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通勤特急「らくラクはりま」に初乗車!大阪から加古川まで着席保証で優雅に移動してみた

2019年の3月から、東海道・山陽本線の大阪~姫路間で運転を開始した、特急「らくラクはりま」号。それまで、純粋な通勤特急として大阪と神戸・播州を結ぶ列車はなかったため、当時話題になったことを覚えておられる方も多いのではないでしょうか。

 

今回、その特急列車に初めて乗る機会がありました。実際に乗ってみての感想や、駅の状況をまとめていきたいと思います。

 

目次

らくラクはりまの特徴

「らくラクはりま」は、日中は新大阪・京都~白浜・新宮間で使われている、くろしお用289系を「間合い運用」して使っている、通勤輸送用の特急列車。

 

姫路から大阪には、平日の朝の時間帯に。逆の大阪から姫路方面には、その日の帰宅ラッシュの時間帯に合わせて運転されています。つまり、夜に姫路に向かった列車がそのまま夜を明かして、翌朝の姫路発大阪行きの列車に使われる、ということですね。

 

姫路発の列車は、姫路を6時21分に出発して大阪には7時21分着。姫路方面行きは、大阪を19時4分に出発して、姫路には20時8分に到着。

 

同じ区間を走る新快速と比べて、停車駅の違いは「尼崎と芦屋に止まらない」だけで、所要時間もほぼ変わらないことから、大阪と神戸以西の通勤輸送で、「確実に座って移動できる」ことをウリにした特急列車と言えます。

 

2020年7月からは全車指定席に。気になる特急料金は?

運転を始めたとき、「らくラクはりま」は、普通車指定席3.5両、グリーン車指定席0.5両、自由席2両という編成でした。

 

しかし、2020年7月からは、自由席が廃止されて、この2両が普通車指定席に。公式発表では「コロナの状況の中で確実に着席できるため」という案内が、全車指定席化の理由として書かれています。ただ、もともと6両編成というのが有料通勤輸送に対しては(特に、もともとクロスシートが導入されている新快速が走っている関西圏内では)、やや供給過剰気味だったことは間違いなく、この「指定席化」は、実質改悪と言えるかもしれません。

 

気になる特急料金ですが、大阪~姫路間で通常の普通車指定席料金は1490円。かつて導入されていた自由席でも970円で、いくらリクライニングシートに確実に座ることができる、といえど、やや割高に感じる料金ではありますよね…。

 

実は、らくラクはりまは実質的に「チケットレス特急券で乗ってください」と言わんばかりの列車なのです。

 

それが、JR西日本の「e5489/J-WEST チケットレスサービス」ですね。

 

これは、J-WESTカード(クレジットカード)、あるいは普通のクレジットカードで、e5489のサイト(おでかけネット)から特急券を購入すると、割安になる、というサービス。

 

具体的にどれくらい安くなるのかというと、「乗車前日・当日の普通車指定席に限り」なんですが、大阪~姫路間が730円、大阪~加古川間が630円という料金。普通に窓口や、みどりの券売機で購入するより、(大阪~姫路の場合)半額以下になるんですよね…。

 

2020年9月末までは「お試しチケットレス特急券」という名前だったと思うんですが、それ以降は「J-WEST以外のクレジットカードでも利用できる」という条件に改善され、普通のクレジットカードを持っていてもこの料金で利用できるようになったんですね。

 

正直なところ、大阪~姫路で指定席730円だった買ってもいいかな…と思える額ですよね。

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実際に大阪から加古川まで乗ってみた

今回の乗車は、大阪から加古川まで。どうせなら姫路まで乗ってもよかったのですが、特急券が100円安くなるのと、この後再度大阪に戻って、Aシートにも乗ることにしていたので、列車のダイヤなどを考えて、加古川まで乗ることにしたわけです。

 

ちなみに、Aシートの記事はこちら。

新快速のAシートに乗ってみた!運行時間や利用時の注意点、使ってみた感想は?

