2021年の3月ダイヤ改正で、「湘南ライナー」を格上げする形で誕生した、特急「湘南」。
生まれも育ちも関西出身の私にとっては、前身の湘南ライナーを含めて東海道特急にはなかなか乗る機会がありませんが、先日東京に行く機会があったので、併せて乗ってきました。
実際の車内の様子はどんな感じなのか? 特急券のお得な買い方といった情報についてまとめたいと思います。
目次
今回乗車したのは湘南「13号」小田原行き
特急湘南は、下り列車は18時ちょうどに東京駅を出発する「1号」に始まり、21時までは30分ヘッド、21時以降は1時間ヘッドで運転され、私が乗ったのは21時に出発する「13号」。
このダイヤ改正で、湘南15号が東京駅を22時に出発することになるため、それまで同時刻に東京駅を出発していたサンライズ出雲・瀬戸の時間が10分繰り上がって、21時50分発になったことも、鉄道界隈では話題になりましたよね。
「湘南」の列車は、踊り子と共通でダイヤ改正に伴い改正・転属されたE257系2000番台、2500番台。もともとあずさ・かいじ用として使われいた0番台と、房総特急用の500番台を組み替えて、9両あるいは14両編成の車両としたものです。
私が利用した13号は9両編成で、下り「湘南」はすべて小田原行き。
9番線ホームにやってきたのが20時40分頃で、「湘南」の前に品川行き「ひたち」が20時44分に出発していきました。
「湘南」が入線してきたのは20時50分になる手前頃。品川方面から入線してきてまもなく車内に入れるようになりました。
列車は品川寄りのホームギリギリに止まるので、先頭車の撮影をするのは難しいです。9両編成の場合は後ろ側のホームに余裕があるので、先頭車を撮影したいのであれば後ろ側にいきましょう。
先頭車の運転席後ろ側までは白色の車体ですが、そこから中間車はすべて青色が基調となっています。カラーリングも以前と大きく変わって、かつて甲州路や房総半島を走っていたときの列車の面影はありません。
今回は大船まで乗車。えきねっとアプリで買える特急券が格安でむしろお得(期間限定)
特急「湘南」は、東京・品川と大船以東の神奈川県内の主要都市を結ぶ役割を果たしている通勤特急。そのため、以前の湘南ライナー時代と同様に、横浜駅はすべての列車が通過または非経由となります。
そのため、この乗車時に東京で宿泊する私は、東京まで戻る必要があるため、品川を出て一番最初の停車駅である大船まで乗車をすることに。「湘南」だと37分前後で、東京から大船まで行くことができます。
ここで知っておきたいのが、えきねっとのモバイルアプリで買える「チケットレス特急券」。
「湘南」の特急券の仕組みは、すでに数年前から導入されている「あかぎ」「あずさ」などと同様で、全席指定かつ事前料金と車内料金が違う、というもの(後者は、首都圏グリーン車自由席と同じ仕組みですね)。また、事前料金は「指定席券」と「座席未指定券」の2種類があり(料金は同じ)、「満席だけれどどうしてもこの列車に乗る必要がある」といった場合などに、座席未指定券を購入することになります。
「湘南」の場合は、50kmまで/50km超100kmまで、という2通りの料金体系に加えて、事前料金と車内料金の2通りがあるため、合計4通りの料金区分となっています。
それが以下の通りです。
50kmまでの事前料金 760円 (東京~大船/品川~辻堂)
50kmまでの車内料金 1020円
100kmまでの事前料金 1020円 (東京・品川・新宿~小田原)
100kmまでの車内料金 1280円
また、これらは事前に窓口や券売機で購入する金額で、これとは別に、えきねっとのモバイルアプリで事前に座席指定をして購入すれば、上記の事前料金から100円引きとなります。つまり、760円が660円に、1020円が920円になります。
さらに、2021年9月末までの期間限定キャンペーンとして、えきねっとのモバイルアプリを使って特急券を買った場合、通常の100円引きが300円引きになります。ということは、9月いっぱいまでは760円が460円に、1020円が720円になりますね。
460円という特急料金は、他の私鉄特急に匹敵する1区間の特急料金です。正直な話、この制度を使わない手はないでしょう。
