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東京大回り乗車と分岐駅区間の重複乗車は組み合わせ可能?

JRの路線の中で、東京、大阪、仙台、新潟、博多の5つのエリアでは、「近郊区間」という運賃の特例区間が設定されています。

 

この「近郊区間」とは、

・同じ駅を2回以上通過しない

・同じ区間を2回以上乗車しない

・途中下車をしない

・当日中に旅行を終える

という条件を満たせば、区間内の移動であればどの経路を通っても最短距離の運賃で計算をする、というルールのことです。

 

簡単な例は、東京から神田に行くときに、山手線の外回りに乗車して品川、渋谷、新宿、上野…と移動しても、140円の運賃を払えうだけで大丈夫、というものです。

 

そんな、「できるだけ安い運賃でできるだけ長時間・長距離の移動をする」ことが魅力の大回り乗車ですが、玄人向けのルールに「分岐駅通過の場合の重複乗車」との組み合わせがあります。

 

今回は、これらのルールを組み合わせた移動方法について解説をします。

 

目次

分岐駅通過の場合の重複乗車とは

まず、分岐駅通過の重複乗車について確認をしておきましょう。

このルールは、JRの公式説明では以下のようになっています。

分岐駅を通過する列車に乗車する場合の特例

次の区間の左側の駅から枝分かれする一方の線区から他方の線区まで乗車する場合で、列車が左側の駅を通過するため左側の駅と右側の駅との間を折り返し乗車する場合は、同区間のキロ数は含めないで運賃計算をします(定期券は除きます)。ただし、折り返し区間内では途中下車はできません(途中下車される場合は同区間に対する運賃が必要になります)。

東京近辺での例としては、「神田と東京」「代々木と新宿」などがありますね。

 

神田駅では、上野~東京を結ぶ山手線や京浜東北線と、新宿方面に向かう中央線との乗り換えができます。しかし、上野~東京には、神田駅を通過する(神田駅のホームがない)上野東京ラインも動いているので、この路線を利用する場合は神田駅での中央線との乗り換えができません。

 

そんな時に、わざわざ山手線を使って神田駅で乗り換えないといけない、というルールにすると面倒くさいので、上野~神田~新宿、と移動する場合、神田駅を通過する列車に乗る場合は、上野~(神田)~東京~(神田)~新宿、と移動しても、切符の金額は変わりませんよ、という特別ルールが存在するのです。

 

この「重複乗車の特例」のルールは、鉄道ファンの間ではよく知られているのと、普段これらの区間を利用する一般の人は何も意識することなく使っていると思うので特に問題にはならないのですが、この「重複乗車の特例」と、「近郊区間の大回り」を組み合わせることはできるのか?というのが、少しでもお得に大回りを使い倒したい、と考えている方にとっては興味のある部分かと思います。

 

結論を先に言うと、大回りと重複乗車の特例の組み合わせは可能

はい、結論を先に言ってしまうと、大回りと分岐駅重複乗車の組み合わせは可能です。2006年のルールの改正で、これらの組み合わせが可能であることをJR各社も明記しているようなので、特段問題ないとのことです。

 

では、この大回りと分岐駅重複乗車の組み合わせができる、東京近郊区間と使える列車について詳しくまとめることにします。

①倉賀野駅~高崎駅間

倉賀野駅は、大宮方面の高崎線と高麗川方面の八高線が分岐している駅なので、大回り乗車で移動する場合には倉賀野駅で乗り換えないといけません。

しかし、倉賀野駅を通過して高崎駅に停車する列車として、あかぎスワローあかぎ草津の3列車があります。

これらの特急を使って高崎線を移動する場合、八高線~倉賀野~高崎~(倉賀野)~大宮、と、分岐駅通過の特例を使って、倉賀野~高崎を往復で移動することができます。

 

大回り乗車では新幹線が使えないので、高崎~大宮~上野、と時間を短縮するために特急を使って移動をする時には、堂々とこの重複乗車を使って大回り旅行をすることができます。

 

②神田駅~東京駅間

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上でも説明したこれらの両駅間では、以下の2つの組み合わせが利用できます。

1:上野東京ラインで神田駅を通過

上野東京ラインで上野~東京を移動する場合、間に停車駅はないので、神田駅は通過します。したがって、上野東京ラインと、中央線快速(神田駅に停車)とを乗り継ぐ場合には「重複乗車」が認められます。

2:中央線特急で神田駅を通過

これとは逆に、中央線の列車が神田駅を通過する場合にも、この重複乗車を使うことは可能です。

中央線特急「あずさ」「かいじ」の多くは新宿発着ですが、一日に上下とも数本だけ、新宿~東京を運行している列車があります。これらの列車は神田駅を通過するので、中央線特急と山手線・京浜東北線を乗り継ぐ場合でも、同じルールが適用されます。

 

※もちろん、上野東京ラインと中央線特急の組み合わせも可能です。

※大回り乗車で特急などに乗車する場合は、特急券、座席指定券などが別に必要です。

 

③代々木駅~新宿駅間

同じく東京都区内の、代々木~新宿間でもこのルールを使って大回り乗車ができます。こちらも、2つのパターンがあります。

1:中央線快速・特急で代々木駅を通過する場合

中央線快速や、一部のあずさ・かいじ(中央快速線)で新宿~四谷方面を移動する場合、代々木駅は通過する(ホームがない)ので、分岐駅重複乗車が使えます。

山手線と中央快速線の組み合わせの利用で使ってみましょう。なお、中央快速線には1日1往復だけ、新宿~千葉を結ぶ特急あずさが運転しており、また、週末だけですが「新宿わかしお」「新宿さざなみ」も新宿~千葉・房総半島を結んでいます。大回り乗車と組み合わせると、とてもコスパの高い旅ができそうです。

2:湘南新宿ライン・埼京線で代々木駅を通過する場合

中央線ではなく、湘南新宿ライン(山手線と併走)にも代々木駅がないので、水道橋や千駄ヶ谷~代々木~新宿~(新宿)~大崎~東海道線方面、という移動の場合でも、代々木~新宿間の重複乗車は利用できます。

④東神奈川駅~横浜駅間

この区間は、東海道線、横須賀線が東神奈川駅を通過する(路線上にホームがない)ので、東海道線/横須賀線~(東神奈川)~横浜~東神奈川~新横浜方面、の移動が可能です。

また、横浜線には週末運転の臨時特急「はまかいじ」もありますが、もちろんこの列車と京浜東北線を乗り継ぐ場合でも、このルールは適用されます。

 

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まとめ

今回は、東京近郊区間大回りと「分岐駅重複乗車」の組み合わせについて解説をしました。大回り旅行では運賃を安く抑えられるので、特急の利用など、他のことに使えるお金が増えるのが強みですよね。

ぜひこれらの組み合わせを上手く活用してみて下さい。

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