 

らくラクはりまは、大阪駅4番線ホームから出発。このホーム(3番線と合わせて)は、サンダーバードやこうのとり、新快速、丹波路快速(と宝塚方面快速)といった、優等列車専用のホームなんですが、18時50分頃にそのホームに行ってみると…

 

電光掲示板の表示がすごいんですよね。

らくラクはりまの出発4分前に、同じホームから網干行きの新快速が出発するんです。

 

ということは、らくラクはりまの入線は19時1分以降…。

 

これ、びわこエクスプレス1号の米原駅での状況と同じなんですよね…。

【平日限定】米原から大阪への一番列車・びわこエクスプレス1号のグリーン車に乗ってみる

そして更に。

らくラクはりまの出発3分後には、同じく網干行きの新快速が隣の3番線からまた出発…。

 

しかもこの列車は、大阪駅始発で、らくラクはりまの(そして、19時に出発する新快速の)入線前に、ホームにて客扱いを始めます。

 

つまり、大阪駅に早めに到着しておけば、この19時7分の新快速に座れる可能性が高い、ということなんですよね。

 

この、7分間に3本の列車が走る超過密ダイヤに併せて、いくら「着席保証」のらくラクはりまと言えど、このスジだと、後続の新快速の利用にお客さんは流れるんじゃないか……と、思わずにはいられませんでした。

 

ちなみにこれは、15分前の、18時45分発と18時52分発の新快速の並びの写真。18時52分発の列車は大阪始発なんですけれど、この時間帯でも、これだけホームがガラガラなんですよね…。

 

これだと、わざわざらくラクはりまに乗るか?と言われると、ちょっと微妙な回答をするしかないな…というのが、私の率直な感想です。

 

で、19時に新快速が出発してすぐ、らくラクはりまが入線してきました。

入線時刻は19時1分の45秒くらいでしょうか。出発まで2分くらいしかなくて、本当に慌ただしい…。この時間帯は帰宅をする方も多くおられるので、そもそも列車の撮影に向いていないんですよね…。

列車のロゴはこんな感じ。スマホ撮影だと光過ぎて、いまいちロゴが分かりません…。

大阪出発時点での乗車率は、私が乗った車両で15~20%。他の車両はよく分かりませんが、大差ないのではないかと思います。

座席と、リクライニングシートを最大限倒したときの様子。リクライニングの角度は、Aシートの方が大きかったように思います。

日中は「くろしお」として運転されているので、和歌山県沿岸の災害発生時の案内シートが、シートポケットに入っていました。

 

同じ列車の後ろ側で、酒盛り(?)をしている会社帰りの方がいました。こういう状況なので、コンビニでお酒とおつまみを買って車内でくつろぐ、というのは、案外合理的なやりかたなのかもしれませんね。

 

列車は三ノ宮、神戸、明石、西明石…と停車。半分以上のお客さんが、西明石より手前で降りていきました。三ノ宮は特急利用だと短すぎると思いますが、明石、西明石あたりだと適度な移動距離(時間)を快適に過ごせるので、いいのかもしれませんね。

 

加古川到着前の車内の様子。乗客はほぼ乗っていませんでした。

 

加古川で降りたときに、グリーン車に1名乗客がいた以外は、普通車でも数えるほど。金曜日だったらもう少し多いのかもしれませんが、私が乗ったのは木曜日だったので、これくらいの乗車率でも不思議ではありませんでしたね。

 

加古川を出発したらくラクはりまは、終点の姫路までもう一走りしていきました。

 

まとめ:たまに乗車する「ごほうび列車」としての役割が大きい?

今回は、大阪と播州を結ぶ通勤特急列車「らくラクはりま」についてまとめました。乗ってみた感想ですが、普通に特急券を買うと高いことと、この記事を書いている2020年11月現在では、コロナのこともあって通勤移動をする方が普段より減っているので、前後の新快速を使っても座れることが多く、チケットレス特急券で700円ほど払って乗るには、やや意義を見いだせない列車なのかな、と感じました。

 

帰宅の間にお酒を飲んでくつろぎたい(居酒屋に行く時間を省略したい)、確実に座って読書や副業に取り組みたい、という方にとっては利用意義のある列車ですが、あくまでたまに利用する「プチ贅沢」を味わうための列車なのかな、という立ち位置にある列車なのかな、と思いました。

 

<併せて読みたい関西の通勤ライナー列車紹介記事>

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