26歳は旅に出る最適の年齢なのか
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実は、先日誕生日を迎えて27歳になりました。

わざわざ、自分の個人情報なんてブログで公表する必要はないわけですが、今回こんなことを話しているのは、理由があります。

 

皆さんは、沢木耕太郎の「深夜特急」という小説をご存じでしょうか。

この本は、旅人の間では「必読書」とも言える一冊で、この本をきっかけに、海外一人旅に興味を持つ人もいるくらい界隈では有名な本です。

深夜特急〈1〉香港・マカオ (新潮文庫)

深夜特急〈1〉香港・マカオ (新潮文庫)

「この本を知らないのに旅人をしているのは、ただのもぐり」というやつです。

 

この作品は全6巻セットで、作者が東アジアから南アジア(インド、ペルシャ)を通って、ユーラシア大陸の西の果て・ポルトガルのロカ岬に行くまでの旅行記です。

この旅の発端はもともと、「インドからイギリスまで、バスだけを乗り継いで行けるらしい」という都市伝説?を確かめるため、ということになっているのですが、旅の舞台は、インターネットなんて言葉すらなかった1970年前半で、当時は日本円と米ドルの為替レートも今よりずっと悪かった時代です。

 

そんな時に単身一人旅に出た作者の旅行記です。

 

もしまだ読んだことがないのでしたら、是非手にとって下さい(個人的には、第1巻のマカオでのカジノの話が一番興奮しました)。

では今回、なぜこんな話をしているのかといいますと、この本のあとがきか何かで、沢木耕太郎が興味深いことを言っているんですね(何巻に書かれてあるかは忘れてしまったのですが…)。

 

それは
旅に出るなら26歳が一番いい
ということ。

 

書かれていた内容は(うろ覚えなんですが)

 

「旅に出るなら26歳が一番いい。20代前半やそれ以前に旅をしても、僕たちは世界のことを何も知らない。世の中の仕組みや仕事、恋愛などを通して、ある程度人生経験をした26歳という時期が、一番旅にでるのにふさわしいのだ」

ということでした。

 

深夜特急を僕が読んだのは20歳の頃でして、当時はこの「26歳最強説」がすごく強く、頭に残ってしまったんですね。

そして、僕も偶然(?)26歳でポーランドに移ったわけです。

 

僕の場合、「26歳の旅」はポーランドでの生活そのものよりも、こちらに来るまでのユーラシア大陸横断の旅を指しているのですが、沢木耕太郎が言っていたことは本当なのかな、自分は一番良い時期に旅をできているのだろうか、ということを考えながら、ユーラシア大陸を列車に揺られて移動していました。

 

 

で、自分なりの結論なんですが

 

26歳最強説は本当だと思います。

 

もちろん個人差はあるのでしょうが、「20代後半に旅に出るのがいい」というのは、本当だと思いました。

なぜこのように考えるのかというと、「ある程度自分のペースで人生を生きられるようになる」のが、26歳くらいだと思うのです。

 

 

今振り返ってみると、大学に入学した当時や卒業後は「人生が呑まれていた」というのが本音でした。

学生時代も、学部やサークルでの人付き合いで慣れないことも多かったですし、恋愛でも色々と痛い目に遭いました。

といっても、学生時代にポーランドに初めて来てそれから縁が続いている、という意味では良いこともあったわけですが、今思い返すと、やっぱり「自分のペースで生きられなかった」のだと思います。

 

そして、大学を卒業してからも僕は会社を半年持たずに辞めてしまって、その後もしばらくの間精神的に大変な時期を送っていました。

 

ので、24歳くらいまでは大変なことが多かったな、という印象です。

 

答えのないことを延々と考えて悩み続けていた時期もありました。

結局あの頃に色々悩んでいたから、今は自分なりの結論が出ていて悩む必要が無い、というのもありますが。

 

でも、今ある程度自分のペースで仕事をして、稼ぎを得て、人付き合いも自分でコントロールすることができていて、26歳が、旅をするのに一番良い時期なのかなとは、肌感覚で思っています。

(このあたり、沢木耕太郎が考えていたこととは違うんですけどね)

 

そして、今この「26歳最強説」を自分なりに考えてみて思うのが、別の作家にも、同じことを言っている人がいるんだなあ、ということ。

 

その作家は宮本輝なんですが、彼の作品の「三十光年の星たち」の中で、

男は30歳になると、人生が自分のほうに近づいてくる

ということが書かれてあるんです。

三十光年の星たち(上) (新潮文庫)

三十光年の星たち(上) (新潮文庫)

(この本は上下巻の二冊ですが、もしあなたが20代の男性でしたら、なんとしても読んで頂きたい本です)

 

この作品の主人公は、30歳の男性で、それまでパッとしない人生を送ってきていたんですが、色んな出会いや偶然が折り重なって自分の人生を見つめ直して生きていく、という物語です。

 

この本を読んだのは1年くらい前なので、たぶん僕が26歳になってから読んでいるんですが、

「30歳になったら人生が自分のほうに近づいてくる」というのは

確かに納得できました。

 

僕はあまり、男がどう、女がどう、という話はしないのですが、それでも、同年代の女性を見ていると、同年代の男性よりもしっかりしている、というか大人びているなあ、と思います。

 

これは中学生くらいから思っていましたが、男性はやっぱりやんちゃで、地に足が着いていないような人が多い。一方女性は、現実的というか先のことも色々考えている人が多い印象でした。(あくまで、一男性からの視点ですが)

なので、宮本輝が言っていることが女性に当てはまるのかどうかは分からないんですが、
少なくとも男性にとっては真実だと思っています。

(もちろん、多少の年齢のずれは人によっては生じるでしょう)

 

そして、僕はこの作品を読んだときに思ったんですが、結局、沢木耕太郎と宮本輝がそれぞれの作品で言いたかったことは、同じなんですよね。

沢木耕太郎も、もしかすると「男性は」という枕詞が付いているのかもしれませんが、

「人生が自分のほうに近づいてくる」タイミングで旅に出るのがいい

ということが言いたかったんだ、と今は解釈しています。

 

 

もちろん、15歳や18歳でアメリカに一人で旅に出たり留学をしたり、20歳前後で留学や海外ボランティア、一人旅に出ることで、普段の生活では体験できないようなことを知ることができますし、見聞も広がるのは事実です。

 

自分が当たり前だと思っていたことが通用しない世界を知って、相当ショックを受けることもあるでしょう。

 

なので、別に26歳になるまでに海外に出るのは良くない、ということが言いたいのではありません。

 

ただ、そういう時期に海外に出ていろいろ振り回されて経験をした後で、改めて26歳前後で海外に出てみると、今度は、以前より幾分余裕を持ってその世界と接することができると思うんです。

 

大事なのは、自分のペースで、自分の土俵で異世界と繋がることなんですよね。

 

バタバタしたまま異世界に行っても結局呑まれてしまって終わりです。

 

別に、海外に行くことに限りませんが、自分の人生のペースを掴む(知る)ようになるのが26歳~30歳くらい、ということは、多くの(特に男性)に当てはまるんじゃないでしょうか。

 

そういう意味では、僕は良い時期に旅をすることができたなあ、と思っています。

 

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