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翻訳業はノマドに向いているか

今回は「翻訳業」という仕事の環境について、書いてみたい。

「翻訳」と聞いて、皆さんはどんな仕事道具を思い浮かべるだろうか?

 

例えばパソコン。例えば書籍。例えば辞書。

最近は「ノマド」という言葉が流行・定着してきたのもあって、「翻訳だったらパソコン一台で仕事できますね!」と言われることも、多くなってきた。

 

しかし、である。

 

少なくとも私は、断言したい。「パソコン一台では、翻訳はできない」と。

これには幾つか理由がある。今回はその理由を列挙してみて、別の記事でそれぞれ詳しく書いていく。

 

①パソコンは大画面のほうがいい

 

これが理由の一つ目だ。

翻訳という仕事は、

・翻訳する元の言語の文章(例えば英語。原文という)、と、

・翻訳される言語の文章(例えば日本語。訳文という)と、

を両方パソコンで開く(今は、翻訳支援ツールという便利なソフトもある)のに加えて、辞書ソフトや検索画面(Google)、それに加えてクライアントへのコメントファイル(申し送り事項)などの各種ファイルも開くことになる。

要するに、多くの人が思っている以上に様々なソフトを立ち上げて、仕事に向かうことになる。

当然、パソコンの画面が大きい方が一度に複数のソフトを参照できるから、こちらのほうが効率が良い。

 

ノートパソコンであれば、15.6インチが最低必要で、これにデスクトップの液晶を外付けすることもできる。

デスクトップパソコンであれば、20インチを超える大型液晶を複数(二台)設置することもできる。

とにかく、軽さがウリのラップトップ一台では、話にならないことが分かって頂けるだろうと思う。

(ちなみに私は今のところ、部屋のスペースの関係もあって、15.6インチのノートパソコンにキーボードなどを外付けして使っている)

 

②プリンターが必要

 

翻訳業では、プリンターがマストアイテムだ。

例えば、自分が翻訳したファイルを印刷して、ミスがないか、よりよい成果物にすることはできないかを、推敲するのに、プリンターは必要だ。(パソコン上で確認をすると目が疲れるのと、ペンなどで追ってチェックできないため、見逃す場合が多くなってしまう)

他には、資料を印刷して一面に広げたほうが理解しやすい場合もあるし、勉強のために論文やホームページを印刷することだってある。

こういうわけで、プリンターが必要だし、必然的にそのスペースも必要になってくる。

 

③本棚が必要

 

これは、多くの方が翻訳業に対して抱くイメージなのではないか、と思う。

正解だ。

 

翻訳のジャンルにもよるだろうが、自分が担当する分野の本や辞書を何十冊、何百冊も本棚に置いて保管する必要がある。

例えば、私の本棚の一部はこのようなものだが、

有機化学、材料化学、金属学、生化学、法律、クレームドラフティングの本などを揃えている。

仕事の際にいちいち参照するわけではないが、勉強の際や隙間時間に手にとっては少し読み、ということをするので、少なくとも仕事環境には本棚と相応の本が必要だ。

 

いかがだろうか。これら3つの理由を挙げてみたが、これだけでも「翻訳業は(いわゆる)ノマドに向かない」ということがイメージして頂けるのではないだろうか。

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