ポーランド好きの日本人なら知ってて損のない「日本ポーランド二国間協定」

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ポーランドを旅行する時に、日本人だとネックになるのがシェンゲン協定ではないでしょうか。

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シェンゲン協定とは、ヨーロッパの幾つかの国が結んでいる自由移動協定で、これらの国の間ではパスポート審査をすることなく国境を越えることができる、という協定です(勘違いされる方が多いのですが、EU(欧州連合)とは全く別物です)。

 

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ただ、シェンゲン協定は「連続する180日のうち、最大90日間しか滞在できない」のがネックでして、単純に言えば、ある年の1月初頭から3月下旬まで、90日間シェンゲン協定国に滞在した後は、一度日本に戻るなりして、次の3ヶ月はシェンゲン協定に入国できないんですよね。

 

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しかし、実はポーランドと日本には、シェンゲン協定の上位に立つ「二国間協定」なるものが存在している、ということをご存じの方はまだまだ少ないと思います(僕も、今回のワーホリ中に出来た友人から教えてもらいました)。この協定を知っていると、ポーランド旅行の際に何かと役に立つので、今回はこの話について分かりやすく説明をしようと思います。

 

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はじめに:シェンゲン協定のおさらいから

まずは、シェンゲン協定について今一度確認しておきましょう。日本ポーランド二国間協定の適用を具体的に考える際に、シェンゲン協定について理解しておく必要があるので、ここは少しだけ、立ち止まってみることにします。

 

さて、シェンゲン協定というのは、協定国間での国境審査を免除する協定のこと。日本からだと韓国や中国、東南アジアに行くには必ず出国審査と入国審査が必ず必要で、パスポートにもスタンプが押されますが、ヨーロッパのシェンゲン協定国間の移動では、こういう審査がありません。

2016年10月現在、シェンゲン協定に加盟している国は以下の26カ国です。

アイスランド/イタリア/エストニア/オーストリア/オランダ
ギリシャ/スイス/スウェーデン/スペイン/スロバキア
スロベニア/チェコ/デンマーク/ドイツ/ノルウェー
ハンガリー/フィンランド/フランス/ベルギー/ポーランド
ポルトガル/マルタ/ラトビア/リトアニア/リヒテンシュタイン/ルクセンブルク

 

つまり、これらの国を移動する場合は、鉄道でもバスでも自家用車でも船でも飛行機でも、パスポートにスタンプが押されることはありません。とても便利ですね。(ちなみに、イギリスはシェンゲン協定国ではありません

 

ただ、このシェンゲン協定にはルールがあります。日本人向けのルールというのは、「シェンゲン協定国内にビザなしで(=観光目的で)滞在する場合、あらゆる連続した180日の間で、シェンゲン協定国内には最大90日間しかいることができない」ということです。(このルールを、これ以降ではシェンゲンルールと呼ぶことにします)

 

このルールが少しややこしいんですが、つまり、カレンダーの中から任意の連続する180日を切り取ったとすると、その間の90日間しか、シェンゲン協定国内にはいることはできず、他の90日間はシェンゲン協定国外にいないといけないんです。

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といっても、普通に日本から観光で2週間ヨーロッパに来るのであれば、シェンゲンルールに引っかかることはありません。問題なのは、ボランティアでシェンゲン協定国間に80日くらい連続して滞在した時や、世界一周(又はヨーロッパ周遊)旅行をする時です。

 

例えば、ある年の3月1日から5月15日まで、ずっとシェンゲン協定国間に滞在していたとしましょう。この場合、76日間シェンゲン協定国間に滞在したことになります。5月15日にシェンゲン協定国を出て日本に戻ったとすると、

3月1日から数えて180日、恐らく8月の末頃になるのでしょうが、この間でシェンゲン協定国には合計で90日しか滞在できないことになります。あるいは、「任意の連続する180日」ですから、4月1日からの180日間でも、合計で90日間しか滞在できないわけです。

 

なので、上の例の場合だと、「夏にもヨーロッパを旅行したい!」と思った場合、シェンゲン協定国内には、8月末までの間に残り14日しか滞在できないことになります。なので、長い間ヨーロッパ周辺をウロウロする場合「シェンゲンルールを守って滞在するには」というのを、常に考えないといけないわけですね。

 

日本ポーランド二国間協定はどんなルール?

