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令和3年度弁理士試験・短答を受験して考えたこと(受験の動機等を含む)

2021年、令和3年度の弁理士試験の短答を受験してきました(7月18日)。

 

受験が終わった当日ではありますが、弁理士試験受験の動機などについて、まとめられるうちにまとめたいと思ったので、今日書くことにしました。

 

 

弁理士試験受験の動機

まず、弁理士試験の受験を考えたのが前年(2020年)末のこと。そして勉強を始めたのが2021年1月の20日。今でも日付は忘れません。

 

さて、なぜいきなり弁理士資格の受験に挑んだのか?ということについてですが、大きく3つの理由がありました。

①ずっと続けている特許翻訳の仕事に、正直飽きがきていたから。

この仕事を始めたのは2015年の4月(勉強を始めたのが2014年の秋)で、このブログを書いている時点で7年少しの年数を、主に外内の特許翻訳としてのキャリアに充ててきました。

この間、「場所に囚われずに仕事ができる」という良さを最大限に生かして、2016年の7月(奇しくも、弁理士短答を受験した日付と同じ7月18日)から、2020年5月まで、約4年にわたって、「自分の住みたい場所に住む」という夢を実現して、ヨーロッパはポーランドとハンガリーで生活をしてきました。

そういう意味で、特許翻訳というのは、自分に取っては人生の原動力(経済的な意味で)だったのは間違いないのですが、正直7年も仕事を続けると、「同じことの繰返し」になることも多いわけで………。

 

そういう「マンネリ化」の経験は、これまでも3回くらいはあったのですが(笑)、今回は日本にいて、特に仕事以外にやることがない、というのも理由としては大きかったですね。

 

②「付き合う人を変えたい」という理由があったから

これは、弁理士資格とは直接関係のある話ではないのですが、今の仕事の相手で、1つ、「どうしても関わりを切りたい」というところがありました。

端的に言えば、そこだけ条件が悪い一方で、他の取引先よりも先に予定を埋められることが多く、今まではなあなあで仕事を請けていたのですが、正直「貧乏暇無し」というか、他の取引先の条件と比較すると、この相手との仕事で、同じ額を稼ごうとすると、2倍程度時間を余計に使わないといけず、正直「どのタイミングで切ろうか」ということを、以前から思案していました。

 

ただ、「付き合う相手を変える」にも、自分なりに正当な理由というか、それなりの理由付けが必要で、その理由付けとして「弁理士試験の受験勉強」を使いたい、と思ったのです。

 

すごく雑な言い方をすると、「優秀だけれど集客力のないフリーランサーを知名度を盾に買い叩く、薄利多売の商売をしている何の専門分野も持たない仕事相手」との付き合いを断ち切るためには、「きちんとした強みを持って、国家資格を突破して自らの力で事業をされている弁理士の方々(知財界隈)と付き合う必要がある」と思ったのです。

 

そうすることで、自分の「付き合う人」が変わって、仕事の仕方にも変化があるだろう、と。

 

「水瓶には大きな石をまず入れろ」じゃありませんが、買い叩きをする相手に対して時間を割きがちになると、どうしてもそちらとのやりとりを優先しないといけませんし、脳みそのメモリも食われます。

 

そういう状態から脱却するために、弁理士試験の勉強、という「大きな石」を、自分の水瓶に突っ込んだわけですね(あとは、外内翻訳でそれなりに稼いで、当面の貯金も確保できているので、そういう「条件の悪い」仕事を請ける必要はないのと、そのお金を投資に回したかった、というのもあります)。

 

これは受験を始めてからの結果論ですが、付き合いを切りたいと思っていた相手とは上手いこと(?)縁が切れて、かつてお世話になっていた、より条件の良い相手との仕事が復活するなど、直接因果関係があるわけではありませんが、「勉強をしてよかった」と思える出来事がいくつかありました。

 

ちなみにですが、弁理士試験の勉強を始めてから、Twitterでも弁理士の方や受験生の方との関わりが増え、「付き合う人は大きく変わった」と実感しています。

 

③時間を有益に使うクセを作りたかったから

これも理由としては大きかったですね。

もともと、知的好奇心は強いほうなので勉強に時間を使うことは多かったのですが、上で書いたように「マンネリ化」が進んでくると、どうしてもダラダラと時間を使うことが多くなりがちでした。

 

