【2016年に廃止】「大阪しなの」のグリーン車に乗って全区間を旅してみた
2021/11/21
名古屋と長野を結ぶ、JR東海の在来線特急「しなの」号は、2016年の3月改正まで、1往復(9号と16号)が大阪~名古屋~長野間を結び、当時は日本最長の昼行特急列車としても知られていました。
この、名古屋以西まで足を運ぶ「しなの」は通称「大阪しなの」とも呼ばれており、鉄道ファンの間でも有名な列車でした。
既に、廃止から4年ほど経ってしまいましたが、当時のダイヤ改正直前に、私はこの列車に乗り納めに行ってきました。時間が経ちすぎてはいますが、当時のダイヤ情報や旅行の様子を、この記事で振り返っていきたいと思います。
目次
歴史自体はとても長かった「大阪しなの」
「大阪しなの」と言うと、383系で運転されるイメージしかない方が大半だと思いますが、歴史自体はとても古く、国鉄時代の1971年に、当時走っていた急行「ちくま」の昼行運用を「しなの」に統合したのが始まりでした。(「ちくま」は2000年頃まで、大阪~名古屋~長野を、末期はこれまた383系にて臨時急行列車として、運行されていました。)
そこから、実に四半世紀以上、ほぼ半世紀にわたって運転されていたわけですが、やむなく廃止となってしまったわけです。
JR西日本車両の大垣乗り入れ廃止の相殺により、「大阪しなの」は廃止に
スポンサードリンク
2016年の「うるう日」に大阪しなのに乗車
私が「大阪しなの」に乗りに行ったのは、ダイヤ改正が迫る2016年の2月29日。せっかく指定席に乗って、切符に日付が印字されるのであれば、ということで、敢えて4年に一度しかない「2月29日」に乗りに行くことにしました。
関西在住の私にとって、1日で関西に戻らないといけないスケジュールだったので、当時開通して1年経っていない北陸新幹線を長野から利用し、大阪→名古屋→長野(ここまで「大阪しなの」)→糸魚川→金沢(ここまで北陸新幹線)→敦賀→京都(ここまで「サンダーバード」)、という乗り継ぎをして、その日のうちに関西に戻ってくるようにしました。
大阪しなのの下りは、大阪を8時57分に出発して、長野には13時53分に到着する、という長いダイヤ(約5時間)。せっかくなのでグリーン車を予約して、全区間乗り通すことにしました。
本当は展望席を確保したかったのですが、さすがにこの座席は人気が高く、乗車を決めた日には並んでいる4席全てが埋まっていたので、中程の座席を指定しました。
鉄道ファンの多くは名古屋まで乗車
「大阪しなの」は、出発する約5分前に大阪駅11番線ホームに静かに入線する、という慌ただしさ。その10分ほど前にサンダーバードが出発する、というのもあるのですが、JR西日本の在来線特急・新快速の合間に放り込んだダイヤが組まれているようでした。
上の写真にあるように、大阪駅には撮影目当てのファンも来ており、そのうち実際に乗車したのは半分もいませんでした。グリーン車に乗るのであれば、出発直前まで撮影をして飛び乗る、ということもできますが、2号車より後ろの車両で座席指定をしていると満足に写真も撮れないでしょうから、撮影組と乗車組で分かれていたように見えました。
大阪を数分遅れて出発した後は、新大阪、京都、米原、岐阜、と停車して、10時57分頃に名古屋に到着。停車駅は少なく、いかにも「特急列車」という感じですが、岐阜駅と出発の大阪以外は全て新幹線の停車駅であり、これらの駅でのお客さんの扱いがどれほどあるのかは不明でした。
関西と岐阜駅を移動するのであれば、この「大阪しなの」に乗る意味もありますが、それ以外の駅間の移動であれば、新幹線に乗ればもっと早く移動できますし、各駅でお客さんを拾って名古屋以東を目指す場合でも、岐阜以外では各駅から新幹線に乗って、名古屋で「しなの」に乗り換えるほうが乗り継ぎ割引も適用されて、何もかもがお得ですから………。
やや、「特急列車」という色合いは薄れてしまうかもしれませんが、この区間で他の特急列車(「はるか」など)がやっているように、大津や草津、彦根など、新幹線の駅がない駅で客扱いをするほうが、もう少し区間利用も見込めたのではないか、と思います(特に、大津から「しなの」に乗りたい場合、米原まで新快速で行くか、京都まで一旦出ないといけないので)。
「大阪しなの」は、米原までは新快速を抜かすこともなく進んで行きます。この区間は停車駅の多い新快速の間を縫って走るので、最高速度も抑えられて、383系の振り子性能の本領発揮、とはいかないようでした。
名古屋にはほぼ定刻通りに到着。ここで、グリーン車のお客さんの大半が下車して、パノラマ席に乗っていた方も全員下車しました。あくまで、「廃止になる大阪~名古屋の展望映像を撮りたい(目に焼き付けたい)」という目的だったのだと思われます。
名古屋を出発した「しなの」は、急に普通の「しなの」に変わり、木曾街道を通って信州を目指していきます。
車内販売は一切なし。軽食は乗車前に準備
「大阪しなの」は、5時間ほどかけて全区間を走り抜けますが、車内販売などは一切ありません。長野行きの9号は、幸いにも朝ラッシュを過ぎた頃に大阪を出発し、昼過ぎに終点に到着するので、この間に食事は取らなくても大丈夫な方が多いとは思いますが、それでも長い道中、車窓を楽しみながらコーヒーのいっぱいくらいは飲んでみたいもの。
私は、大阪駅でしなのに乗り換えるときに、駅構内のキオスクで軽食と飲み物を買って、長野に着くまで昼食は食べませんでした。
長野駅では「大阪行きしなの」と共演
長野駅に到着した「しなの9号」の隣のホームには、大阪行きの「しなの16号」が停車中でした。
長野からは、北陸新幹線+サンダーバードを乗り継いで関西まで移動
長野駅では、1時間ほどの乗り継ぎ時間があったため、駅前を散策して昼食を食べて、時間を潰しました。ここからは、「はくたか」の自由席に乗車をして金沢まで移動し、金沢でも30分ほど接続待ちをして、サンダーバードの指定席に乗って関西まで帰りました。
まとめ
もう4年以上前の話ではありますが、「大阪しなの」の乗り納めに行ってきたときのことをまとめました。今思うと、他のファンの方がやっていたように、大阪から名古屋まで「しなの」に乗って、そこからは新幹線なり近鉄特急なりを使って関西に戻ってもよかったのかな、とは思います。が、全区間乗ることももう一生ないので、これは時間と財布と相談、という話なのかもしれません。
これからも、年に一度くらいは「列車に乗る」という目的で、昔私がのめり込んでいたことにもう一度打ち込んでみるのもいいのかな、と思います。
なお、2015年の夏には、当時引退を迎える381系くろしおに、関西大回りきっぷを使って京都→和歌山で乗り納めにいきました。そのときの記事はこちら。
また、この「大阪しなの」廃止後に最長距離を移動する昼行特急である、にちりんシーガイアに乗ってきた記事はこちらです。
にちりんシーガイア5号のDXグリーン車に乗って、日本最長昼行特急を全区間乗り通す
あなたにおすすめの記事はこちら!