さて、ここからが今回の本題です。では、このシェンゲンルールより効力の強い日本ポーランド二国間協定(以降、単に「二国間協定」とします)とは、一体どんなルールなんでしょうか?

 

これは、外務省の資料を見るのが一番良いでしょう。その資料は以下の通りです。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/pdfs/A-H7-1875.pdf

 

…外務省の資料ってなぜか縦書きで読みにくいんですが、要するに二国間協定とはつまりこういうことです。

日本国のパスポートを持っている人で、就労や留学以外の目的(つまり、主に観光目的)でポーランド入国して連続して90日を超えない期間で滞在をする場合は、査証(ビザ)無しで入国・滞在が出来る

 

…シェンゲンルールとの違いが分かりますでしょうか?

この二国間協定が言いたいのは、「180日間で最大90日」の「180日間」は考慮しない、ということなんです。

 

つまりどういうことかというと、例えば、ポーランドに入国をして90日連続で、ポーランド国内を旅行します。その後、飛行機でも鉄道でも何でも良いので、ポーランドからパスポート審査を受けて行ける国(例えば東隣のウクライナ)に5日間くらい滞在したら、またポーランドで入国審査を受ければ最大で90日間連続で滞在が出来てしまう、ということなんですね。

 

ですので、あくまで理論上の話になりますが、

ポーランドで90日間滞在

→直行便でウクライナに行って10日間滞在

→直行便でポーランドに戻って80日間滞在

→直行便でウクライナに行って5日間滞在

→直行便でポーランドに戻って85日間滞在

………

ということが、もちろん観光目的、金銭授受を行わないボランティア目的等だと可能なんですよね(就労と留学は不可です)。

まあ、ここまで来るとどんだけポーランドが好きなんだよ、って話ですが(笑)

 

というわけで、この二国間協定を上手く利用すれば、3ヶ月じゃポーランドの観光地は全部見て回れない!あと更に2ヶ月滞在しないと見て回れない!という場合、「シェンゲン協定で次の90日間はヨーロッパに行けないや…」と嘆いて待つ必要はない、というわけです。これってめちゃくちゃ便利なことだと思いませんか?

 

では、次にこの二国間協定を満たすための条件について、詳しく見ていきます。

 

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二国間協定を利用するための条件(注意点)

ただ、当然ですが二国間協定をクリアする条件もややこしくなってきます。これは先に説明したシェンゲン協定の兼ね合いによるものもあるのですが、以下5つあるので、順に見ていきましょう。逆に、これらの条件さえクリアできれば、実質1年ほどポーランドにはビザ無しで滞在することができるわけです。

 

①1回目の入国審査はポーランドで行われるようにすること

これはシェンゲン協定に絡む話。シェンゲンルールでは、「初めて入るシェンゲン協定国で国境審査をする」ことになっています。例えば、日本からオランダに飛んで、オランダで飛行機を乗り継いでポーランドに行く場合、パスポート審査はオランダで行われます。ですので、スタンプはオランダの入国スタンプになります。

ですが、これだと二国間協定ではなくシェンゲンルールが適用されてしまいます。なので、他のシェンゲン協定国を経由せずにポーランドに到着して、ポーランドの入国スタンプを押してもらう必要があるわけです。

 

②ポーランドから一度出る場合も、ポーランドで出国審査を受けるようにすること

また、90日が経過する前にシェンゲン外の国に出る場合も同じ。ポーランドからだと、東隣がウクライナで、これらの国の移動ではパスポートコントロールが必要なので、ウクライナまで直行便やバスを利用すれば、ポーランドで出国審査が行われます。

 

ただ、飛行機で他のシェンゲン外の国(例えばイギリス、アイルランド、トルコ、ドバイ等)は要注意。この時にシェンゲン協定国内の別の国(例えばドイツ)で乗り継ぎをしてこれらの国に向かうと、出国スタンプはドイツのものが押されてしまいます。この時点で二国間協定ではなくシェンゲンルールが適用されてしまうので、せっかくトルコなどで数日間滞在しても、再度ポーランドに戻ってくるときに「シェンゲンルール違反」ということになって、入国することができなくなってしまいます。

