通車自由席と普通車指定席の表示しかされないため、グリーン車が連結されたとしても、その列車を調べて、なおかつグリーン車を確保するのは至難の業のように思えます。

 

しかし、JRの空席案内サービス「サイバーステーション」を利用すれば、なんとなんと、簡単にグリーン車が連結される「宇和海」が運転される日時と列車が分かってしまいます。

 

実際にサイバーステーションで調べてみる

さて、ではここからは簡単にですが、実際にサイバーステーションを使って、「宇和海」のグリーン車組み込み運転を調べてみましょう。

 

サイバーステーション

 

サイバーステーションで空席検索ができるのは、6時半~22時半の間だけで、指定席の予約システムとの兼ね合いから、1ヶ月後までの列車の空席状況しか分かりません。

 

ですが、それでも1ヶ月間の中で、どの日のどの列車に、「宇和海」にグリーン車が連結されるかは調べることができます。

 

リンク先で、「お乗りになる列車」は「在来線列車」にして、駅は、松山と宇和島などを入れてみましょう(他の「宇和海」停車駅は、時刻表を調べてみると分かります)。

 

そして実際に検索してみると、ありました。

 

調べてみたのは、2019年の2月15日頃なので、そこから1ヶ月の間の検索しかできません。

 

そして、いきなり「2月16日」で、下り(松山→宇和島)だと、「宇和海17号」に隠れグリーン車が連結される、ということが分かりました。

 

 

表示される空席結果の中で、1列車だけ「グリーン車 ○」の表示が出ているのは、なんとも不思議ですよね。

 

その後も「翌日を検索」をクリックしていくと、

 

2月19日にも、同じく「宇和海17号」にグリーン車が連結されるようです。

 

この後、3月14日頃まで検索をし続けていきましたが、何日か連続でグリーン車が運用に入る日があるようで、思った以上に、「宇和海」のグリーン車に乗れる機会は多そうな印象を受けました。もちろん、グリーン車が組み込まれるとしても1日1往復だけなので、よっぽどそれ目当てでスケジュールを立てないと乗ることは厳しそうですが…。

 

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グリーン車を普通車運賃で乗れるわけではないことにご注意を

この情報を最初聞いたときに、私は「乗り得列車なのかな?」と実は思ったのです。というのも、日本各地にはときどき、特急列車を使った普通列車・快速列車が運転されていたり、グリーン車に追加料金を払うことなく乗れるお得な列車が多数存在するからです。

 

しかし、この「宇和海のグリーン車」は、普通運賃で乗れるというわけではなく、きちんと自由席特急券+グリーン料金を払う必要があります。つまり、料金面でいうと普通の運用、というわけですね。

 

乗るのであれば「四国バースデイきっぷ」で使ってみたい

この「宇和海」のグリーン車を利用する方の大半は、鉄道好きの方だと思います(普段使いで「宇和海」を使う方は、そもそもグリーン車が連結されるなんて知らないと思います)。

ですから、グリーン車に乗るのに普通に料金を払ってもいいという方が多いと思いますが、せっかく乗るのであれば、JR四国のあらゆる列車のあらゆる座席が3日間乗り放題になる、「バースデイきっぷ」を使ってみるのがいいのではないかと思います。

 

この「バースデイきっぷ」は、誕生月に連続して3日間、JR四国と土佐くろしお鉄道の全線で、特急列車を含む全ての列車に乗ることができます(この他、阿佐海岸鉄道とJR四国バスの路線バスも利用可)。

 

グリーン車用のバースデイきっぷは3日間で13000円なのですが、普段、JR四国管内でグリーン車が連結される列車と言えば、「しおかぜ」(児島~松山)、一部の「いしづち」(高松~松山)、「南風」(児島~高知・中村)、一部の「あしずり」(高知~中村)、そしてマリンライナー(児島~高松)のみで、区間が限定的です(この他に、「モーニングエクスプレス/ミッドナイトエクスプレス松山」にもグリーン車は連結されますが、バースデイきっぷで利用する方は多くはないと思います)。

 

※バースデイきっぷの有効区間は、JR西日本の児島駅までのため、上のような区間標記としています。

 

しかし、これに加えて「宇和海」で宇和島~松山もグリーン車に乗れるのであれば、簡単に言えば児島(あるいは高松)~(しおかぜorいしづち)~松山~(宇和海)~宇和島~(予土線普通)~窪川~(南風orあしずり)~高知~(南風)~坂出~児島(orマリンライナーで高松)と、徳島県以外のJRの一筆書きの大半の区間をグリーン車に乗って移動することが可能です。

 

グリーン車用のバースデイきっぷを使う場合、グリーン車に乗って元を取ろうとすると、どうしても松山~宇多津以東や、高知以西~宇多津・児島という長距離区間で乗車しないといけませんが、ここに「宇和海」のグリーン車も加わることで、普段はグリーン車の空白地帯である松山~宇和島でも利用できることになりますから、お得度が何倍にも上がりますね。

 

運用そのものがとてもマニアックなものなので、入念に計画をする必要はありますが、「宇和海」のグリーン券もとても貴重ですから、チケットコレクションも兼ねて利用してみるのはいかがでしょうか。

 

まとめ

今回は、「宇和海」に連結される幻のグリーン車について解説しました。私がバースデイきっぷを使って四国を旅したのはもう10年も前の話なんですが、この情報を聞いて、また旅をしたくなってきました。四国管内の移動の大部分をグリーン車に乗ってできる。こんなロマンを実現するためにも、「宇和海」のグリーン車は大きな役割を果たしていると言えるでしょう。

 

なお、今回解説した内容については、こちらの動画でも詳しく説明されています。

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