プロ野球の試合の醍醐味と言えば、大きく分けて「白熱の投手戦」と「乱打戦」に分かれると思います。
そんな中でも、たまに起こるのが「バカ試合」と言われる、1試合で片方のチームが20得点以上をたたき出す試合。10点くらいならよくありますが、何年かに1回起こる、「これって別のスポーツじゃない?」と思われても仕方のない20得点以上を記録したプロ野球の試合を、2000年以降に限定して10試合選びました。
当時のことを知らない方も、昔から野球を見続けている方も、楽しんで頂ければと思います。それでは、最近のものから順に見ていきましょう。
※ホーム・ビジターに関係なく、勝った球団を左側に載せています。
目次
①2018年4月25日 巨人-中日 20-4(前橋・上毛新聞敷島球場)
読売ジャイアンツが、球団63年ぶりに20得点を記録したのが2018年。群馬県の地方球場で開催された、巨人軍の主催ゲームで中日をぼこぼこにやっつけてしまいました。
中 日 0 0 0 1 1 0 0 0 2 – 4
巨 人 1 0 2 2 8 7 0 0 X – 20
中盤の5回6回で猛攻を続けて、この2イニングで15点を記録。たまにこういう試合を見ると、ファンとしてもスカッとしますね。
②2014年8月5日 阪神-ヤクルト 20-11(神宮)
初回から乱打戦になった試合で、5回終了時点で阪神が15-8とリードしながら、8回終了時点で16-11と、双方二桁得点を記録した珍試合。最後の9回表に阪神が更に得点を重ねたのは余分にも思えますが、いわゆる「打ち合い」を阪神が制した形になりました。
神 4 0 4 5 2 0 1 0 4 – 20
ヤ 0 1 2 2 3 0 0 3 0 – 11
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③2010年6月7日 オリックス-広島 21-10(福山市民球場)
2010年前後は、交流戦でパリーグがセリーグを打ちのめす試合もいくつか見られました。その中でもこの、ビジターであるオリックスが広島に21得点を記録した試合を覚えておられる方もいるのではないでしょうか。
この試合も、5回終了時まではオリックスが8-7という1点リードの乱打戦となっていたのですが、6回表に一挙8点を入れて勝負あった形になってしまいました。
オ 2 0 1 5 0 8 1 4 0 – 21
広 0 3 1 0 3 0 2 0 1 – 10
年に1度あるかないかの地方球場での交流戦で、ホーム側がここまで打ち込まれるのを見たファンの気持ちも想像に余りあります。
④2009年6月11日 ロッテ-広島 23-2(千葉マリンスタジアム)
2010年の前年、こちらも交流戦でパリーグがセリーグを叩きのめした試合。この試合は、ロッテが「1イニング15得点」という新記録を打ち立てた試合として、リアルタイムで見ていなかった方でもご存じの方は多いのではないでしょうか。
広 0 2 0 0 0 0 0 0 0 – 2
ロ 0 2 5 0 0 15 1 0 × – 23
この試合は、6回裏に先頭バッターだった大松が「1イニング3打席」という日本記録も打ち立てた試合で、ロッテファンや屈辱を受けたカープファン以外でも、耳にしたことはあるのではないでしょうか。
当時のことを知らない方もご存じの方も、こちらの動画をどうぞ。
⑤2005年3月27日 ロッテ-楽天 26-0(千葉マリンスタジアム)
2004年に起こった「球界再編」直後、楽天イーグルスがパリーグに参入した年の開幕ゲームから二試合目に起こった「伝説の試合」。
旧オリックスブルーウェーブと近鉄バファローズの「寄せ集め」と言われた楽天イーグルスが、その弱さを見せつけてしまった象徴的な試合と言えるでしょうか。
楽 0 0 0 0 0 0 0 0 0 – 0
ロ 2 11 1 0 1 4 0 7 × – 26
ロッテの先発・渡辺俊介は、許したランナーがヒットの1人だけ。しかもそのランナーも併殺となったため、結果的に27人で楽天の攻撃を押さえ「準完全試合」と言ってもいい、一方的な内容でした。
個人的に楽天をずっと応援しているのですが、この年は開幕戦で岩隈を擁して、ロッテに3-1で勝利。「楽天元年」は、下馬評を覆してくれるのではないか…という淡い期待は、開幕二試合目で儚くも消え去ってしまった、そんな試合でした。
逆に言うと、この時代を知っている楽天ファンは、2013年の優勝は格別の思いがあったのではないかと思います。
⑥2004年8月27日 ダイエー-西武 20-4(西武ドーム)
「バカ試合」の中でも、優勝チームが20失点以上してしまうケースは極めて珍しいと言えますが、それが起こったのが2004年でした。
ダ 5 1 1 5 0 0 7 1 0 – 20
西 3 0 1 0 0 0 0 0 0 – 4
