※今回の記事は、税務の専門的な話に関係するため、個別具体的な内容は税理士さんや国税庁におたずねください
この10月から、インボイス制度が始まりますね。
私は、簡易課税方式で登録(番号取得)をすることにしました。厳密に言うと、この3月から法人化をしたので、個人ではなく法人でインボイス番号を取得していますが…。
さて、未だに、インボイス制度に登録をするかしないかで迷っている翻訳業の同業の方がおられるかと思いますが、個人的には「簡易課税方式で登録」の選択しかないと思っています。
理由は簡単です。
まず、従前の方式(年間の課税売上が1000万円以下)の場合だと、売上とともに請求した消費税は納める必要がありませんでした。
ですので、例えば年間売上が消費税込みで880万円だとして、ここから経費で、消費税込み330万円を支払った場合(こんなに経費使うのか、という話は置いといて)、手元に残るお金は差し引きした550万円です。
これが、インボイス制度に簡易課税方式で登録するとどうなるか?という話ですが、翻訳業はみなし仕入率が50%と定められています。ですので、同じ880万円/年の売上と、330万円/年の経費があったとすると、本来納める消費税は、課税売上にかかる消費税80万円の50%で、40万円ということになります。
簡易課税方式の場合、この方法で計算される消費税額と、実際に支払っている消費税額の差を納めればいいので、40万円ー30万円で、差額の10万円を納める手続きをすればいいことになります。
ですので、インボイス制度開始前と開始後で、(事業において)手元に残るお金は、上記条件の場合は10万円だけです。金額でいうと、色の付いていない(自由に使える)お金が、従前は550万円だったのが540万円に減る、ということですね。
これを、インボイス制度に登録をせずに、消費税の請求を行わないようにするとどうなるか?という話ですが、売上800万円に対して経費330万円(経費には、消費税がかかるのがポイントですね)となるので、手元に残る額は470万円ということになります。
なので、この2つのケースを比較したら、インボイス制度に(簡易課税方式で)登録をするかしないかには、迷う要素はないと思います。
あるいは、年間の課税売上が1000万円を超えたら、否応なしにインボイス制度には登録をして番号を取得しないといけないので、悩んだり怒ったりする時間があるのなら、お金を稼ぐほうに振り切るのもいいと思います。
十分お金を稼いで当面困らなくなったら、こんなのしょーもない問題だと思うようになりますよ。
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