東海道新幹線を使って格安で移動する方法として「ぷらっとこだま」は多くの方に知られていると思いますが、この山陽新幹線版のサービスがあることをご存じでしょうか。
それが、今回紹介する「バリ得こだま・ひかり」という、
先日、私も実際に利用してみたのですが、とても快適な旅行をすることができました。
この記事では、そんな旅行商品「バリ得こだま・ひかり」を詳しく紹介したいと思います。
目次
バリ得こだま・ひかりって何?
「バリ得こだま・ひかり」は、旅行代理店である
東海道新幹線版の「ぷらっとこだま」も、JR東海が発売しているわけではなく、東海ツアーズという別会社が取り扱っているツアー企画商品であるのと同じですね。
ですので、普通に窓口できっぷを購入するよりも、山陽新幹線を安く移動できる方法ではあるのですが、一方で、普通のきっぷよりも色々と制限があります(これらについては、後で詳しく述べます)。
さて、この「バリ得こだま・ひかり」ですが、利用できるのは名前のとおり、山陽新幹線内を走るひかり号、こだま号だけ。当然ながら、速達列車であるのぞみ号とみずほ号、そして、九州新幹線の開業でひかりの大部分が置き換えられたさくら号も、利用することができません。
また、2021年11月現在、山陽新幹線内を走るひかり号は、東海道新幹線と直通運転をする一部のひかり号(東京と岡山あるいは広島を結ぶひかり号)を除いて、ほとんど存在しません。これは、九州新幹線の開業で、それまで多く走っていた山陽新幹線内のひかり号がさくら号に変わってしまったからなのですが、これはつまりどういうことかというと、この「バリ得こだま・ひかり」で利用できるのは、ほとんどこだま号だけ、ということでもあります(ひかり号、特に、本数が極端に少ない、岡山から西に進むひかり号は利用機会が限られる、というわけです)。
まあ、見方を変えれば、「ぷらっとこだま」と並ぶ山陽新幹線の格安ツアーが、この「バリ得こだま・ひかり」というわけで、時間はかかるものの、通常の料金よりも大幅に安い料金で移動できる、お得なきっぷと言えますね。
ばり得こだま・ひかりは山陽新幹線のどの区間で使える?
「ばり得こだま・ひかり」は、以下の4つのエリアで利用することができます。
①関西~小倉・博多
②関西~中国
③中国~小倉・博多
※これとは別に、九州新幹線の「つばめ」を使って、博多よりも南の区間でも利用することができるのですが、ここでまとめると文字数が膨大になってしまうので、今回は山陽新幹線内で完結する、上の3種類のプランについて説明したいと思います。
(「つばめ」のプランについては機会を改めて別の記事でまとめようかと思いますが、申し込み方法などはこの記事で解説するものと基本的に同じですので、この記事を熟読していただければご安心いただけるかと思います。)
さて、この「バリ得こだま・ひかり」ですが、実は上記3つのエリアにまたがる移動であれば、山陽新幹線のほぼ各駅間での利用ができてしまうすぐれものです。
例えば、こちらの画像は、「中国地方発関西行き」のバリ得こだま・ひかりの、出発駅を選択する画面をスクリーンショットしたものですが、
なんと、東は岡山から、西は新下関(写真では、厚狭駅が一番下に来ていますが、山陽新幹線の駅は新山口、徳山、厚狭、新下関、の順番になっているので、本州の一番西の駅は新下関です)まで、出発駅を選ぶことができます。
(※スクリーンショットは2021年のものなので、現在は表示される金額が違っている場合があります)
なお、この写真には載っていませんが、この「中国地方から関西」のプランを利用する場合、関西の着駅は新神戸か新大阪なので、相生、姫路、西明石の3駅での乗降はできない、ということになります。
バリ得こだま・ひかりの良さは、この乗降駅のバリエーションの多さでしょう。東海の「ぷらっとこだま」の場合、主要都市圏間の移動でしか商品が販売されておらず、例えば新富士~岐阜羽島、の間を「ぷらっとこだま」を使って移動することはできません。
ですが、この
(※上のリンクからは日本旅行のトップページに飛ぶので、右上の検索窓で「バリ得こだま」と入力して検索してみてください。
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バリ得こだま・ひかりの主な料金は?
