特許明細書データを取得するために、2014時代から使ってきたE’storage(有限会社DJソフト製)ですが、今年の2月に、最新版の2020がリリースされていたようです。
それまでの最新バージョンは「2016」で、僕も以前から「2014から2016に移っているから、そろそろ新しいバージョンが出るのでは」と思っていました。どうやら、2018や2019はすっ飛ばして、2020となったようです。
販売ページはこちら。
2016との違い
公式の案内にもあるように、2020は2016とは全く異なるソフト、と言うことができます。
データ形式、及びデータ取得のためにアクセスするサービスが異なっていて、2020の場合、Espacenetにアクセスをするようです。
2016の場合、日本の特許を調べるときには日本特許庁のデータベースにアクセスしていたようですが、2020は国など関係なく、一括してEsacenetを利用するので、仕様の連続性はないとのこと。
また、2020では「Text Edition」と「Pro Edition」の2種類があり、Pro版だと、ファミリーや引用・被引用の特許情報も入手できるようです。特許翻訳というよりは、特許調査をメインでする方向けの仕様でしょうか。
Text版は、2016と同じように、明細書のテキストデータと対訳(あれば)を入手でき、特許翻訳で使うのであれば、Text版で十分事足りる印象です。
料金は、Text版が15000円+消費税、Pro版が45000円+消費税、となっていて、いくら経費計上のため、とはいっても、特許翻訳者でPro版を使うのは、考えるかもしれません。
僕も、Pro版にしようかとも考えましたが、3倍の値段でも、使う機能はほぼ変わらないと判断して、Text版に落ち着きました。
※30日間の試用がどちらのバージョンでもできますが、開発側としてはPro版で試用することを推奨しているとのことです。
※また、Pro版で試用してみてText版のライセンスを購入した場合でも、Pro版をアンインストールする必要はないとのことです(僕は、デスクトップが汚れるのでアンインストールしましたが)。
使い方を簡単にまとめると
これが初期画面で、左上の「Espacenet」か「#Number」を使います。
Espacenetにアクセスすれば、そこで調べたい特許番号を入力して、検索することができます。
が、手っ取り早くテキストデータを取得したいのであれば、いきなり「#Number」に飛んでも大丈夫です。
「#Number」にアクセスしたときの画面は上のとおりで、白紙の状態で、「公報番号」の箇所に取得したい公報番号を入力します(試用版だと連続して最大10件)。
これで「ダウンロード」をクリックすると、特許を調べてデータを取得してくれます。
ダウンロードを始める前に、どの形式のデータを取得するかを選べます。
こんな感じで、あとは2016のときと同じ操作ですね。
明細書本文が取得できないバグ(?)があるらしい
試用版で使っていたときにあったのが、「明細書が取得できない」というバグででした。
取得データの「Description」にチェックを入れていても、なぜかClaimとAbstractだけしか表示されず、開発元に確認したら、そちらでも同じような表示になると。
どうやら、明細書によってはこういうバグが起こり得るようで、その共通点や原因は不明とのこと。こればかりは、目をつむるしかないようです。
僕が試用版で操作したときは、たまたま2件続けてそのようなエラーが発生したのですが、他の明細書で調べてみたら問題なく全てのデータを取得できたので、購入に至りました。
こんな感じで、特許翻訳者の場合、ソフトを使い倒すというよりは節税対策の意味合いが強いかと思いますが、手元に持っておいていいソフトなんじゃないかと思います。
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