日本人男性は外国人男性より劣っているのか
スポンサードリンク

ネットの海を彷徨っていると、椅子から飛び上がりそうになる記事を発見してしまいました。

 

国際恋愛中のわたしが「日本人男性と付き合いたくない」5つの理由

 

いやあ、こんなこと堂々と書いちゃっていいんでしょうか、この人がいかに「物を考える力がない」ってことがばれてしまうと思うんですけど…

 

目次

そもそも外国人のほうが日本人より凄いのか

僕が英語を勉強し始めたのは、小学校5年生の時でした。その時からNHKのラジオ英語を聞き始めて、漠然と「アメリカ」「イギリス」等の英語圏、そして「海外」に憧れを持ったのは事実です。

 

今は、さすがに英語の勉強は止めてしまいましたが、英語との出逢いが「日本の外」に自分の視線を向かせてくれたのは事実でしたし、こういう出逢いを提供してくれた親には全然恩返しが出来ていません。

 

ただ、英語や海外と接する機会が多いからといって、「海外の人のほうが日本人より優れている」なんてことは思ったことはありません。

 

いや、まあぶっちゃけて言えば、そりゃルックスとかは欧米系(いわゆる白人)の、ホリが深くて長身の男性のほうがカッコいいな、とは今でも思っていますよ。女性に関しても、人種の関係で、どうしても欧米系の人のほうが大人びて見えます(逆に、日本人女性はいつまでもあどけなさが残っていると思います)。

 

で、もちろんこういう「外見」の違いはありますし、どちらが好みか、っていう話もあるでしょう。

 

ただ、そういう話と一緒に、人間の人格を「どこの人間が優れている/劣っている」って括りにしてしまうこと。そりゃ、思うかも知れませんけど絶対に、今回の記事のような形でアウトプットしたらダメですよ(というか、そういう方法で人を区別していったのが、かつてのナチスでしたからね…)。

 

 

昇華方法のまずさ

まず、このブログ記事の内容は、ダメです。というか、補助線の引き方と昇華の方法がダメですね。幼稚すぎるというか、よくこの内容でライターやっているな、と思います…。

 

じゃあ、どこがどうダメなのか、ということについて触れたいんですけど、まず、誰が考えても同じ結論に達する話を一つしておきましょう。

 

それは、「国籍や人種がどうれあれ、良い人間は良い。悪い人間は悪い」ってことです。

 

つまりですね、そもそも国籍や人種で「ああだこうだ」というのがお門違いだと言うことです。

 

僕は、恋愛経験こそそこまで多くはないですが、日本国内外で色んな人と接してきました。で、ダメな人はどこにでもいるし、しっかりしている人もどこにでもいて、しっかりしています。

 

僕の周りの日本人男性でも、恋人や妻のことをしっかりと理解して(理解しようとして)献身的に行動している人も当然ながら居ます(というか、僕の周りにはそういう人のほうが絶対数で言うと多い)。

その代わり、夜な夜な麻雀を毎日やっているダメンズも当然ながら沢山知っています。

で、恋愛でもいろいろこじれていく人達も何人も見てきました。まあ、こういうのは本人がどう捉えているかが全てなので、僕は「こんなパターンもあるのか」って外野から眺めていただけですけどね。

 

それに、海外でも、本当に色んな人達がいます。恋愛・パートナーシップ関係で言うと、献身的な男性も多いし、後は愛情表現が上手な人は多いですね(これは本当に、自分も勉強になります)。

でも、反対に細かなことにいちいちイチャモンつける男性もいれば、すぐにケンカに発展するような短気の持ち主だっています。国がどこであれ、テーブルマナーがなってない人達はいるし(ご飯を食べながら喋るとか)、エチケットをわきまえていて「呼吸をするように」実践している人だっています。

 

僕が知っているケースで一番衝撃的だったのは、国際恋愛していた日本の女性が身ごもってしまって、できちゃった婚をする話を進めていたら、挙式の数日前に男性に逃げられてしまった、といものです。今はその方、シングルマザーで切り盛りされているようですが、その話を聞いたときは、もう返す言葉もなかったですよ…。

 