バリ得こだま・ひかりの、主要都市間での料金は以下のとおりです(※通常期の料金。年末年始などの繁忙期では、料金が少し高くなります)。
・新大阪~博多 10600円(通常の指定席だと約15000円 ※約4400円お得)
・新大阪~広島 8300円(通常の指定席だと約10000円 ※約1700円お得)
・新大阪~岡山 5000円(通常の指定席だと約5600円 ※約600円お得)
・岡山~博多 9400円(通常の指定席だと約12500円 ※約3100円お得)
・広島~博多 6800円(通常の指定席だと約9000円 ※約2200円お得)
※2024年4月1日利用分から、料金の大幅な値上げが行われました。その改定後の金額を記載しています。
移動距離が長くなればなるほど、割引額が大きくなるのが嬉しいですね。
なお、駅が1つずれると数百円料金が変わるので、具体的な料金は予約の際に確認してください。
バリ得こだま・ひかりで他にお得な部分はここ!
バリ得こだま・ひかりの、(値段が安いこと以外の)メリットをここで簡単にお伝えしますね。
①購入は前日までOK!
いわゆる企画ツアー商品ですが、出発日の数日前までに購入しないと利用できない、といった制約はなく、前日に急きょ予定が決まっても列車を予約することができます。
②切符の発券は、乗車する駅のみどりの券売機でOK!
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この商品は、旅行代理店が取り扱っているツアーではありますが、代理店のカウンターに行かずに、メールに送られるQRコード、あるいは予約番号を用意して、出発当日に駅のみどりの券売機を使って、自分で発券すれば切符を手に入れることができます。
乗り遅れたら別の列車に振り替え乗車はできないため、列車の出発直前に駅に着いて、みどりの券売機に人が並んでいて切符を受け取れなかった………となってしまうとシャレになりませんが、ふだんの通勤で利用するJRの駅での受け取りなどを上手く活用する必要はあると思いますが、出発当日の45分ほど前に新幹線の駅に着いて、切符を手に入れて駅弁などを買う………という流れにすると、あまりバタバタせずに、出発前のひとときを上手く過ごせるかもしれませんね。
なお、私は実際に利用するにあたり、関西から博多に向かう切符を、数日前に北陸地方のJRのみどりの券売機を使って発券しようとしたら、エラーになって発券することができませんでした。どうやらこれは、発券できる日より前に発券しようとしたためのようでした(発券は、乗車日の5日前から乗車する列車の出発時間までにすることができるようです)。
ですので、このような企画商品の切符は、ツアーを使って出発するエリア(関西出発だと関西エリア)のみどりの券売機で手に入れるのがいいでしょう。
③特典として付いてくる「ぽちっとギフト」が嬉しい!
この「バリ得こだま・ひかり」は、ツアー商品ということもあって、また、移動時間がかかる各停タイプの新幹線を使うこともあって、4種類のスナック類から1種類を選んで、乗車前にコンビニで受け取ることができます。
この写真は、中国~小倉・博多のプランを利用する際のアイテムで、利用する区間によって選べるスナック類が違うようです。私が新大阪→博多で利用したときは、セブンイレブンのカフェオレやガルボーがラインナップにありました。
このアイテムは、申込の際に選んで、出発前に駅の近くにあるセブンイレブンで受け取ります。
④新大阪~岡山間は、東京直通の「ひかり」も利用できるため選択肢が多い!
山陽新幹線のデメリットは、(特にこだま、ひかりが)東海道新幹線のようにパターンダイヤとなっておらず、そもそも利用できる列車が少ない、という点です(例えば、新大阪から博多に「ばり得こだま」を使って移動しようとすると、11時32分に「こだま851号」が出発した後は、16時32分に出発する「こだま863号」まで利用できる列車がありません。
ですので、利用の際は十分に新幹線のダイヤを確認してスケジューリングをする必要がある一方で、新大阪~岡山間は、日中に東京~岡山間で運転される「ひかり」号が1時間に1本あるため(山陽新幹線内は各駅停車)、比較的利用しやすくなっています。
「バリ得ひかり」で利用できるひかり号はどれくらいある?
