最高裁判所・高等裁判所の判例集で用いられる略称記号一覧(特許訴訟に関係するもの)

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特許異議決定に関する書類を読んでいると、見たことのない記号が出てきました。

 

それが「平成XX年(行ケ)第●●号」という記載です。

 

この「行ケ」が、何を意味するのか分からないので色々と調べてみました。

 

結論を先に書くと、最高裁と高等裁判所で判決が下された裁判の、訴訟の種類を表す記号のようです。

 

 

最高裁・高裁での判例集記号の一部

色々と調べてたのですが、たどり着いたのが日本の裁判所の公式HPの中にある一ページでした(http://www.courts.go.jp/picture/hanrei_help.html)。

 

これによると、おびただしい数の分類記号があるようですが、とりあえず特許訴訟に関連するのは以下の3つだけです。

 

行チ:最高裁判所で扱われた事件の中で、行政訴訟事件に関するもの(第一審)

行ツ:最高裁判所で扱われた事件の中で、行政上告事件に関するもの

行ケ:高等裁判所で扱われた事件の中で、行政訴訟事件に関するもの(第一審)

行コ:高等裁判所で扱われた事件の中で、行政控訴事件に関するもの

行ウ:下級裁判所で扱われた事件の中で、行政訴訟事件に関するもの

 

※色々と資料を調べていると、特許訴訟の中にも民事訴訟(私人間間での争い)もあるようで、地方裁判所で行われた訴訟の控訴審を、知的財産高等裁判所で行う場合もあるようで(少なくとも、知財高裁は地裁での知財民事裁判の控訴審に対する裁判権を持っているようです)、上記符号以外にも、民事訴訟を表す表記も用いられる場合もあるかもしれません。

また、地方裁判所で行われた知財行政訴訟(私人間と行政機関との訴訟)の控訴審も、高裁で行われるとは思うのですが、知的財産高等裁判所の役割を確認すると、

・行政訴訟の第一審としての審決取消訴訟

・民事控訴事件(民事事件の控訴審)のうち,特許権,実用新案権,半導体集積回路の回路配置利用権及びプログラムの著作物についての著作者の権利に関する訴えの控訴事

の2つに対する裁判権がある、という記載しかされていない(出典:知的財産高等裁判所の公式HP)ため、下級裁判所で、特許や知財に関する行政訴訟は行われないのかもしれません。

 

このあたりは、今の私には全体像が分からないので、断定を避けて調べた記録だけまとめておきます。

 

略称を英語で表現するには

行政訴訟(行チ、行ケ、行ウ)に関してはAdministrative Litigationというそうです。

 

行政控訴・上告(行ツ、行コ)に関しては、きちんとした情報を確認できないのですが、「行政訴訟」をベースに考えると、Administrative Final Appealというのが妥当かと思われます。

 

 

異議申立書にこのような略称が出てきたときは、このように訳すのがいいんじゃないでしょうか。

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