日本最北の場所と言えば、北海道稚内市にある宗谷岬。北海道の地図をよく見ると、稚内には2つ「先に出ている」場所がありますが、宗谷岬はその左側(東側)。右側にあるのは「ノシャップ岬」で、こちらは僅かな差で、日本最北ではありません。
そんな「日本最北」の宗谷岬は、稚内に行くなら必ず行きたい場所。北海道旅行では、レンタカーを使うかツアーを利用するか、という人が多いかもしれませんが、今回は青春18きっぷなどを使って、鉄道で北海道を回る人向けの情報として、公共交通機関で宗谷岬に行く方法についてまとめました。
目次
稚内からは宗谷バスが宗谷岬まで出ている
さて、最初に結論を書いてしまうと、稚内(稚内駅)からは「宗谷バス」というバスが、1日数本、宗谷岬との間に運行しています。
この宗谷バスは宗谷岬が終点ではなく、その先の浜頓別など、かつて天北線が走っていた地区を結ぶバス。鉄道はこれまでも宗谷岬には延びていませんでしたが、この宗谷バスを使うと、宗谷岬と旧天北線跡の両方を(運が良ければ)見て回ることができます。
稚内~宗谷岬は片道約50分
稚内と宗谷岬のバスダイヤは以下のとおりで、1日たったの7往復。
稚内 | 宗谷岬 | 宗谷岬 | 稚内 |
0545 | 0635 | 0721 | 0826 |
0838 | 0928 | 0829 | 0925 |
1022 | 1112 | 1017 | 1111 |
1320 | 1410 | 1156 | 1250(①) |
1620 | 1710 | 1451 | 1543(②) |
1815 | 1905 | 1756 | 1850 |
1944 | 2034 | 2106 | 2200 |
所要時間は、稚内から宗谷岬が50分ジャストで、宗谷岬から稚内までは52~65分と、バスによってまばら。若干、稚内行きのほうが時間がかかります。
ただ、7往復と言っても通勤通学用に運行されているものもあるので、稚内駅周辺に宿泊して宗谷岬を目指す、という旅行の場合、利用できるのは赤色にした4本ではないかと思います。
また、宗谷岬に行って、そのまま稚内駅に戻って鉄道で旭川や札幌まで行く場合、アクセスのいいバスは限られてしまいます。
稚内に12時50分に到着するバス(①)だと、13時05分に稚内駅を出発する「サロベツ4号」に乗って、旭川には16時48分に、そこで「ライラック」に乗り換えて、札幌駅には当日18時25分に到着します。
また、この後に稚内駅を出発する特急は「宗谷」で、こちらは17時50分に出発。ただ、この列車に上手く接続するバスがないので、15時43分に稚内に到着するバス(②)を利用して、稚内からはノシャップ岬まで、往復+散策で1時間ほど時間を潰すのがいいかもしれません。
①の場合、稚内駅での接続がたった15分になってしまうので、駅弁を買ったり、駅周辺で朝食を済ましたいという方は、1本前の、11時11分に稚内に着くバスを利用する必要があります。
そこから逆算して考えると、宗谷岬には50分ほどの滞在で回ることになりますね。
運賃はお得な往復切符で2500円
スポンサードリンク
さて、運賃は通常どおり支払うと片道1390円ですが、稚内駅に隣接するバスターミナルの窓口で「記念乗車券」を購入すると、2500円で稚内~宗谷岬間を移動できて、記念に切符の一部を持って帰ることができます。
これだと片道あたり1250円なので、140円×2=280円分お得になります。
稚内バスターミナルは稚内駅の隣にあって、屋外に出ることなく移動できます。間にお土産物屋さんがあるので、直接隣接しているわけではありませんが…。
このバスターミナルにはコインロッカーもある(200円)ので、キャリーケースを預けたいという方は使ってみるといいでしょう。
南稚内駅から宗谷岬には行ける?