これは若干横道にそれる話なのですが、上で、「山陽新幹線の岡山より西に行くひかり号はとても少ない」と書きました。
2022年現在、この「バリ得ひかり」を使って利用できるひかり号は、以下のとおりとなっています(新大阪~岡山間で運転されるひかり号は除く)。
※主要駅の時刻のみを表記しています。他の駅にも停車するので、詳しくは別途検索してください。
①下り列車
・ひかり591号:新大阪606→岡山703→広島800→博多919
・ひかり531号:新大阪735→岡山824→広島904→博多1011
・ひかり533号:新大阪814→岡山914→広島954
・ひかり535号:新大阪844→岡山952→広島1032
②上り
・ひかり500号:広島620→岡山740→新大阪846
・ひかり592号:博多2052→広島2159→岡山2241→新大阪2332
以上の、下り4本、上り2本という少なさです。
③「バリ得ひかり」で利用できるひかり号には色々と制限がある
実は、実際に私が「バリ得ひかり」を利用しようとして予約をしようとしたところ、この商品で実際に乗れる「ひかり号」は、実際に運転されているものよりも少なく、いくつか制限があることが分かりました。
具体的に言うと、「利用する区間で、乗れるひかり号は違う」のです。
どういうことかというと、「関西~九州」「関西~中国」「中国~九州」で、予約できるひかり号が異なっていて、更に制限があります。
順に見ていきましょう。
A.関西~九州でひかり号を利用したい場合
この場合、利用できるのは以下の1.5往復です。
下り:ひかり591号、531号
上り:ひかり592号
上で他に紹介した、広島行きや岡山行き、広島発のひかり号は当然ながら、利用することができません。
B.関西~中国でひかり号を利用したい場合
この場合、「関西~岡山で利用する」か、「関西~岡山以西(新倉敷より西)で利用する」か、によって、利用できるひかり号に大きな差が出てきます。
どういうことかと言うと、上でも少し書いたとおり、新大阪~岡山間では、東京直通のひかり号(山陽新幹線内は各駅停車)が毎時1本のペースで運転されており、これも予約することができます。
一方で、関西⇔新倉敷~新下関の間を、こだま号ではなくひかり号で利用しようとする場合、利用できるのが「新大阪~広島間を各駅停車で運行するひかり」号しか利用することができません。他の、数駅を通過する、広島行きや博多行き、あるいは博多発、広島発の新大阪方面行きのひかり号は、予約画面でそもそもヒットしないようになっています。
そして、この条件に当てはまるのは、
下り:ひかり531号、533号、535号
上り:ひかり500号
の合計4本のみ。521号は、東京発の広島行きひかり号で山陽新幹線内は各駅停車、500号は広島発の東京行きで山陽新幹線内は各駅停車、という列車です(16編成のグリーン車付き)。
つまり、「バリ得ひかり」を使うと、「新大阪・新神戸~(新岩国~新下関の間)」の区間は移動できず、この区間を利用するのであれば、こだま号を利用しないといけません。
ではなぜ、このような変則的な設定になっているのかというと、恐らくですが、山陽新幹線内の一部の駅を通過する「ひかり」号だと、この「バリ得こだま・ひかり」の、「エリア内の全ての駅を発着駅に指定して利用する」ことができなくなるからではないか、と思われます。
※関西~広島の場合、広島行きの「ひかり533・535号」を利用することができます。詳しい話をこちらの記事でしています。
【地味に有用】「ひかり535号」をバリ得こだまで利用して、お得に大阪~広島を移動する
【バリ得こだま】大阪・神戸~広島間で乗れるお得列車は?