最近だと、YouTubeで延々と動画を見たり、タブレットでゲームをしたり、といった感じですね。

 

別に、動画を見たりゲームをすること自体を自分でも否定するわけではないのですが、さすがに「そればかり」になってしまうことに対して危機感が芽生えてきました。

 

というのも、弁理士試験の勉強を始める前に、住んでいる地域で緊急事態宣言が出て、誰とも会えないし、自分1人の時間がこれまで以上に増えることになったんですよね。

 

その時に、将来のことを考えると「これから数年後、それなりに仕事をして貯金が数百万増えただけで、残りの時間をゲームやエンタメに使っていた」自分を想像すると、絶望しか感じられなかったわけで。

 

そういう自分を脱却したい、という思いもあって、「1日のうち、ある程度の時間を勉強に使う」というクセを取り戻すために(勉強の習慣を再度身につけるために)、弁理士試験の勉強を始めた、というのもありました。

 

 

半年の勉強で短答を受験した感想

そういういきさつがあって、約半年、弁理士試験の勉強をして短答を受験してきました。

受験の手応えとしては微妙で、どれだけの点数を取れたかどうかに関係なく、「条約と著作権・不正競争防止法の勉強は面倒くさいな」と思ったのが、正直なところでした。つまり、言い方を変えると、特実意商の勉強は楽しかった、ということです。

 

弁理士試験の特徴として、特実・意・商・条約・著不の5分野60点のうち、各分野毎で4割以上の点数を取らないといけないのですが(これに達しないと足切り)、今回受験して、条約と著不はこのラインに達しているか微妙と思ったのと、一方で、最低4割を取るために勉強をすること(=短答に合格すること)で、「自分の人生はよりよくなるのか?」とも思いました。

 

弁理士試験の受験の流れとして、短答合格(65%以上の正答率)、必須論文合格、選択論文合格(これは、理系の院を出ていたりすると免除される)、と3段階をクリアして口述試験を突破した上で、晴れて弁理士となれるわけですが(その前に修習?という研修とかもあるようですが)、自分の場合、この段階を突破するために投資する時間(リソース)に対して、リターンが見合わない可能性があるなあ、とも思いました。

(これは、自分が文系出身のため、弁理士資格を取って特許関係の仕事で、翻訳以外の上流の仕事もできるようになった場合の、年収の上げ幅がどの程度なのか、というのが不明瞭である、というのも関係あります。)

 

理系卒なら、弁理士になることで年収が2000万円とかになる可能性もあるとは思うのですが、文系卒の自分がそこまでの上げ幅があるのか、というのと、仮にそこまで稼いだとして、「自分は今よりも幸福になるのか」というのがよく分からない、というのが理由としては大きいですね。

 

正直な話、小遣い稼ぎ、というか、マイクロ起業として元請けとなる収益源はこれまでにいくつも作ろうと試行錯誤してきたので、「弁理士になるよりも、別のところで平均以上を取って上手くやる」ほうが、簡単だし伸びしろがあるんじゃないかな、とも思いました。

 

まあこれに関してはすぐになんとも言えないのですが、結婚して今以上にお金が必要になる、という場合でも、資格を取るためにリソースを投入するのは戦略としてあまり賢くないように思っているので、そういう根幹から考え直す必要もあるかな、と思いました。

 

とは言え、論文の勉強そのものはしたいとも思っていて、結局自分は、「資格取得に関係なく、勉強によって新しい世界を知り、知的好奇心を満たす」というスタイルの勉強が好きなんだな、ということにも今回気づきました。

 

 

まとめ

というわけで、「思い立ったが吉日」ではありませんが、弁理士試験の勉強を始めて半年で短答を受験した当日に、頭の中に浮かんだことを自分なりに整理してみました。

 

正直なところ、軍資金はそれなりにあるので、別のところに使ってみるほうが面白いことが起こるのかな~、とも思っています。だって、受験勉強って12年くらい前に経験しているわけですしね。「人生にはステージがある」と思っていて、今自分はそのステージにいるのか?ということも含めて、きちんと内省する必要もあるかなと思っています。

 

※弁理士試験の勉強を始めてから半年で受験するまでの間、具体的にどういう勉強をしていたかについては、こちらの記事にまとめています。

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※勉強は、完全な独学ではなく、オンライン予備校資格スクエアを利用して進めました。詳しい解説はこちらの記事で。

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