2026年3月14日の、JRダイヤ改正で、JR西日本の奈良線・京都~奈良間に、特急「いにしへ」が定期運行を始めました。今回は、そんな「いにしへ」号を完全解説します。
目次
1.特急いにしへとは
2025年に臨時運行された列車が定期列車化
特急いにしへ号は、2025年の春と秋の週末に、臨時特急として奈良線の京都~奈良間で試験的に運転されました。1年の年月を経て、定期列車化されたことになります。
列車は、土日祝日に1日1往復のみ運行され、役割としては完全に、京都~奈良間、及び、東海道・山陽新幹線と奈良の観光需要を拾うためのものとなっています(これとは別に、鉄道マニアにとっても魅力的な列車となっています)。
2.停車駅とダイヤ
特急いにしへは、京都・宇治・奈良の3駅のみ停車し、みやこ路快速などが止まる東福寺と稲荷は通過します。京都府内の観光需要は普通列車と快速列車で拾い、完全に「遠近分離」の役割を果たしています。
運行時刻は、下りの奈良行き(いにしへ61号)が、京都10:43発、宇治10:59発、奈良11:32着。上りの京都行き(いにしへ62号)が奈良16:13発、宇治16:45発、京都17:00着となっています。所要時間は上下ともに約50分で、奈良線内に追い抜き設備を持つ駅が宇治駅しかないこと、及び、既にみやこ路快速と普通のスジの間を通しての運用となっているため、所要時間はみやこ路快速とほぼ変わらないものとなっています。
京都駅
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言わずと知れた、京都観光の玄関口です。東海道線、湖西線、関空特急はるか、山陰線、近鉄、東海道新幹線、京都市営地下鉄と接続しており、また市内バスも多数乗り入れているため、京都観光の足場となっています。
宇治駅
平等院鳳凰堂や、源氏物語宇治十帖の舞台となった宇治川周辺の玄関口となっています。
奈良駅
東大寺や春日大社の観光入り口となっています。ただ、これらのエリアへは、近鉄奈良駅のほうが近いことから、これまでも京都~奈良間の移動は、近鉄に軍配が上がっていました。
今回の「いにしへ」のデビューにより、どこまで需要を掘り起こせるかに注目です。
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料金
京都~奈良間の乗車券は720円です。
これに加えて、特急料金が必要です。「いにしへ」は全車指定席のため、指定席特急券を購入する必要がありますが、通常のきっぷ(窓口販売)だと、特急券は1490円、e5489などで購入できるネットのチケットレス特急券だと1090円となっています。
なお、京都~宇治、宇治~奈良間でも、特急料金は同じです。
加えて、競合路線である近鉄特急であれば、特急料金は520円。そして、所要時間が40分程度と、特急「いにしへ」よりもリーズナブルな設定となっています(どちらかと言うと、料金制度の都合で、JRが割高になってしまっている、と言えます)。
特急いにしへに乗る動機づけとしては、
・新幹線などと組み合わせて、乗車券を長距離で利用する
・関西の「大回り乗車」に組み込んで、乗車券を安く抑える
というのがあるかと思います。
4.車両
特急「いにしへ」には、大阪・新大阪~奈良の特急「まほろば」に充当される、683系「悠久」「安寧」編成3両が共通運用として用いられます。
また、外観と内装も、古代の二都を意識した専用のものとなっており、格調の高さをウリにしていると言えます。
座席のモケットも、床のデザイン・色調も、一貫したコンセプトになっていますね。
車椅子用の座席もいくつかありまして、
大型荷物スペースも車端部に設けられており、
お手洗いも、バリアフリーの大型のものと、男性用のものが併設されていました。
また、1号車のデッキ寄りには、仏像のミニチュアが展示されていました。
このような試みは、観光列車としての強みを打ち出すもので、本数と所要時間で太刀打ちが難しい近鉄特急との差別化を図っている工夫が感じられますね。
5.実際に乗ってみた
私は、ダイヤ改正当日、3月14日の、京都発奈良行きの一番列車に乗車しました。
特急券は当然ながら(?)、安いチケットレスのほうを購入。
京都駅にて
当日は、10時35分頃に、京都駅の奈良線8番線ホームに、大阪方面と繋がっている留置線から列車が入線してきました。
最近の特急列車は、出発直前に入線して、慌ただしく発車していくので、7分前の到着でもずいぶん余裕があるように感じました。
ホームには、一番列車の撮影にやってきたギャラリーと、乗車組とが撮影を行っていました。
なお、一番列車ではあるものの、既に臨時列車として運行されていたからか、はたまた、奈良線のホームが混むからなのか、不明ですが、出発セレモニーは行われませんでした。
車内のようす
京都出発時で、乗車率は驚きの7割程度。一番列車であることも影響しているのかもしれませんが、鉄道マニア以外に、ご年配の旅行組とおぼしき乗客も一定数おられました。
もしかすると、旅行会社が企画するツアーの行程に組み込まれているのかもしれません。
宇治駅にて
出発から20分弱で宇治駅に到着しました。私が乗っている車両でのお客さんの乗降はなかったようです。
景色
京都から城陽を過ぎるまでは住宅地をひたすら走り、城陽より南になると、ようやく田舎の風景が見られました。
下の写真は、終点間近の、木津川を渡っているときのものです。
棚倉駅で運転停車
棚倉駅では、すれ違いのため、運転停車を3分ほど行いました。
京都行きのみやこ路快速を優先させるダイヤとなっているようで、特急いにしへが側線に入線して、一線スルー式の本線を快速に譲る、という「逆転現象」が起こりました。
奈良駅到着
奈良駅には4番線に到着し、そのまま回送列車となるようでした。
フロントマスクの側面部もかっこいい仕上がりになっていました。
6.おすすめ座席
特急いにしへのオススメ座席ですが、ずばり進行方向右側です。
というのも、列車の進行方向と運行時間帯、太陽の位置の関係から、どちら行きでも、進行方向左側に座ってしまうと、日光が車内に入ってきてしまい、せっかくの車窓を楽しめなくなってしまうからです。
7.予約方法
上でも既に書いていますが、窓口での予約・購入もできますが、特急料金が高く付いてしまうのがネックです。ぜひ、e5489を使ってチケットレス特急券を購入されることをおすすめします。
8.最後に
今回は、新しくデビューした特急「いにしへ」の完全ガイドをお送りしました。この記事が、乗車を考えている方の参考になれば幸いです。
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