北海道の玄関口である新千歳空港と、定番の観光地である札幌・小樽を結ぶ快速「エアポート」。新千歳空港に乗り入れる列車は事実上この列車しかなく、鉄道を使って札幌に移動する場合や、鉄道を使って北海道内を移動する際には必ずお世話になる列車です。
このエアポートには「uシート」という指定席も1両連結されているのですが、今回は、このuシートの混雑率や事前予約のコツ、また合わせて、自由席の混雑率や、その他利用する際に知っておきたいヒントを紹介していきます。
それでは順に見ていきましょう。
目次
エアポートは6両編成。指定席が1両で札幌・小樽を結ぶ
快速エアポートは日中15分おきに運転されている列車で、6両1編成の車両が新千歳空港~札幌・小樽間をひたすら往復しています。
15分おきに運転されるのは新千歳空港~札幌間で、小樽~札幌間は、新千歳空港・小樽共に「9時半から15時の間まで、30分間隔」での運転となります。
つまり、日中運転されるエアポートのうち、2本に1本が小樽まで延長して運転されている、というわけですね。
また、6両編成のうち4号車は「uシート」と呼ばれる指定席で、進行方向を向いたリクライニングシートと、シートピッチの広い余裕のある座席配置をウリにしていて、520円を払えば自由席よりも快適な空間を使って、新千歳空港や、札幌・小樽まで向かうことができます。
なお、このuシートのもう1つのウリは、札幌駅、新千歳空港駅ではエスカレーターのすぐそばに乗車口がある、ということです。キャリーケースを持っている場合などは、駅のホームに着いてから列車のドアの位置まで移動するのが大変ですが、uシートを利用すれば、余計な移動をせずにラクチンに空港アクセスができる、というわけです。
なお、uシートの様子はこんな感じ。
テーブルも小物入れ(ネット)も付いていて、特急車両の座席と変わりませんよね。これに指定席料金の520円だけを払えば乗れるのは嬉しい限り。
また、上の写真には私のリュックが下に見えますが、やや大きめのカメラバッグが足元に置けるのも、このuシートの魅力です。もちろん網棚も使えますよ。
そして、上の写真では分かりづらいですがチケットホルダーもあります。uシートは指定席のため、乗車券と指定席券の検札がありますが、このホルダーにチケットを差し込んで置けば、寝ていても改札を済ませることが可能です。
これが座席の外観。シートも厚みがあって座り心地は満足。
また、uシートの端には大型荷物置き場もあって、預け荷物サイズのスーツケースがあっても問題なし。その荷物置き場の横の座席にも、テーブルとチケットホルダーは当然ながら付いています。
uシートを予約するなら前日までが吉
さて、このuシートですが、当然ながら6両のうち1両しかあてがわれていないため、座席数がとても限られています(1つの列車で40席前後)。
そして、これはエアポートのuシート独特の特徴なのですが、当日空港に着いた人が新千歳空港の窓口で、あるいは当日空港に向かう人が最寄りの駅でuシートを購入するので、基本的には「前日までは空席が多いけれど、直前の列車では指定席が完売する」という傾向にあります。
これはなぜかというと、新千歳空港からエアポートに乗る人は、当然ながら飛行機の到着が早まったり遅くなったりするリスクがあり、そのため事前にuシートを購入しておいても、当日空港で時間を持て余してしまったり、逆に飛行機が遅れて予定の列車に乗れなかったり、という危険性があるからです。
そのため、当日新千歳空港に到着してから、その場ですぐに出発するエアポートのuシートを予約する、という行動を取る人が多くなります。
私も新千歳空港からエアポートに乗りました(南千歳までだったので自由席を利用)が、駅の案内を見ていると、次に出発するエアポートの指定席の空席は「×」、その次の列車の空席は「△」となっていました。
また逆に、新千歳空港に向かう人も、国際線の利用で2時間前に着く必要がある人であればまだしも、国内線の利用で、預け荷物もなく15分ほどで保安検査を通過するだけの人にとってみれば、空港に向かう時間をいつにするかは、案外当日の出発直前にならないと決められないものです。
そんなこともあり、新千歳空港行きの「エアポート」であっても、サイバーステーションなどで空席照会をしていると、前日夜の段階で「空席多い(○)」がほとんど、一部の列車で「空席僅か(△)」という表示がされるにもかかわらず、当日の出発直前(特に30分以内)に一気に指定席の購入がされて、出発時には「満席」となってしまうことが多いようです。
私は札幌から新千歳空港まで利用して、前日にuシートを確保しておきましたが、当日乗車すると車掌さんが「本日は満席です」というアナウンスをしていました。
そのため、確実にuシートに座りたいのであれば、新千歳空港から利用する場合は、空港到着から1時間ほど後の列車にして、それまでは空港のフードコートなどで時間を潰す(スケジュールに余裕がある場合)ようにして、空港に向かう場合は、預け荷物がなくても飛行機の出発90分ほど前には空港に着くような時間帯の「エアポート」の指定席を、前日までに確保しておくのがいいでしょう。
こうすることによって、確実に乗りたい列車のuシートを押さえることができます。
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エアポートに使われる車両によっては、自由席でもOK?