さて、稚内で宿泊をする場合、稚内駅周辺だけでなく、南稚内駅周辺で宿泊をすることもあるかと思います。
この場合、稚内駅まで一旦鉄道で移動してバスに乗らないといけない…というわけではなく、南稚内駅前のバス停も、宗谷岬に行くバスは通過するので、そこから乗ることもできます。
そのバス停は「南駅前」というバス停で、いくつか同じ名前のバス停があるのですが、
この、国道40号線沿いにあるバス停が正しいバス停です。
バス停のすぐ隣には「イーグルアクア」というパチンコ屋さんがあるので、迷うことはないかと。
ただ、南稚内駅前のバス停では、往復記念乗車券を買うことはできません。この乗車券を買えるのは稚内バスターミナルの窓口だけで、しかも、この乗車券を使っても、南稚内(南駅前)~宗谷岬間の通常往復運賃より安いようなので、南稚内駅前で宿泊する場合でも、前日などに一旦稚内駅まで鉄道で行って、この記念乗車券を買っておくほうが、なにかと便利だと言えるでしょう。
なお、南駅前のバス停からバスに乗る場合、稚内バスターミナルを出発してから7分後くらいにバス停付近を通過するので、乗り遅れないようにしましょう。
スポンサードリンク
稚内駅前から宗谷岬に行ってみた
では、ここからは私の旅行記。
私は、前日に稚内まで鉄道でやってきて、「記念乗車券」を購入したあと南稚内まで移動。宿泊を南稚内駅前でしたのですが、宗谷岬に行く当日は、キャリーケースをコインロッカーに預けたかったり、「北海道フリーパス」の座席指定を稚内駅の窓口でしたかったので、朝8時過ぎに南稚内を出発する普通列車で、まずは稚内駅まで移動。
稚内駅前で20分ほど時間を潰して、8時38分発のバスで宗谷岬を目指すことにしました。
稚内駅前のバスターミナルには、乗り場が3つほどあるのですが、宗谷岬方面行きのバスはバスターミナル窓口のすぐ隣、セイコーマートも見える場所にある「1番乗り場」からの出発です。
この乗り場からは、札幌行き高速バスが8時30分に出発するので、それを見送ってから路線バスが到着しました。
6月の平日だったからか、乗客は私以外に2人ほど。このまま、ほとんどお客さんも増えることなく、宗谷岬まで進みました。
途中、進行方向左手には海を見て、右手には、ちらちらと天北線の廃線跡であろう場所を見ながら、50分ほどで定刻通りに宗谷岬に到着しました。
この写真から左方向を見ると、宗谷岬の碑があります。
晴れているとサハリンも見えるそうなのですが、あいにくの曇り空で姿を見ることはできませんでした。
私が到着したときは、ツアーバスでお越しのシニアの団体がいて、写真を撮影するのも一苦労。戻りのバスが50分後なので時間はたっぷりありましたが、最初の15分ほどはずっと、団体のお客さんがウロウロしていて、ほとんど写真が撮れなくて焦りました。
なお、記念碑の隣にはお土産物屋さんや、流氷保存館(?)もあって、50分ほどの待ち時間であれば、30分はゆうに潰すことができます。
クレジットカード利用可能、ということに驚きました。
マトリョーシカが販売されていたことにも驚き。日露友好を示したい、ということなんでしょうね…。
こちらが、流氷を展示している施設だったのですが、
気温が寒すぎて驚愕。旅行中は、6月と言っても日中の気温が15度を下回るほどの寒さだったので、それも相まって、この氷点下の温度は寒すぎました。
稚内方面行きの車線側には「日本最北のレストラン」「日本最北の宿」といったキャッチフレーズを謳った施設がいくつかありましたが、どれほど賑わっているのかは分かりませんでした。
このまま、10時17分のバスを待って、2分ほど遅れてやってきましたが問題なく乗車し、定刻より少し早い11時06分頃に、稚内バスターミナルに到着しました。
移動も含めて2時間半弱の旅行でしたが、日本最北の宗谷岬に行けたことは財産になりました。
まとめ
今回は、稚内、南稚内駅から宗谷岬までバスに行く方法についてまとめました。旅行で使える日中のバスは4往復で、バスターミナルで買える2500円の記念乗車券を上手く使ってみましょう。
どうしても時間が合わない!という方は、稚内駅近くで楽天トラベルのレンタカー(数社比較可能)を利用してみるのもいいですよ。
ちなみに、私は稚内駅まで「北海道フリーパス」を利用しました。このきっぷの解説はこちらの記事でしています。
あなたにおすすめの記事はこちら!