なお、正規特急料金ですが、「50km以内の760円」というのは、グリーン車自由席の平日事前料金である「50km以内780円」と比べても安いんですね(「湘南」は、平日のみ運転なので、グリーン車自由席の休日料金と比較する必要はなし)。
ですので、東京から大船、品川から辻堂まで(あるいはその逆)乗車するのでしたら、着席できるかわからないグリーン車自由席に乗るよりも、事前購入だと確実に着席保証がされている特急「湘南」を利用するほうが、格段にストレスフリーですし、さらにお財布にも優しい、と言えるでしょう。
また同様に、100km以内の区間でも、平日のグリーン車自由席と比べて、事前料金だと20円の差しかありません(こちらは「湘南」のほうが20円高い)。ですが、こちらも同様に、確実に着席できることに20円を払う、と考えれば、そして、停車駅が少ないことで移動時間も節約できると考えれば、十分に利用価値があると言えるでしょう。
正規料金でこれなのですから、えきねっとのモバイルアプリ料金だと、グリーン車自由席よりも、どの区間においても安くなります。特急「湘南」の場合は運転時刻が限られている、というデメリットはありますが、停車駅沿線にお住まいの方であれば、グリーン車自由席を使うのではなく、こちらを積極的に利用するのも手ではないでしょうか。
スポンサードリンク
実際に乗車してみた
さて、以下は簡単な乗車記です。
私が「湘南13号」の特急券を買ったのは、当日19時頃にモバイルアプリから。そのときは、座席指定した車両は他がすべて空席だったのですが、当日乗車口で並んでいると、何名かちらほら待っている方がいました。
「湘南」「踊り子」では、天井にあるランプの色で座席が空席かどうかがわかります。青色は乗客あり、黄色は次の駅から乗客あり、赤色は乗客なし、となっているので、座席未指定券を持っている方や、特急券を買わずに乗車した方は赤色のランプが点いている座席に座って、検札を済ます必要があります。
東京駅出発時点で、私の乗った車内で青色に点灯していた座席は3割もなかったと思いますが、事前に券を購入していない方も多くいたようで、品川駅到着前までにそれらのランプが青に変わって、4割ほどの乗車率に。
品川ではさらにお客さんが乗ってきて、5割弱の乗車率となっていました。
少しわかりづらいですが、ランプの点灯状態の写真。窓側が9割埋まっていて、通路側は基本的に赤色、という状態でした。
背面テーブルは大きめ。「踊り子」で駅弁を食べるには十分な大きさでしょう。
ランプの説明があるのに加えて、リクライニングの説明もありました。背もたれが倒れるだけじゃなく、イス部分もスライドさせてちょうどよい角度まで調節できるようです。
やや年期の入ったスライド装置部分。
コンセントは窓側に付いていて、2席に1つ。いつも思うのですが、そろそろ普通のコンセントじゃなくて、USB端子に変えるか、それを併せて付けるほうがいいと思うんですよね…。
コンセント使うのってパソコンくらいですし、スマホの充電とかも最近はUSB端子を使う場合が多い(というか、USB端子をコンセントの形状に変えるパーツもありますが、それを持つと荷物が増える)ので、ちょっと世間のニーズに合っていないんじゃないかと思います。
コート掛け、ジャケット掛けもありました。
大船駅降車直前での車内のようす。乗車率が思った以上に高くて正直驚きました。
しかし、車内で改札する人もいて、ちょっともったいないなあ、なんて思いました。
出入り口付近にあったくずかごと洗面所です。
東京から大船まで約37分、特急での快適な移動ができました。
まとめ
今回は、ダイヤ改正で誕生した特急「湘南」の乗車記と、えきねっとでのお得な特急券の買い方をまとめました。車両も新しいものになって、正直以前の湘南ライナーよりも快適性が増したと思います。
場合によってはグリーン車自由席よりも安い料金で着席保証が付いてくるので、うまく活用してみると、これまで以上に快適な移動が実現するかもしれませんね。
<併せて読みたい記事>
サフィール踊り子2号のプレミアムグリーンに伊豆急下田から東京まで乗ってみた
湘南ライナーに惜別乗車!12号グリーン車で小田原から東京を目指す
意外とお得?臨時特急マリンエクスプレス踊り子号の魅力を語る
あなたにおすすめの記事はこちら!