 

③ポーランドを一度出るときは、3日以上(シェンゲン外の)別の国に滞在する

ポーランドでの連続滞在日数は、90日を超えてはいけません。ですので、例えば90日目に、ポーランドからウクライナに移動するとしましょう。

 

この時、やってはいけないのが「1泊2日でポーランドに戻ってくる」ということ。つまり、ウクライナに行った翌日にポーランドに戻ってきてしまう。これはアウトです。

なぜだか分かりますか?

 

ウクライナに行った翌日にポーランドに戻ってくると、2日連続でポーランドに滞在していることになります。そして、二国間協定のルールは「連続最大90日間」。もし翌日にポーランドに戻ってきてしまうと、これで「91日連続」になるので、アウトです。ですから、絶対に翌日にはポーランドに戻らないようにする。一応、パスポートスタンプの日付が近すぎると入国審査で手惑いそうですから、ウクライナ等には7日間くらい滞在してまったりするのがいいでしょうね。

 

④2回目以降のポーランド滞在中は、他のシェンゲン協定国には行かない

シェンゲン協定は、該当国間での国境審査はありません。ですから、二国間協定を利用してポーランドに滞在をしている間も、物理的にドイツやチェコ等、他のシェンゲン協定国に移動することは可能です。

 

ただ、街を歩いていると警官にパスポートの提示を求められることがあるのも事実です。僕は今まで経験したことがありませんが、昨今の西欧の治安事情を鑑みると、そういう可能性は低いとは言えません。

その場合、パスポートに押されたスタンプを確認されて「シェンゲンルール違反」ということになり、取り調べを受ける可能性があります。ですので、二国間協定を利用する場合は、あくまでポーランド国内で滞在するようにしましょう。

(といっても、本当にポーランドが好きな人しかこんな方法は使わないでしょうから、他の国に行くことは考えないかも知れませんね…)

 

④主に観光目的であること

ポーランド国内の企業で働く、アルバイトをする場合は就労ビザが必要です。留学も同様ですね。ただ、外務省の書類には、「領事の任務及び公用の用務」以外の目的で滞在する場合には、最大で連続90日滞在可能、と書かれているだけなので、この書き方だと就労も留学もOKになってしまいますよね…。

まあ、金銭授受を伴う仕事のためにどこかで働くのであれば、会社もビザを確認できないと雇用できないでしょうから、どのみち無理だとは思いますが…。

 

僕みたいに、フリーランスとしてビジネスをしながらまったり過ごす場合が一番気兼ねなくこの制度を利用できるんじゃないでしょうか。

 

⑤できればワルシャワ空港で入出国審査を受ける

これは、地方の(例えば陸続きの)国境検問所だと、国境警備隊の担当者がこの二国間協定をきちんと理解していない可能性があるからです。

これが、ワルシャワ空港の場合であれば、正しい理解をしている審査官が多いはずですから(あくまで相対的に見て、の話ですが)、審査でまごつく可能性も低いでしょう。

 

なお、この話については、実際にこのルールを使ってウクライナからポーランドに陸路移動した友人が一悶着経験した、という話があるので、詳しくは以下のブログをご覧下さい。

ウクライナ-ポーランド国境で拘束された話

この場合も、きちんと説明して問題なかったようですが、地方の陸路国境だと英語が通じない可能性も高いので、二国間協定利用のためのポーランドから近隣諸国へ移動する場合、ワルシャワ空港からウクライナやモルドバに直行便で行くのが一番良いでしょう。

不安であれば、外務省の以下のページの中程にある「ここ」をクリックして、ポーランド語のデータも持っていきましょう。

http://www.pl.emb-japan.go.jp/konsulat/schengen.htm

 

では最後に、ポーランドの入出国スタンプをもらうことができる、日本からの飛行機の経路をまとめておきます。

 

ポーランドで入出国審査をするための日本からの飛行経路(2016年10月現在)

