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化学系特許明細書での頻出単語「Bu」

Bu=ブチル基。

間違いなくこの略語は頻出だ。

 

ただ、一口に「ブチル基」といっても、以下のように幾つか種類がある。

n=normal(ノルマル)のn。

sec=secondary。

tert=tertiary。

 

tert-ブチル基については、3つのメチル基のかさ高さの関係で、α炭素(官能基の隣の炭素。ここでは、-CH-の炭素)は他の試薬による攻撃を受けづらい。

 

そのため、反応性の低さ(=安定性)を利用して保護基として用いられることもある。脱保護には、トリフルオロ酢酸または4規定塩酸-酢酸エチル溶液などを作用させる。

 

なお余談であるが、tert-ブチルシクロヘキサンでは、tert-ブチル基がアキシアル位となると立体反発が起こるため、回転ポテンシャルが優位なエクアトリアル位をとるようになる。

アキシアル位エクアトリアル位に関しては、「マクマリー有機化学(上)」の113頁前後に詳細にかかれてある。

本書より簡単に抜粋すると、こういうことである。


 

製薬系の明細書ではどれを指すのか?ということになるが、他に断りがない限りn-ブチル基と考えてよい。他のブチル基であれば、s-Bu(sec-ブチル)、i-Bu(イソブチル)、t-Bu(tert-ブチル)のように別に表記や断りが出てくる場合もある。

ただし、保護基とて用いられているのであれば、tert-ブチル基であろう。これは明細書の他の部分の説明との兼ね合いによるので、ここだけで断言することはできない。

 

 

マクマリー有機化学(上)

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