今回の台湾旅行には、学生用台湾鉄道旅行券である「学生用TR-PASS」という切符を使いました。
この切符なのですが、「学生用」と謳っているのに、学生でない僕が購入して、使うことができました。ガイドブックやインターネットの情報だけでは決して辿り着くことができなかったこの切符の買い方と使い方を、今回はまとめます。
(一般用TR-PASSもあるのですが、学生用のほうが大幅に安いので、こちらの紹介をします)
目次
変更が激しい台湾鉄道切符事情
今回の旅行は、高雄から入国をし、時計回りに台湾を回って、高雄から出国をするというルートでした。
旅行の準備段階で、数年前の「地球の歩き方」を見て、「台湾鉄道一周券(環島周遊票)」という切符があることを知って、これを使おうと思っていたのですが、直近の「歩き方」や、他のインターネット情報を辿ってみると、この切符は現在廃止されてしまったようで、使えないことに出発直前で気づきました。
知り合いを辿って聞いても、高鉄周遊券三日間パスという「新幹線乗り放題券」は知っているけど…、という情報しか手に入りませんでした。そのため、入国後は普通に目的地までの切符を買って、ぐるりと回ろうと思っていたのですが、カウチサーフィンで泊めてもらった高雄の人から、耳寄りの情報を入手することに。
特急以外の在来線に乗り放題のTR-PASSがある!!
どうやら、TR-PASSという「特急以外の在来線に乗り放題」の切符が、台湾にはあるようです。
http://www.railway.gov.tw/tw/cp.aspx?sn=7452
ただ、台湾鉄道のHP(英語)を確認しても、
・外国人学生のみ購入可能
・購入には国際学生証が必要
という風にしかかかれておらず、国際学生証を持って入るけど、有効期限も切れて、学生ですらない自分が購入するのはできないと思っていました。
ところが、です。
旅行センターで「青年旅行カード」を発行してもらえる
高雄のホストが教えてくれるには、「国際学生証がなくても、青年旅行カードを発行してもらえれば、30歳未満なら購入できる」らしいのです。
このカード、最初聞いた時にはTR-PASSの青年版、つまり別の切符かと思っていたのですが、高雄の駅で確認してみると、どうやら「国際学生証の代わりとなるカード」のようなのです。
というわけで、このカードを手に入れてTR-PASSの購入を目指します。
買い方
まず、大きな駅には必ずある「旅遊服務中心」という、黄色い看板が目印のツーリストオフィスに行きます。
ここで、パスポートを提示して氏名とパスポート番号を記入すると、以下のような「青年旅行カード」を渡してもらえます。
このカード、なんと無料なんです!!
国際学生証のように、てっきり発行料がかかるのかと思って確認したら「お金はかからないよ」と言われ、驚きました。
これを手にして、次は台湾鉄道の窓口へ。
ここでこの「カード」とパスポートを提示すると、TR-PASSがめでたく発行されます。
パスは三種類あって、
・5日間用 599NTD
・7日間用 799NTD
・10日間用 1098NTD
となっています。
今回は5日間用を購入。支払いはクレジットカードでできました。VISAもMasterCardもJCBも使えます。(高雄駅の場合)
乗れる列車は、JRでいう「普通」の「区間車」、「快速」の「復興」、急行の「ろ光」号(「ろ」はくさかんむりに呂)の三種類。
特急の「自強」号には乗車できません。
(別途切符を買う必要があります)
ろ光号。機関車+客車となっているのが基本的に該当します。
こちらは自強号。他にも車両はあるようですが、乗車前に十分にご確認下さい。
どのくらい便利なの?
5日間約600NTDのこの切符ですが、実際どれほど便利なのでしょうか?
まず運賃ですが、例えば台北から高雄まで、ろ光号で行くとすると、片道でなんと650NTDが必要です。つまり、台湾の北部から南部まで、片道移動するだけで殆どもとが取れてしまう、すぐれものの切符なのです。
次に列車の運転本数ですが、これは少し注意が必要です。
というのも、ろ光号は自強号より本数が少なく(場所によりますが、1:2〜1:3くらいの比率)、頻繁にやってくる自強号よりは乗りにくいため、事前に時刻表を確認して、予定を組むのがベターです。
特に台湾の東側、台北〜花連〜台東〜高雄と続く路線は、西側より圧倒的に列車本数が少ないので、注意が必要です。
鉄道の時刻表は、駅の窓口で無料でもらえるためにそれを活用しましょう。
※ただし、実際に時刻表を使ってみてダイヤが違っている列車もあったので、必ず現地の駅できちんとした予定を確認されることをお勧めします。
そして、座席に座れるのかどうかですが、これはシーズンや時間帯、場所によって異なるでしょう。
全ての列車は座席予約が不要なので、窓口で予め座席指定をする必要はありません。そのため、乗車人数が多いと席に座れないことも出てくるかと思います。
ただ、実際に使ってみて、列車が混んだのは台北から九份への入り口である瑞芳駅の間だけでした。他の区間では、基本的に座れますし、ガラガラです(自強号は座席指定がマストなのですが、長距離を短時間で結ぶからから、こちらのほうが席が埋まっているようでした。)
以上のことから、比較的廉価で、座席も基本的に座れるので、台湾を在来線でのんびりと回ってみたい方には是非ご利用頂きたい切符です。
(もちろん、移動に時間がかかるのは事実です)
いくつかの補足
実際に使ってみて気になったのは、
・本当に30歳未満の人しか買えないのか?
・本当に自強号に乗れないのか?
の二点でした。
最初の点については、青年旅行カードの発行の際に、パスポートは詳しく見られなかったので、30歳を超えていても買えるんじゃないか、と少し思いました。
また二点目ですが、今回一度だけ、列車の時間を勘違いして自強号を利用したのですが、予約して座席に座ったものの、検察も来ず、更に立席で乗車している人も沢山いて、乗車率が実質120%だったので、もしかしたら切符を買わなくても良かったのかも…ということを、後になって思いました。
ただ、この二点については今後切符をご利用になる皆様の責任において行動をして下さい。今回自分の場合が良かっただけかもしれませんし、罰金や罰則を課せられた場合、こちらでは一切責任を負いかねます。
まとめ
今回は、台湾の在来線にほぼ乗り放題になる「TR-PASS」についての情報をまとめました。特急列車と新幹線は利用できませんが、費用を抑えて台湾全土を回る時の強い味方になるはずで。有効活用して台湾旅行をぜひ魅力的なものにして下さいね。
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