そして、こういう色んな人達を見てきた結果、少なくとも僕が言えるのは「世の中いろんな人がいる」。ただそれだけです。別に、国がどこであろうが人種が何であろうが、母語が何であろうが関係ない。男女とも、しっかりしている人はしっかりしているし、「ちょっとこいつダメだな~」って人もいます。

 

自分の経験を一般論にすり替える危うさ

今回衝撃を受けたブログの内容を読んでいると、どうも、自分の経験を一般論にすり替えて、勝手に話の道筋を誘導しているようですね。というのも、この記事の内容を読む限り、このライターの恋愛経験で「日本人男子はダメだ」ということが書かれているわけです。が、それってただ、この人が出逢ってきた異性がそういう属性に属していただけなんですよね。これは、一応僕の周りにいる素敵な日本人男児の名誉のためにも言っておきますが、本当に素晴らしい日本人男性は沢山居ます。

そして、そういう人達に彼女はただ出逢えなかっただけですよね。そして、外国人の素晴らしい男性に「たまたま」出逢ってしまったから、自分の中で「日本人男子と外国人男子は違う」という対立構造が勝手に出来上がってしまった、と。

 

 

反知性主義とは何か

僕が尊敬してやまない、佐藤優の本に「知性とは何か」という本があります。

知性とは何か(祥伝社新書)

この本の中で、知性主義の反対である「反知性主義」の定義がされているので、ここで引用してみます。

反知性主義とは、「実証性、客観性を軽視もしくは無視して、自分が欲するように世界を理解する態度」

と、本書では定義されています。

この本は、日本の政治に関する考察が主な内容なのですが、いかがでしょうか、今回僕が取り上げたブログ記事の内容こそ、まさに「反知性主義」の典型例ではないでしょうか。

 

自分がこれまでにしてきた数少ない経験に基づいて、「自分が欲するように世界を理解する態度」だけでアウトプットされたのが、今回のような「知性のかけらも感じられない」ような文章になってしまったわけです。

 

(僕がこういう素材で記事を一本書くなら、まさに「人種や国籍で決めることは出来ないよね」という、この記事とは真逆の方法でアウトプットします)

 

この記事から感じる3つの恐怖

この記事を読んで感じた恐怖は、2つあります。

1つ目は、最高学府と呼ばれる、しかも世間では有名な大学を卒業しているにも関わらず、「知性」の欠片も拾うことが出来ないような内容でのアウトプットがされている、ということ。この文章を読んだだけだと、僕なら「本当に大学に行っておられたんですか?」と、聞き返してしまうでしょう。少なくとも、大学で論文を書けるだけの素地がなさそうに見受けられます。もちろん、煽り・炎上目的で書いているという推測は出来ますが、それにしてはあまりにも幼稚な進め方・昇華の仕方としか思えません。

2つ目は、こういうテーマがどうやら万人受けしてしまうということ。ブログのはてブ数を見ていると、1000個近く付いているようでダントツでトップです。もちろん、はてブを付ける人が全員肯定的な意見を持っているわけではないでしょうが、こういうテーマが受ける、というところに、日本に蔓延る反知性主義、ポピュリズムが垣間見えてしまいます。

3つめは、こんなクオリティのアウトプットでプロの「ライター」をすることができてしまうこと。僕が他の記事も含めて読んだ限り、そこまで興味をそそられる内容ではないのですが、こういう内容で月30万PVを確保できるっていうのは本当なんでしょうか。個人的には、「ライター」の「ラ」すら被ることができない程、お粗末な内容としか思えないのですが……。(これ、自前のブログだから公開されていますが、編集者は絶対に通せないですね。)

 

まとめ:世間で起こっていることはよく分からない

もう、上手くまとめられないんですけど(苦笑)、ただただ僕は残念ですよ。こんな内容が世間受けするの?こんな内容をコンテンツとして堂々と発信できるくらいには思考力ち知性がないの?もう、笑うしかないです(苦笑)。このレベルでインフルエンサーになれるというのは、世の中は自分が思っている以上に虚数空間になっているのか、それとも下界に位置するのか、果たしてどちらなのでしょうか…。

 

僕はまだ、知力を駆使して生きられる世界に居座っていたいです。

スポンサードリンク

おすすめの記事