・成田からポーランド航空で直行便(成田→ワルシャワ)
・成田からアエロフロートでモスクワ乗り継ぎ(成田→モスクワ→ワルシャワ)
・日本各地から北京経由で中国国際航空利用(各地→北京→ワルシャワ)
・成田、羽田、関空からエミレーツ航空でドバイ経由(各地→ドバイ→ワルシャワ)
・成田、羽田からカタール航空でドーハ経由(成田・羽田→ドーハ→ワルシャワ)
・成田からブリティッシュ・エアウェイズでロンドン経由(成田→ロンドン→ワルシャワ)

以上の6経路が現実的と言えるでしょう。

 

(日本で生活をしていても、これらの経路でポーランドから日本に戻って、再度どれかのルートでポーランドに入国すれば、当然ながら二国間協定が適用されます)

 

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まとめ:二国間協定はリスクが高い?

ここまで書いても、多くの方は「やっぱりリスクが高いんじゃないか?」と思われるかも知れません。

実は、僕も二国間協定ではありませんが、シベリア鉄道を使ってベラルーシからポーランドに、ワーホリビザが有効になる前に観光目的で入国しようとしたら「ビザが有効じゃないから」と、あやうく取調室に連れて行かれそうになりました(結局、相手の勘違いであることがわかって問題なかったのですが)

 

それに、今はヨーロッパでのテロの問題や不法就労の問題もありますし、仮に、いくら二国間の当局が協定を結んでいると言っても、実際の入国審査でいろいろと面倒くさいことに巻き込まれる可能性もゼロではありません。

 

ですので、さすがにビザ無しで1年滞在するのはリスクが高まるかも知れませんが、半年の滞在なら一度のポーランド出国で済みますし、そこまでリスクは高くない、と言えるのではないでしょうか。

 

実際、僕も先日偶然、大使館で働いているという方に会ったので、少しこの話について聞いてみたら、今回ブログに書いたようなことを言われていたので、全く後ろめたさを感じる必要はないと思います。

 

と、今回はいつにもましてアツく語ってしまいました。内容が相当マニアックなので、本当にごく一部の人にしか役に立たない内容かも知れませんが、ポーランドが好きで好きでいつまでも滞在していたい、という方は、是非一度使ってみてはいかがでしょうか。

 

 

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  • コメント (2)

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    • 2017年 8月16日

    こんにちは。詳しい説明ありがとうございました。

    シェンゲンルールと2国間協定の兼ね合いに関して質問があります。
    私は用事がありまずフランスに入国して1泊してからポーランドへ行き、その後半年ほどポーランドに滞在する予定なのですが、この場合フランスとポーランドの滞在合計90日経過前にウクライナへ行き再度ポーランドに入国すると、ここから2国間協定が適用されて更に90日滞在できるようになるのでしょうか?

    よろしくお願い致します。

      • たつや
      • 2017年 8月16日

      東様

      コメントありがとうございます。
      おっしゃる通り、一度ポーランドから出国して再入国される時から
      2国間協定は適用となります。

      最初のフランス入国時はシェンゲン協定の適用となります。

      なお、最近シェンゲン圏での移民や難民受け入れに関係する問題で
      フランス入国時には、3ヶ月以内にシェンゲン外(この場合はウクライナ)に
      出るチケットを予約されておいたほうがいいかもしれません。

      (片道航空券で入国する場合は最悪入国できない恐れもあります)

      この件については、不安であれば駐日フランス大使館か
      在フランス日本大使館に問い合わせをなさって下さい。

ブログ運営者について

こんにちは、たつやです。フリーランスとして翻訳業やコンテンツビジネスに取り組んでいます。 ある程度場所に縛られずに仕事ができることから、2016年から2017年にかけて、ポーランドでワーキングホリデーを使って生活をしていました。2018年の4月からはハンガリーでワーキングホリデーを使って生活をしています。 このブログでは、ポーランドやハンガリーの生活情報、そしてヨーロッパ各地の旅行情報などを主にまとめています。このブログを通して、あなたの海外生活や海外旅行がより実り多きものにして下さいね。

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