実は、エアポートには2019年6月現在、2つの車両が投入されています。そして実は、この車両によっては、無理にuシートを確保しなくても、自由席に座れれば快適、という場合があるのです。
現時点で「エアポート」に使われている車量は、昔から走ってる721系
と、2012年から投入された733系
の2種類です。
これらを比較したときの違いは、721系は自由席もクロスシート(進行方向を向いている、2人掛けの座席)で、733系はロングシート(通勤電車でよく見られる、レールと同じ向きの長い座席)となっている点。
もともと、古参の721系だけが「エアポート」に使われていたときは、uシートであろうが自由席であろうが、座れれば快適だったのですが、座席の構造上どうしても多くの乗客を捌くことができなかったため、新しく作られた733系については、uシート以外はロングシートにして、より多くの旅行者を空港~札幌・小樽間で輸送できるようにしたのです。
そのため、乗る列車が721系であれば、uシートに座れなくても、着席できればそれなりに快適なのですが………残念ながら、どちらの車両がどの「エアポート」に使われているかは分からず、また車両の運用の都合上、日によって変わる可能性もあります。
そのため、2分の1の確立でクロスシート自由席に座れることに賭けてもいいのですが、自由席は空港に行かない人も利用するため、こちらも確実に座れる、ということではありません。
やはり、どうしてもエアポートに乗って、uシートを使って移動したい、という方は、スケジュールに余裕を持って、前日までにuシートを予約されることをオススメします。
南千歳駅で函館や帯広方面に(から)乗り換える場合
さて、これはuシートとは関係ありませんが、「エアポート」に乗って、新千歳空港の次の駅、南千歳で、函館・帯広方面の列車の乗り継ぎをする場合もあるかと思います。
南千歳駅は2面4線の駅で、通常であれば進行方向側の2つの線路に、同じ方向に向かう列車が発着するのですが、ここは上手くできていて、新千歳空港からやってきたエアポートと、函館・帯広方面に向かう列車が、そして函館・帯広方面からやってきた列車と新千歳空港行きのエアポートが、同一ホームで乗り換えられるようになっています。
簡単な図にすると、以下のようになります。
-------------->(帯広、釧路、室蘭、函館方面に行く特急)
■■■■■■■■■■■■■■(ホーム)
<--------------(新千歳空港からのエアポート)
------------->(新千歳空港へのエアポート)
■■■■■■■■■■■■■■(ホーム)
<--------------(帯広、釧路、室蘭、函館方面から来た特急)
エアポートが入線するホームと、通常とは反対にすることで、逆方面へ(から)の乗り換えがスムーズにできるようになっているのが、南千歳駅の良さですね。
エアポートを使って、札幌には行かず南千歳から道南・道央を目指す人もいると思います。そのときは、南千歳駅で階段やエスカレーターの上り下りは必要ないので、予め覚えておいて損はないですよ。
まとめ
今回は、快速「エアポート」のuシートや、それにまつわる情報をまとめました。
たった520円を払うだけでワンランク上の座席に乗れる快速「エアポート」。空港からの長旅に備えて、積極的に利用してみるのは多いにアリではないでしょうか。
※快速エアポートを使って札幌入りして、廃止間近の札沼線(北海道医療大学前~新十津川)を乗りに行く場合は、こちらの記事を参考にして下さい。
エアポートの指定席も利用できる(条件あり)「北海道フリーパス」を徹底的に使いたい方は、こちらの記事もどうぞ。
今では鉄道ファン以外の人も沢山集まる、十勝地方のタウシュベツ橋梁を見に行く場合の詳しい情報は、こちらの記事にまとめています。
私は関西に住んでいますが、関空や伊丹空港ではなく、神戸空港からスカイマークを使って北海道に訪れることが多いです。
そのときの、スカイマークの機内の様子や神戸空港のラウンジの様子については、こちらの記事で詳しくまとめています。
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