2015年10月末で、JR西日本の特急「くろしお」の運用列車が、381系から289系に変わりました。
ぼくはお盆直前の8月中旬に、「混まないうちに」と思って、381系くろしおの乗り納めに行ってきたのですが、その時のことを今回はまとめます。
関西大回り切符を使う
鉄道好きの方ならご存じかとおもいますが、日本には四カ所「近郊区間」がありまして、その区間内だと、どんな経路を通っても「最短距離の運賃」で移動ができるんですね。
関西近郊もその一カ所でして、
この範囲だと、最短距離の運賃で移動ができます。
分かりやすく言うと、右上の「近江塩津」から左の「播州赤穂」まで、京都~新大阪~大阪~加古川、と移動してもいけますし、米原~草津~柘植~奈良~高田~和歌山~天王寺~大阪~加古川、というルートを使っても、切符の値段は変わりません。
これを上手く使ったのが「大回り切符」でして、例えば大阪から隣駅の新大阪(天満でも福島でも塚本でも良いです)までなら、別の路線を使ってぐるっと回っても、最安運賃で移動できるんです(ただしこれには、「途中下車はしない」「同じ駅、路線は二度と通らない」「その日の終電までに到着する」という三つのルールがありますが…)。
今回の乗り納めには、このルールを使ってみたんですね。
というのも、普通に特急列車に乗るのは、特急料金も含めて結構な値段がしますし、せっかくなのでパノラマクロ(クロ381)に乗ってグリーン車を体験したかったので、少しでもコストを抑えて利用したかった。
ということで、大回り切符の出番です。
近郊区間の利用に関しては、青春18切符と違って特急列車も使えますから(ただし、関西の場合、山陽新幹線の西明石~新大阪は使えず)、
隣駅までの140円の切符
を上手く利用しながら、
A駅からB駅までの特急券
を組み合わせて、運賃を極限まで安く抑えて特急列車に乗ることができるんです。
関西近郊だと、京都~和歌山の間を「くろしお」が通っているので、これに目を付けたわけですね。
ということで、事前に窓口では、「京都→和歌山のくろしお3号のグリーン指定席」だけを購入。これに当日、地元の駅から隣の駅までの切符を購入して、いざ「大回り」に出かけます。
これが大回り切符。
こちらが特急券(グリーン券含む)。
京都から和歌山までは特急で90分くらいの移動時間なんですが、グリーン車を使うと、特急券で4000円を超えるんですね。
(ちなみにくろしおは殆どが新大阪発着ですが、一日三往復だけ京都に乗り入れていて、「少しでも長く乗っていたい」というのがその道を行く者の掟ですから、今回は京都発で利用したのです。
なお、新大阪発では特急券が安くなって、たぶん2500円くらいでグリーン車に乗れるはずです)
さて、これが当日の京都駅での出発前の様子。
確か8時36分発でしたが、入線が8時30分を回ってからだったので、写真を撮る時間は殆どありませんでした。
ちなみにこの日はお盆の直前だからか、既に休みを取った人が利用して、自由席車両の入口は人だかりがものすごいことになっていました。白浜にでも行くんでしょう。
クロ381はフォルムが好きなんですけどね。国鉄型でこれだけかっこいいフォルムを持っているのは、この形式が一番でしょう。(まあ、これも改造車なんですが)
グリーン車の中はこんな様子。
上三枚は出発前に撮ったので、そんなに人は入っていませんでした。ただ、大勢の乗客は新大阪からの利用でした。
予約したのは1人がけの中程の席。さすがに、前面展望を楽しめる最前列は売り切れでしたね。
iPadが余裕で入ります。
カメラをズームして、前面展望を撮ってみましたが、さすがにイマイチです。他の乗客もいるので、最小限にしましたが。
上は和歌山駅に到着したところ。グリーン車の普段の乗車率は知りませんが、この時は時期が時期だけに9割を超えていましたね。
さすがに全員南に行くのか、和歌山で降りたグリーン車の乗客はぼく1人でした(笑)
あと、車両番号がまさかのエースで、これは嬉しかったですね。
289系に置き換わってからはどうなっているのか知りませんが、パノラマグリーンもなくなってしまいましたし(元オーシャンアローの283系運用だとありますが)、ヘッドマークもなくなりましたし、なにより「くろしお色」のエメラルドグリーンが、289系では帯にしか付いていないのが、個人的には物足りないです。
和歌山に着いた後は、橋本経由で地元まで帰りました。
関西だと、大回り区間の中だと
・京都~大阪(サンダーバード)
・京都~和歌山(くろしお)
は「大回り」でお得に乗車できるので、大回り+特急利用、というのも楽しみ方としてはありですね。
<合わせて読みたい>
オーシャンアロー車両で運転されるくろしお号のグリーン車に乗車したときの記録はこちら。
2016年3月の改正で運転が取り止めになった「大阪しなの」に、全区間乗ってきたときの記事はこちら。
びわこエクスプレス号のグリーン車に乗車したときの記事はこちら。
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