C.中国~九州でひかり号を利用したい場合
こちらを実際に調べてみたところ、なぜか一部の駅を通過する「ひかり」号を、岡山、広島駅発着では指定することができるようです…。
下り:ひかり591号、531号(共に岡山、広島発着の場合。恐らく、他の停車駅発でも発券可能)
上り:ひかり592号(共に岡山、広島発着の場合)
実際に「バリ得こだま・ひかり」を申し込んでみよう
ではここからは実際に、スクリーンショットを交えて、バリ得こだま・ひかりの申し込み方法について解説していきます。
まず、申し込みは以下のバナーリンクから行います。
このリンクから飛ぶと、「関西~博多」のバリ得こだま・ひかりの予約ページに飛ぶので、他の区間(関西~中国、中国~博多など)を選ぶ場合は、以下のように操作します。
①下の画像のように「中国発」となっている部分をクリック。
②中国地方~小倉・博多の場合は「九州着」を、中国地方~関西の場合は「関西着」を選択。
※「九州着」「関西着」でも、それぞれ九州発、関西発の切符を購入することができますのでご心配なく。
今回は、関西→博多の区間で発券してみようと思います。
上のバナーリンクに飛んで、「関西発」の「九州着」になっているのを確認して、ページを下に繰っていくと
このように、関西→福岡と、福岡→関西のそれぞれを選択する画面が出てきます。
今回は上の、「関西⇒福岡(博多・小倉)」をクリックします。
この記事を書いているのが2021年11月16日なので、このページでは、11月17日以降の予約ができるようになっています。
※翌月以降の予約をしたい場合は、左下の赤枠で囲った部分で、乗りたい月を選択します。
今回は、11月23日で予約をしてみます。日付をクリックすると、画面が遷移するので、そのまま下に繰っていきます。
「参加人数」と「片道か往復か」を選びます。今回は「大人1名」「片道」にしました。
そのままページを下に進めると、乗車区間を選択する画面になります。
今回は新大阪から博多にしました。別の駅から出発にすると若干安くなります。
次はいよいよ、列車選択の画面です。今回は朝8時以降で検索してみます。
こういう風に候補がいくつか出てきました。一番上の、新大阪を9時32分に出発する「こだま847号」を今回は選択します。
第3希望まで列車は選択できますが、空席があるのであれば第1希望だけを選ぶので問題ありません。
ここから更に下に画面を進めると、「ポチッとギフト」を選ぶ画面になります。
今回は7プレミアムのお茶にしました。
このまま画面をスクロールすると、規約を確認して決済申込の画面に進みます。
決済はクレジットカード以外にも銀行振り込みなども使えますが、銀行振り込みなどは出発の1ヶ月以上前までしか使えません。ばり得こだま・ひかりの申込を1ヶ月以上前からすることは稀だと思うので、決済は事実上、クレジットカード一択だとお考えください。
カード決済を終えると、「予約成立」のメールが日本旅行から届きます。
また、切符の受け取りができるようになると、以下のような内容のメールが届きます。
本日よりご予約いただきましたご旅行のJR乗車票類を駅で発券で
きるようになりました。
JR乗車票類は指定席券売機にて、以下のいずれかの方法でご自身で発券していただきます。
① QRコード
② JR認証番号・JR引取番号の入力
上記QRコード、およびJR認証番号・JR引取番号はマイページでご確認いただけますので
下記のいずれかの方法で取得してください。
(1)印刷
(2)QRコードをスマートフォンで保存
あとは、乗車までに発券して、「ポチッとギフト」を受け取って乗車するだけ! 山陽新幹線の旅をぜひ楽しんでください。
※今回の説明では省きましたが、予約時に座席の指定もできます。
バリ得こだま・ひかりを往復で使うには?
バリ得こだま・ひかりは、片道の旅行商品ですが、当然ながら往復で利用することも可能です。
ただ、その方法はきわめて原始的で、「片道の切符を2枚買いそろえる」というもの。
普通の切符を駅の窓口で買うときのように、一度の申込みで往復切符を買えるわけではないので、まず往路の切符を購入してから、再度バリ得こだま・ひかりのトップページに移動して、今度は反対方向の列車を別の日(あるいは当日)で、再度予約しましょう。
※日程や所要時間を考えると、バリ得ではなく、パックツアーを申し込んだほうが安くて時間が短いこともあるので、そちらの申込み方法についてもまとめておきます。
【大阪~広島】日本旅行のパックツアーの申込み方
まとめ
今回は、山陽新幹線内のこだま・ひかりを使って格安で移動できるツアー企画の「バリ得こだま・ひかり」を詳しく紹介しました。
私が今回実際に利用してみて思ったのは、時間がある方にとってはとてもお得で利用しがいのある企画切符だ、ということです。
忙しい方にはなかなか利用する機会がないかもしれませんが、ぜひ一度、機会を作って利用していただければと思います。
※バリ得こだま・ひかりで利用してみたいお得な列車(座席)は、こちらの記事で解説しています。
【徹底検証】バリ得こだま・ひかりで乗り得の列車・区間3傑はこれだ!
【孤高の存在】山陽新幹線の即達ひかり531号・592号のグリーン車で関西~九州を移動する
※今回紹介した、山陽新幹線内のひかり号についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
もはや絶滅寸前!山陽新幹線内を走る「ひかり」号のバラエティの多さを改めて徹底解説!
消滅寸前のひかりレールスターについてはこちらの記事で。関西~九州は、この
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