これも、ダイエーが敵地で一方的に西武をやっつける試合だったのですが、この年にライオンズは堂々のパリーグ優勝。こんなこともあるんだな、と教えてくれる貴重な試合です。
⑦2004年5月3日 中日-ヤクルト(神宮球場)
さて、2004年は不思議な年で、リーグ優勝した西武と中日がそれぞれ「20失点以上する」という珍記録を出しています。
中 1 1 0 1 0 0 0 0 4 – 7
ヤ 0 9 1 2 6 0 0 2 × – 20
この時の中日の先発は、1999年のリーグ優勝を支えた野口茂樹。この時はすでに全盛期を過ぎていましたが、ここまでめった打ちにされるのは、悲しいものでした。
⑧2003年9月14日 ダイエー-オリックス 20-11(ヤフーBBスタジアム)
2003年のオリックス(ブルーウェーブ)は、知る人ぞ知る暗黒時代。というのも、球団防御率は5点台後半と、未だに日本ワースト記録のままであり、「投壊王国」とも形容できる散々な試合を繰り返していました。
その中でも特に有名なのが、対ダイエー戦の分の悪さで、1年間で20失点以上の試合をなんと4回も繰り広げてしまいます。
この時代は、ダイエーが黄金時代だったというのもありますが、イチローが離れた後の、オリックスの一番低迷期であったことも相まって、このカードではダイエーが一方的にオリックスをやっつけていきました。
その中で、ペナントレースの一番後で記録されたのがこの試合です。
ダ 0 1 0 7 7 0 0 0 5 – 20
オ 6 1 0 1 0 2 0 0 1 – 11
実はこの試合、初回にオリックスが6点を上げて、1年間経験してきた「お返し」をしたかに見えました。しかし蓋を開けてみると、中盤の2イニングで14失点して、結局二桁得点を記録しながら大敗。
この年のオリックスは、打線が繋がれば投手が壊れ、投手が踏ん張る試合では打線が湿る…という、歯車のかみ合わなさが有名でしたが、それを象徴する試合となってしまいました。
⑨2003年8月1日 ダイエー-オリックス 29-1(ヤフーBBスタジアム)
2003年のダイエーvsオリックスの「バカ試合」で、最も有名なのはこの「最多得点差試合」かもしれません。29得点は1チームの「1試合最多得点」の2位に入る記録。28得点差が付く救いようのない一方的な試合で、この試合を見に来たファンはもちろん、オリックスの選手が何を考えて試合を続けていたのかな、と思います。
ダ 7 8 8 0 0 1 1 0 4 – 29
オ 0 0 0 0 0 0 0 0 1 – 1
序盤でダイエーが23点を挙げるという、オリックスからしてみると屈辱的な試合でした。ダイエーからすると、9回の1失点は余計だったかなという印象ですね。
当時の貴重な映像がこちらです。
⑩2003年7月27日 ダイエー-オリックス 26-7(福岡ドーム)
先の29-1の試合の、なんと5日前にも、別の球場(ダイエーのホーム)で力の差を見せつけた同一カードの試合が起こってしまいました。
オ 0 0 0 1 4 0 1 1 0 – 7
ダ 11 0 3 5 6 1 0 0 × – 26
この試合では、1回の裏にダイエーが猛攻で11得点を挙げて、この時点で事実上試合は終了。その後も攻撃の手を緩めずに得点を入れ続けたダイエーの快勝に終わりました。
オリックスとしては屈辱以外の何でもない試合になってしまいましたが、まさかこの試合から1週間経たないうちに、また同じカードで更に屈辱を味わうことになるとは、選手もファンも想像だにしていなかったでしょう。
⑪2003年6月17日 ダイエー-オリックス 21-11(岩手県営球場)
こちらが、ダイエーのオリックス叩きが実質的に始まったと言っていいカードの試合でしょう。岩手球場でオリックスがホームとなった試合で、終盤の入口まで11-10でダイエーがわずか1点リードするという乱打戦。しかし7回に一挙10得点を挙げたダイエーが、終わってみればさも一方的に勝ったかのような試合となりました。
ダ 1 1 3 0 0 6 10 0 0 – 21
オ 0 4 1 2 3 0 0 1 0 – 11
この試合自体はただの「バカ試合」なんですが、まさかここから4ヶ月連続で、同一カードで20得点が記録されるとは、ダイエーファンもオリックスファンも、そして両チームの選手もゆめにも思っていなかったことでしょう。
まとめ
20得点以上を記録した「バカ試合」は、2000年以降で他にもいくつかあるのですが、その中でも特に有名なものを11試合集めてみました。
私は2001年頃からパリーグを応援していたので、2003年頃のオリックスのバカ試合はよく印象に残っていて、逆にそれ以降の試合はよく覚えていません。しかし、たまにはこういう試合を振り返って、嫌なことも水に流してみるのもいいのではないでしょうか。
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